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「小悪党」との付き合い方

知人Aさんより。

お悩み相談というと何だかすごく偉そうになってしまい当てはまらない感じがするのだが、人の話を聞く機会は、わりと多い。
察するに、丁度よい距離感なのかと思う。
家族にイチから説明するような話でもなく、同僚に話すには微妙な警戒や気遣いが必要で、友人といるときに持ち出すにはやや重いというのか。

知人Aさんから聞いたお話を、マイルドに抽象化(できてるか?)して、いつぞやnoteの形式に倣って考えてみよう。


ケース☆スタディ

Aさんの職場に、このたび長期休暇から復帰する同僚B氏がいるという。
結論からいうと、AさんはB氏のことがたまらなく苦手であり、B氏が休暇に入る前ともに働いていた時期などは、氏のこと理由に退職を検討していたほどだった。ああまた暗黒の日々に戻るのか、と悩んでいるわけである。

どんなところが苦手なのかと尋ねてみると、このB氏のやり口(失礼。)はなかなか「いやらしい」。
直接相対しているときはにこやかに振る舞うものの、見えないところでは陰口や相手が不利になるような工作はお手の物。人からの頼みごとは驚異のスルースキルで躱しつつ、逆にお願いをするときは強引かつ鮮やかに「はい」と言わせるまで迫り続ける。他人の仕事は催促しても、自分の仕事はギリギリでよいのだと信じて疑わない。誰かのミスは見えるようなところに貼り付け、自分のミスは一目散に秘匿する。

ひとつひとつは些細なことだ。
誰でも身に覚えのあるような、保身や悪意。
けれど、積み重なると相手の体力や精神力を確実に削っていく。


「小悪党」とあえて呼ぼう。

B氏のような人は、本ッッッ当にどこにでもいる。
Aさんサイドの話しか聞いていないとか辛辣だとか言われる覚悟で、私はこのような人を「小悪党(こあくとう)」と呼ぶことにしている。
本物の「悪党」は、お金やモノを盗んだり、人に暴言・暴力を奮ったり、確信的に他者を欺くような人のことを指す。そういう立件できるような悪事をはたらく人は昨今対処のしようがあるのだが、「小悪党」は立件できないような悪事を重ねるところがいやらしい。
立件できないと言えども、B氏との攻防に消耗して、職場を見限り辞した人も多いらしい。

実は私自身もB氏とは仕事で何度か関わったことがあるので、今回のAさんのお話は意外なことではなかった。私自身何かトラブルがあったり嫌な思いをさせられたわけではない。
表面上は、あくまでにこやか。
ただ、皮相のみこぎれいにしておけば上手くやれるのだ、という思惑の透ける万事に誠意のみえない人だ。

処す?処しちゃう?

さて、Aさんが検討中の通り、退職するのも1つの手段だが、これからの人生においてもB氏のような人には高確率で遭遇するだろう。
ありきたりな対策でお恥ずかしいが、Aさんには「拒絶」と「無関心」をおすすめしたい。
ヨーガ・スートラ第1章33節においても、「不徳(アプンニャ)の人に対しては無関心」が推奨されている。
忠告などせず、まともに取り合わず、相手にせず。
人とのリレーションシップにおける慈・悲・喜・捨について説く第1章33節は、ヨガに関心のない多くの人も含めて、極めて実用的だと思う。(この一節については、またいつか触れたい。)

小悪党というのは見れば見るほど癇に障るちょこざいな振る舞いをするもので、シンプルにあまり見ないようにする(無関心)に限る。
他者が不利に不快に感じている様子をみて、それをエナジー・養分にするタイプの小悪党も多いので、「別に何とも思ってませんよ」と示すことで力を失うこともあるからだ。


貴様(北九州では「あなた様」を意味します。←嘘)

最後に「拒絶」というワードを付け加えたのは、私なりのささやかな抵抗だ。
「無関心」は十分に有効で、スマートな手段。しかし心情的には小悪党をそのままのさばらせておくのもいかがなものか、と思ってしまう。
AさんはB氏への「拒絶」を態度で表明するくらいは許されるのではなかろうか。

私は、あなたからの悪意を受け取りません。
あなたがどんなに他者の善意を喰い、上手く生きているつもりなのだとしても、私はあなたの欲望や行為を拒絶します。

貴様、あまり調子に乗るなよ。
ということである。

※我が故郷、北九州市の皆様、大変失礼しました。

はっぴーばれんたいん。

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