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Shall we 断捨離?

ご、5万円って。
寒くなったお財布の中身を眺めつつ、清々しい気分でもある。
セミダブルのベッド、ソファ、ロウテーブル×2、液晶テレビ、テレビ台、大学の先輩から借りパクしたスーツケース(時効)…
諸々の不用品回収費用が、値切った結果、しめて5万円なのであった。

安くない。
ヨガレッスン何回分だと思っているのだ。(生々しいぞ。)
 
私が習慣的に断捨離や掃除を行うようになったきっかけは、4-5年前に遡る。それ以前はモノを買うことに喜びを感じ、服やバッグ、漫画に小説、雑誌類、アニメグッズ、アイドルグッズ…それらに囲まれて暮らすのは幸せだと思っていた。今もそういった生活を否定するつもりはないのだけれど、当時の私は『コンテンツ依存』だったように思う。日々少しずつ降り積もるストレスや痛みをやり過ごすために、漫画やアニメ、小説に耽溺していくうちに、気がつくと心も体も動きづらい状態になっていた。
そうなると急速に、モノに溢れた自分の部屋が重く、負担に感じられた。

心のほうは如何ともしがたいので、まずは部屋から変えてみよう。
そうして私は、ひとつひとつモノを片付け始めた。
 
今回のように家具・家電など大きなものは地域のクリーンセンターに持ち込むか、不用品回収業者さんに依頼する必要があるが、私はまず小さなものから始めた。
フリマアプリ「メルカリ」を使って。
現在では300点以上の取引をメルカリで終えたが、最初に出品したのはBEAMSの半袖ブラウス。約5,000円で購入したが、裾のプリーツが絶妙に似合わない。1,200円で売れた。
利益は、1200円 − 手数料10% − 送料(当時のメルカリ便)=905円
嬉しかった。
喫茶店でコーヒーの支払いに使った記憶がある。(貯めろ貯めろ。)

売上金よりも、購入者のために丁寧に梱包して、小さな手紙をつけて、コンビニに発送しに行く、その手順そのものが、私にはとても健全に感じられて、楽しかった。メルカリでは、取引中のメッセージや取引後のコメントで、購入者の様子に触れられるのも面白い。

私にとっては「不用品」だったものが、誰かのおばあちゃんの荒れた手を癒すハンドクリームになったり、明日就職面接に向かう女の子のバッグになったり、幼い息子がずっと読みたがっていた本になったり、ヨガを始めたばかりの女性のタイツになったりする。
海を越え、山を越え。
 
余談だが、亡き祖母が祖父とのパリ旅行で購入したルイ・ヴィトンのレアなハンドバッグも、調子に乗ってメルカリで売った。5秒で売れた。
ばあちゃん、内ポケットのつまようじと絆創膏はちゃんと捨てておいたからね。
いつか天国で再会することがあれば、ぶん殴られるに違いない。
 
ヨガ哲学においては、ヨガのゴール(いつでも幸福であると気づけること)へ向かうために、8つの段階(ヨガ八支則=アシュタンガヨガ)が設けられている。そのうち最初の2つが「ヤマ」と「ニヤマ」。それぞれ生活の上での実践すべき5つの教えについて説いている。
ヤマ:禁戒。避けるべきこと。
ニヤマ:勧戒。追求すべきこと。
5つあるニヤマのうちから、2つを紹介したい。
「シャウチャ(清浄)」と「サントーシャ(知足)」。
シャウチャ(清浄):身の回り・身体・心・思考をサットヴァ(純質)に保つこと。
サントーシャ(知足):今の自分の有り様、持ち物、知識、環境に満足すること。
私の場合は「シャウチャ」を実践することによって、はじめて「サントーシャ」すべき自分の有り様に気づけた、と言える。
多くのモノに囲まれたごちゃごちゃの部屋では、自分が何を持っていて、何を持っていないか、ということさえわからなかったから。
 
ところで断捨離というと、要らないものを処分することを指すわけだが、私のように断捨離欲に憑りつかれると、要るものまで手放すことになるのでご注意を。リビングと自室はがらんどうになり、疲れても、もたれかかる場所はなく、ぺたんと座ることしか出来ない。

仕方ないから、ヨガでもやりますか。

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