【落ち着くまで毎日追記】感染症対策生活 in 上海
3月に突入してから感染症拡大が目立ち始めた上海。アパートが封鎖されたり解除されたりまた封鎖されたりと、感染症対策でここ最近忙しい上海。日本でもテレビやニュースで情報を得ることができると思いますが、ここでは生活ベースの情報をお届けしようと思います。
今回の記事につきまして、ニュース性を発信するものではなく、私の生活をベースとして「上海の感染症対策の動きと、その中での生活の様子」を参考までにご覧いただくことを目的としています。そのため、デマの拡散や誤解を与える表現を避けるため、掲載にあたり下記について留意しています。
野菜売り場の商品争奪バトルや、PCR検査会場でのストリートファイトなど、刺激的な映像がネット上に多く出回っておりますが、ここでは比較的穏やかで淡々とした世界が進みます。刺激的映像の箸休め的にご覧いただければ幸いです。
3月14日(月):近々封鎖するよ
陽性者の多い闵行区で住居の48時間封鎖&PCR検査が進み、レストランの店内飲食が禁止されるなど、感染症対策がかなり本格化されてきた。
「近々うちのアパートも48時間封鎖するよ」
アパートの主に連絡が入ったようで、こうなるととにかく行動が早いのが中国。私も水と食料のストックを準備しておかなくてはと、早速スーパーのデリバリーを頼んだがすでに配送員が足りない。みんな考えることは同じのようだ。ぐぬぬ。
ちょっと価格が上がるけど、近所の日系スーパーはまだまだ在庫が豊富。納豆や肉類は冷凍ストック。一番搾りは冷蔵ストック。
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3月15日(火):もうすぐ封鎖の予感
ひょっとしたらしばらく外で食べれくなるのでは、なんとなくそんな予感がしたので、夕食は中山公園エリアの手打ち蕎麦。自炊の300倍美味しい。蕎麦屋で隔離されたいぐらいだ。
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3月16日(水):48時間封鎖開始だよ
白い赤紙が来た。突然の48時間アパート封鎖開始である。事前情報もあり蕎麦も食べていたので私の体から余裕のオーラが溢れ出ている。昼寝してYouTubeでも見ていれば、48時間程度あっという間に溶けてなくなる。おうち時間の非有効活用だ。
一日一度、近所の中学校へPCR検査を行うので、その時だけは外出の許可が出る。大勢で会場に向かうのでちょっとした遠足気分だ。みんな帰りに買い物にも寄っており、アパートの封鎖を楽しんでいるようにも見えてしまう。
夜は早速焼肉だ。肉を焦がさないよう全神経を集中させているため、隔離されている緊張感を感じるどころではない。
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3月17日(木):PCR検査に行ってきたよ
PCR検査2回目。帰りにコンビニや市場に寄ってみたが、在庫はまだまだ豊富。この日は特に変わったことはなく、仕事をして一日が終わる。普段から在宅勤務なので、いつもの生活と変わらない。
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3月18日(金):48時間でも解除されないよ
今日で48時間が経過しアパートの封鎖解除だが、全くその通知が来ない。通知が来ないだけで封鎖解除されたのかな?と思ったが、アパートの門にはまだ監視員が立っており、結局この日は解除されることはなかった。
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3月19日(土):三日間延長だよ
「三日間延長するよ、PCRも2回追加ね」
衝撃のお知らせである。実はそうなる可能性も予測していたので「オッケー」と明るく返事をしておいた。この国は臨機応変というか行き当たりばったりというか、とにかくファジーなのだ。20年前に流行った炊飯器のようだ。
「PCRのついでに買い物にも行っておけよ」
日系スーパーの在庫もまだまだ正常。
豚しゃぶのシメに红烧牛肉面とチーズで優勝。
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3月20日(日):PCRに慣れたよ
PCR検査も慣れてきたもので、検査結果の紐付け用QRコードを出したまま口を開け、20秒で検査完了するほどに上達した。PCR初段。
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3月21日(月):明日で封鎖解除だよ
PCR検査も無くなり本格的にやることがなくなる。明日は封鎖解除の予定なので、自炊から解放される期待感で眠れない。いや、昼寝のしすぎだ、なぜなら本格的にやることがないからだ。
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3月22日(火):解除されたと思っていたよ
「封鎖解除だぞ!」夕方にようやく解き放たれるが、店内飲食可能なお店がとにかく少ないので、しかたなくヒレステーキと赤ワインをチョイス。自炊の3000倍美味しい。
帰宅すると、封鎖解除されたはずなのに、監視員がまだ任務に就いている。
解除されたんじゃないの?
