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猫の話

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我が家の猫について書いた話。
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#猫

JONATHAN RICHMAN - egyptian reggae

ジョナさん・リッチマン&ザ・モダン・ラバーズによる1977年UKチャートで最高5位にまでなったヒット曲。

元々は、パスカルズのカバーでこの曲を知った。
日本語の歌詞が付けられ、『きんとんうん』というタイトルが付けられたその曲は、パスカルズのライブでも人気が高く、頻繁に演奏される。

で、この曲の歌詞の内容を読んだ妻が、
「これはちっちのテーマソングにしたいと思う」
と言い出し、それはまあ、勝手に
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四十九日だった話

四十九日だった話

こないだ、猫のちっちがいなくなってから四十九日が経った。

これでいよいよちっちは遠くへ旅立ってしまったのだけれど、四十九日前に妻が少し前のちっちの写真を幾つか、デジカメから発掘した。

この写真がとても好きで、寝転がりながら『風雲児たち』を読んでいる妻のお腹に手を乗せて、漫画に嫉妬しているちっち。

生活感と猫の可愛らしさと読んでいる漫画のセンスが全て融合した個人的に百点の写真だ。

これを撮影

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猫の月命日だった話

猫の月命日だった話

ちっちがこの世からいなくなってしまって、今日でひと月経って、しかもバレンタインデーだった。

妻は毎年、バレンタインデーにはチョコレー細工を作るので、今年は何かな、と思っていたら、これでした。

ちっちの頭を撫でているチョコ。
下のケーキはガトーショコラになっております。

更に余ったチョコでこんなのも作ってた。

妻曰く、月命日チョコだって!

ねーよ、そんな習慣は!

とても美味しかったです。

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猫の位牌を作ってもらった話

猫の位牌を作ってもらった話

妻がちっちの位牌を作りました。

遺骨は家にあるんだけど、でかいし、毎日挨拶したりお供えしたりするのに位牌があると便利だね、なんで話してたら、作ってくれました。

焼ごてでちっちの絵も描いてくれました。

宝物がまた一つ増えた。
#猫

猫がいなくなって一晩経った話

猫がいなくなって一晩経った話

昨晩(1/14)の夜に、この世に卒論を提出(時事ネタ)してしまったちっち。

本日、深大寺の動物霊園に連れて行き、荼毘に付してもらいました。

で、色々打ち合わせとかして帰宅すると、もうちっちのいない家が待っていた。

外出中に妻はちっちのための色々を、片付けていた。
トイレだとか、爪とぎだとか、壁を保護する布だとか、食器だとか。

これでこの家は、ちっちのための物がもうない家、として生まれ変わっ

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竹内七輪の話

竹内七輪の話

クリスマスの夜に初めての痙攣を起こしたものの、正月もなんだかんだ越して、ご飯よく食べるし、なーなー、と鳴き声も戻ってきたし、自宅点滴用の輸液を病院に買いに行った時も、そのことを聞いた看護師さんが「えっ」と声を上げて驚くほどの回復を見せたちっち。

それでも、この二、三日の急な冷え込みに伴い、またぞろ口の中が臭くなってきた。

見ると、またも涎が粘液のようになっていて、くちゃくちゃと何度も口を動かし

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猫と年を越した話

猫と年を越した話

昨年のクリスマスの夜に痙攣を起こし、一時はもうダメか、と思われた我が家の猫、ちっち。

ところがその次の日から何故か食欲が戻り、やがて今まで通りのカリカリのご飯まで食べるようにまで回復するという不思議を見せた。

普通にご飯も食べて水も飲むようになったことにより、体力も回復して一時は全く鳴かなくなってしまったのだが、再び、なーなー、と鳴き声も戻ってきた。

とにもかくにも、苦しそうに寒い洗面所でジ

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猫が回復してきた話

猫が回復してきた話

クリスマスの夜に痙攣を起こして瞳孔を開き涎と大量の汗を垂らしながら全身をのたうち回らせていた猫ですが、その後、このままではいかん、と思ったのか知りませんが、徐々にチャオちゅーるからモンプチのスープ、銀のスプーンのジュレのやつ、と段階を経て、昨日はとうとう、銀のスプーンの普通のやつを一心不乱に食べ始め、なんと今朝は、今まで通りのカリカリのやつをもりもり食べていました。

どういうことなの?

