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「プレステージ」(2006)ネタバレあり

基本情報
監督:クリストファーノーラン
脚本:クリストファーノーラン、ジョナサンノーラン
クリストファー・プリーストの1995年の小説『奇術師』を映画化した作品
ニコラ・テスラ役はデビッドボウイだったのか。

ストーリー
・間違いなく、二度、三度観る映画。
・日記を解読する日記という時系列の見せ方。そしてお互いに日記が相手にわたることを予測する。
・人生を犠牲にするボーデンと命を犠牲にするダントン。そのどちらがより大きい犠牲なのだろう。
・ダントンが欲しかったものは名声でも喝采でもない、ただオーディエンスが欺かれた、その喜びの表情だということが最後にわかる。
・人生かキャリアか。二人の出だしは対照的。キャリアのためにはすべてを犠牲にするボーデン。一方、危険を冒してもステージの上で妻の脚に接吻をするダントン。だが、それが物語を通じて交差していく。家族を失って復讐と名声に取り付かれていくダントン。一方、自分の周りを含めすべてを犠牲にしてきたが、最後には娘を守るためキャリアを投げ出すボーデン。
・お客さんを喜ばせるだけじゃなく、同業者から観て最高の演技をすることが偉大な奇術師だというのがボーデン。
・死んだのはファロンか、ボーデンか。オープンエンディングのようでいて、おそらく、サラのことを謝っていることからファロンだと思われる。だがその結果が面白さに全く影響しないのがすごいところ。
・毎度よろしく、時系列が巧みに切り交ぜられているが、ごっちゃにならないのはさすが。

演技・演出
・ステージの下で喝采を浴びられないダントンは地下でお辞儀をする。
・一方、テスラの装置を手に入れた後、生まれてすぐに一番欲しかった喝采を浴び、舞台裏で死ぬという風にダントンの人生は変わる
・毎日殺されていく鳥が、その後のダントンを暗示する。
・殺されない鳩に喜ぶダントン。本当は手を汚したくなく、観客の驚く顔を見たいだけのロマンチストさん。
・結び目について本当に覚えていないのか。物理的なコピー問題を取り上げつつ、ひとりの人間の中でも以下に認識が曖昧なのかを問うているところがすごい。
・最初に出てくる帽子が全て。歴代ベスト3オープニング間違いなし。
・そしてプレステージの説明がメタ的に行われるのがノーランっぽい。
・二度目に見ることで、ショーの時にダントンはどういう気持ちなのか、ボーデンか、ファロンか、観ている演技が変わる。

撮影
・帽子、2匹の猫、指のない手。赤いボール。鳥。そういったビジュアルモチーフを効果的に使い、言葉でなく、ビジュアルに物語を語っていくのは流石。
・最後のダントンの死体が並んでいるところ。

好きだったところ
・上記全てよき。逆に悪いところが見当たらない。

自分だったらどう撮るか
強いて言えば、カッターがどのタイミングでダントンのトリックに気づいたのか、もう少しわかりやすいとよかったか?
でもはっきりいってこれ以上よく撮れる自信がない笑

画像引用:https://www.imdb.com/title/tt0482571/

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