「されてないよ、PCRと健康コード見せて」
はい
「はいOK」
解除されてないけどOKなのかよ、と思う。
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3月23日(水):封鎖解除されたよ
臨時外出許可証が配布される。これで堂々と外出ができるので、再封鎖の可能性に備えて早速買い物へ出かけると、肉類がごっそり売り切れている。たった数日の隔離でここまで変わるとは…高級輸入肉だけ売れ残っており、肉は金持ちの食い物となりつつある。
どうやら倉庫や加工場の人員や施設が封鎖となり、出荷がストップしているのが原因らしく、そういった点で言えばそのまま陳列する市場は強い。
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3月24日(木):市場が大変だよ
スーパーの客が市場へ流れ込み、市場の在庫が減り始める。この頃から街にはピリついたムードが漂い始める。
スーパーの肉類をアテにできなくなったので、意を決して市場の肉塊を購入してみた。牛ヒレと肩ロースの合計2kgで285元(約5520円)、高いのか安いのかよく分からないが、これだけ冷凍しておけば数週間はもつだろう。
私が市場から出てから二時間後、市場が隔離封鎖されてしまう。危うく数日間市場に閉じ込められるところだった。
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3月25日(金):半月振りの日常だよ
隔離されていたジムのトレーナーも解除され、半月振りにトレーニングに行ってきた。大規模なジムは閉鎖されているところが多い中、うちのような野良ジムはさほど影響がない。
ジム入居ビルに入る際には警備員から厳しく声をかけられる。
「おい!PCR陰性証明有るのか!」
有るよ!
「有るなら良し!」
見ないのかい。
トレーニング後は隔離解除された友人のお店で半月振りの刺身。個人的には生活が戻ってきたように感じるが、やっぱり街はまだピリついている。
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3月26日(土):抗原検査は自分でやるよ
街全体のスクリーニングがかなり本格化し、全員に抗原検査キットが配られる。検査は自分で行い、結果は各アパートの担当者に提出することになっているが、うちのアパートは「陰性なら捨てて良いわよ、陽性なら言いにきて」という自己申告制。結果は陰性だったのでキットはゴミ箱行きだ。
生鮮品の入手はネットの共同購入が主流になりつつある。荷物の受け取りが賑やかで楽しそう。お年寄りも「スマホで会計も済ませられるからこりゃ楽だ」と喜んでおり、高齢者のネット購入利用が一気に加速しそうだ。
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3月27日(日):東西対抗都市封鎖やるよ
上海の黄浦江から東側の浦東エリアを3月28日〜4月1日5時まで、西側の浦西エリアを4月1日〜4月5日3時まで都市封鎖を行うことが発表され、封鎖期間中は自由な外出は禁止されPCR検査が実査される。デリバリー配送員など社会活動に必要な人員は外出が許可される。また、東西をつなげる道路や公共交通機関の一部の稼働が一時的にストップする。
物資の買い込み争奪戦があちこちで繰り広げられている中、日系スーパーの生鮮品がひょっこり復活。ローカルスーパーに比べると割り高だが、それでも争奪戦のターゲットとなる可能性が高い。
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3月28日(月):毛根の安全を確保したよ
食材のストックばかり気にしており、日用品のストックをすっかり忘れていた。普段はネットで購入している育毛シャンプーだが物流が不安定なため、店舗へ直接買いに行った。危うく毛根が皮脂で封鎖されるところだった。
先日市場で購入した牛肉はまずまずの美味しさだったが、赤身肉なのでアゴが疲れる。レアで焼きたいところだが衛生面が気になるところ。ヒレ肉は柔らかく美味しかったので、扱いを覚えれば自宅で安くヒレステーキ三昧なんてことも可能だ。感染症対策で生活力がぐいぐい向上する。
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3月29日(火):猫のご飯を確保したよ