一度完

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猫が痙攣をした話

猫が痙攣をした話

クリスマスの夜、老猫のちっちはパソコンの横に置いてあるプリンターの上で寝ていた。

俺はその姿を横に見ながら書き物などをしていたのだけど『やりすぎ都市伝説スペシャル』が始まって少しした後、突然猫は立ち上がり、自分の尻尾を追いかけて走るような仕草をし始めた。

プリンターの上で尻尾を追いかけ回すのは危ない、という思いと、最近めっきり元気が無くなって動かなくなっていたので、突然元気が出たけど何事だ、と

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猫に我が家で点滴をする話

猫に我が家で点滴をする話

寒くなるに従って我が家の猫の調子がまた悪くなり始め、具体的にはぐったりする時間が多くなり、口臭がとても酷いものになり始めた。

で、石垣島の祖母の葬式から戻ってみると、いよいよ猫は朦朧とした様子で浴室から出て来なくなってしまい、おまけに歯茎を調べてみると赤く腫れ上がって歯周炎を起こして、涎もネバネバのエイリアンが口から垂らしてるやつと同じタイプのものになっていた。

こいつはいよいよか、お婆さんが

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猫が大分弱ってる話

猫が大分弱ってる話

石垣の祖母を見送ったばかりで今度は我が家のお婆さんもここにきて大変具合が悪くなっております。

歯周炎で涎、粘液も止まらず、口臭もキツイし歯茎が腫れてしまってご飯もお水も痛くて摂れない。

とうとう昨晩は、浴室から出て来なくなってしまいました。

死期を悟った猫は人目につかない暗くて寒いところに行く、と聞いていたので、こらいよいよか、と、本日病院へ連れて行きました。

もう大人しくされるがままカゴ

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猫が朝起こしにくる話

猫が朝起こしにくる話

朝もまだ暗い頃。時間にして三時半とか、四時。朝の。

猫はあろうことか我々人間を寝床から剥がそうと起こしにくるのである。

寝ている俺の顔や瞼あたりをザラザラと何かがいったりきたりしてきている。

あ、猫だ。

と、夢の底から俺は気づいて、猫が顔を舐めてらっしゃる、と意識に形を与え出す。

一体何故?
何事か良からぬことが起こった、もしくはこれから起こるので、御主人様身の安全を確保すると良い、とい

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猫を散歩に行かせようとした話

猫を散歩に行かせようとした話

十三年も前のことで些か恐縮ではあるが、こないだも書いた通り、我が家に猫が参加したのである。

猫は七輪と名付けられたが五日で、ちっち、という名に変わり、それ以来我が家の真ん中辺りでふてぶてしく寝ている。

と、書いている今でさえ、熱を出して布団で寝ている妻と、ドラクエ10を起動しようとパソコンの前に座っている俺との、丁度真ん中辺りに位置する畳の上で毛繕いをしている。ふてぶてしい。

で、時間は十三

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猫が家に来た時の話

猫が家に来た時の話

もう十三年前の話だけど、当時まだ結婚してなかった妻と、二人で一つの家を借り同居をした際に「自転車を買ったので近所を探索しよう」という話になり、「家に一番近いコンビニはここなのだな」とか「病院は意外と近くに三軒もあるから安心安心」などと言いながらくるくる近所を廻っていた。

そして、少し足を伸ばせば大きな幹線道路に出ることが判明し、その道路沿いに大きめの古本屋さんがあった。(BOOKOFFみたいだけ

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