すっかり春らしくなった上海、先日の大雨ですっかり葉桜になってしまったが、まだまだ春真っ盛りだ。
水と食料と頭皮と毛根の心配ばかりして、猫のエサをすっかり忘れていた。もう一袋ストックが有ると勘違いしており大慌て。猫用療養食なのでペットショップでの取り扱いが少なく、普段はネット購入しているが、今回は動物病院もあたってみた。在庫取り寄せと発送を手配してくれ翌日には手元に到着した。
4月1日からのロックダウンに備え、生鮮品の入手がさらに困難になりつつあるが、生鮮品にこだわらなければ意外と食料は豊富だったりする。大きなスーパーでは冷凍・加工食品も品薄になりつつあるが、コンビニは弁当やチルド製品の入荷が比較的安定している。※店舗によります
コンビニ弁当も冷凍しておけば一ヶ月は保存できるので、自炊しない人にはおすすめの方法かもしれない。前日の晩から冷蔵解凍しておけば、少し味は落ちるが買った時の状態で食べられる。牛丼だってカレーだって凍らせちゃえばいけるかもしれない。ラーメンは流石に無理か。
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3月30日(水):おうち時間の過ごし方だよ
私の住む西側のロックダウンに対する準備はほぼ終わり、この日は特に何もせず家から一歩も出ることはなかった。まだ外出できるのにもったいない。
隔離生活を快適に乗り越えるコツとして非常に重要な点が「ストレスのコントロール」である。体調・精神・美容・頭髪など。ストレスは何に対しても良くないことばかり。以下が私なりに留意している3つのポイントだ、
■背徳感を味方につける
長時間ずっと隔離されていればストレスが溜まるのは当然で、他へ欲求を移すことでコントロールするのが手っ取り早い。好きなものを好きなだけ食べた・昼間からビール飲んでみた・5時間昼寝した・12時間ゲームやった。何でもいいので普段抑制していることを一気に解放してみると思いのほかスッキリする。
ただ、ここでモヤモヤと湧き出してくるのが背徳感である。太ったらどうしよう・時間を無駄にした・ダラダラしすぎなのでは。これでは本末転倒で太ったうえでストレスも溜め込んでしまう。隔離が明けたら痩せればいい、時間も取り返せばいい、背徳感にひれ伏すのではなく「後悔しない」ことで味方につけるのが楽に過ごすポイントなのだ。
■自分に合ったダラける方法を見つける
オンライン勤務などでメリハリのある隔離生活を過ごしていても、西側ロックダウンは土日や4月5日の清明節が絡むので、どうしても時間を持て余すことがある。読書・映画・ゲーム・YouTube・SNSなど何でもいいので、時間を潰せる方法を用意しておくとストレス無く時間を過ごすことができる。
特に現代ではネットワークが発達しているので、SwitchやPlayStationでのオンラインプレイ、PCやスマートホンでのオンライン麻雀など、家にいながら友人と遊ぶことも可能だ。特に運動系のソフトはオススメ。また、長時間ダラけ過ぎても、先述のとおり「後悔しない」ことが大切。
■他人と比べない
WeChatやTwitterなどで他の隔離者の情報や生活のひとコマが流れてくることがある。うちは解除されたよ、こんな美味しいもの食べてるよ、辛くて狂いそう、など不特定多数の喜怒哀楽を目にして自分と比べていてはキリがない。羨ましいムカつく、もっと上回る内容を投稿してやろう、そんな暇があるのならビール飲んで昼寝した方がよほど充実感はある。他人と比べて一喜一憂しても得られるものは何も無いのだ。
これらのポイントは、基礎疾患など生活するうえで制限がある場合は、当然その範囲内での過ごし方となる、健康第一。
以上、根本的解決になっていないかもしれないが後悔はしていない。
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3月31日(木):西側都市封鎖が始まるよ
4月1日からの西側都市封鎖を前日に、徐々に街が動かなくなってきた。街路樹には警戒線が張り巡らされ、街全体にピリッとした緊張感が高まる。警戒線がゴールテープのようだが、明日からのスタートラインなのだ。
コンビニやスーパーは夕方で営業終了、レストランも既に営業停止しており、営業中のお店はテイクアウトかデリバリー対応のみ。
新たに貼り出された白い赤紙には
など、細かく指示を出されているが、古いアパートは玄関の外に供用キッチンやトイレがあるので、臨機応変に判断するか、アテントかムーニーマンのお世話になるしかないが、やっぱりトイレに行った方が早い。
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4月1日(金):西側の封鎖が始まったよ
午前三時に開始された西側の都市封鎖。静かな朝を迎えられるかと思ったら朝8時前にドンドンドンドン!と玄関がけたたましく鳴る。
「はい、抗原検査、これ終わったら外でPCR検査受けてね」
見慣れない防護服の二人に抗原検査キットを渡され、隔離生活のリアルさを感じるも、よく見たら隣の爺ちゃんではないか。いつも廊下のガスコンロで中華鍋を振りペットボトルを集めている爺ちゃんが頼もしく見えてしまう。
PCR検査はアパートのすぐそば、一番乗りだったのか客ゼロ状態で検査はすぐに終わった。朝8時半で隔離生活初日のミッションを達成してしまい、昼ご飯食べてゲームして昼寝する。
昼寝から目覚めると、キーボードを蹴落とされていた。買い物に行けないので、隔離中にキーボードが壊れたらゲームオーバーである。いや〜、ワイヤレスキーボードじゃなくてほんとに良かった。という問題ではないのだ。
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4月2日(土):食料配布が来たよ
各区や街道ごとで食料配布が始まった。野菜や肉など生鮮品のセットに、ハムなどの加工食品がセットになった、スーパーのビニール袋ひとつ分の量が各家庭に配布される。肉や魚は冷凍すれば日持ちするが、野菜はなかなか扱いが難しい。こうなると野菜の配布は本当に助かる。そしてついに我が家にも食料配布がやって来た。
その野菜が無い。冷凍エビにエビワンタンにドイツウィンナー。クオリティ・オブ・ライフなチョイスだが、今はもっと庶民的でいい。どうやら野菜は後日配布とのことで一安心。それにしてもドイツウィンナーの存在がテラテラとまぶしい。
「生活維持のため配送員は隔離されないからフードデリバリーはできるよ」なんて話もあったが、実際のところデリバリーも麻痺している状態。そもそもレストランが営業していないのだ。
セルフ抗原検査もこまめに行われ、すっかり手慣れたものである。
セルフ検査は難しくないの?と思われるかもしれないが、イラスト付きの説明書が添付され、中国語が分からない人でも簡単に理解できる。検査液を浸透させると下から上へと徐々に検査結果が現れるので、無事にTをノーマークで越えられるかが毎回スリルとサスペンスだ。
夜は市場の肉塊とキャベツのごま油塩昆布あえ。外には出れないが天気も良く、ゲーム買って昼寝して過ごしやすい一日であった。
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4月3日(日):配布された食料を使ってみたよ
予定されていたPCR検査が中止となり、この日はすっかりやることが無くなってしまう。昼寝をしている時間帯にドアをバンバンバンバン!と鳴らされ抗原検査キットを渡されるのが日課となった。これほどおうち時間を持て余しているのに、毎日昼寝を邪魔される人も珍しい。
抗原検査結果の扱いも徐々に変わってきた。
開始時:陰性だったら捨ててよい
↓
数日前:電話で陰性かどうかの確認
↓
現 在:検査結果を直接見に来る
さすがに軽視できなくなってきたようだ。
夕食は昨日配布されたドイツウィンナーを使ってみたら、思いのほか美味しくてびっくり。さすがジャーマンと思って裏面を見たら、山東省青島産だった。ドイツの植民地だった歴史もあり、良質なビールやウィンナーの生産が得意なのだと思う。
感染症が落ち着いたらドイツ旅行だ。いや、さすがに遠いので青島旅行だ。いや、陸家嘴のドイツウィンナーのお店だ。お腹が膨れればいいのだ。
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4月4日(月):隔離最終日のはずだったよ
早朝6時すぎにPCR検査開始の呼び出しが鳴ったので、感染を避けるため早めに降りて行ったのだが、「アパートごとに呼ぶから戻りなさい」と追い返されてしまった。ぐぬぬ。
その後すぐに呼び出しがかかり、結局は朝7時過ぎには本日の任務が完了してしまった。2回も外に出れたので良しとしようではないか。
4月5日午前3時が隔離解除予定なので、実質この日が隔離最終日だったが、街にはそんな雰囲気もなければ隔離終了の通知もない。延長の通知もない、でも延長の公布は有ったらしい。とにかく隔離は延長なのだ。
時間を持て余しすぎてしまい、配布食材のエビを使って晩ご飯の支度。
どうしても寿司が食べたかったのだ。口の中でポリポリと弾ける食感がたまらないが、手間がかかりすぎるのでもういい。寿司は外。
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4月5日(火):二回目の食料配布だよ
前回の食料配布は冷凍エビ・ドイツウィンナー・エビワンタンというリッチなチョイスだったが、野菜ゼロというバランスが崩壊した組み合わせだったため、この日は遅れて野菜が到着した。鶏の手羽も付いて彩りにも富んだ組み合わせで一安心だ。キャベツは痛みが激しかったのか、かなりカットされ小さくなっていたが、ゴミ捨てに外出できないこちらとしては生ゴミが減るので大助かりである。
とは言っても肉や魚に比べて野菜はあまり日持ちしない。そこで冷凍保存する方法を調べてまとめてみた。下ごしらえだけ済ませて直接凍らせる「ダイレクトフリーズ」という方法があるらしい。調理も凍ったままでOK。ネットワークさえあれば台所仕事も心強い。インターネットってすごいね。
フライパンの焦げ付き除去のため、お湯を沸かして汚れを浮かせていたのをすっかり忘れており、ガスコンロ掃除の際に激アツの五徳を素手でつかんで火傷してしまう。冷やし方を調べて洗面所でずっとYouTubeを見ていた。やっぱりインターネットってすごいね。
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4月6日(水):時間を持て余しているよ
肌寒さも落ち着きすっかり暖かくなった上海。隔離されている屋内からでも心地よい日差しや風を感じられる。街を走る自動車はほぼ消え去り工場も稼働がストップしているためか、隔離開始から街の空気がとても良くなった。人が動いていないので騒音も無く、聞こえるのは鳥の鳴き声とたまに通る清掃員。もうしばらく隔離生活が続いてもいいのではないかと思ったが、仕事もゲームもやり尽くして時間が有り余っているだけなのだ。猫は毎日時間を持て余しており気楽でうらやましい。
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4月7日(木):世の中は動いているよ
私もクライアントも隔離状態なので、業務が停止している案件もいくつかあり、世の中がストップしていると錯覚してしまうが、そんなことはない。上海市外や日本からちょこちょこ連絡をいただくので、継続的に程よい安心感を得ることができる。毎日休日みたいな状態も満更でもないが、収入面を考えると手放しで喜べないので、程よいご連絡に心が潤っている。でも対面業務が一切無いのでひげボーボーなのだ。
ついに冷凍庫のイカに手を出す。
貴重なビールやハイボール用ソーダ水がどんどん体内に吸い込まれていく。ちくしょう、イカめ。
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4月8日(金):物によっては在庫不足だよ
先日の食料配布で野菜はまだ余裕ある状態だが、肉のストックがそろそろ心配になってきた。でもそれ以上に在庫数ギリギリになっているのが糖質ゼロビールとハイボール用のソーダ水。余裕があるのかないのか分からない生活だ。ラップやフリーザーバッグなど日用品のストックを見落としていたところもあり、見直しの意味もこめて取りまとめてみた。
ヒマなのだ。
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4月9日(土):検査キットがごっそり来たよ
朝から元気にドアバンバンが始まり、今日も抗原検査かなと思ったら、10回分のキットをまとめて配布された。ということは、あと10日間は隔離なのかなと嫌な予感もしたが、見て見ぬふりをしておこう。
糖質制限期間中だったのだが、そうも言っていられなくなってきたので、摂取量はほどほどに炭水化物も徐々に摂るようになってきた。そんな中、千葉ロッテマリーンズの柿の種が美味しすぎてロッテファンになるところだった。野球のことはさっぱり分からないけどロッテはいい球団だ。
今日も穏やかな天気に恵まれ、猫も安定してすごせた。健康第一。
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4月10日(日):三回目の食料配布だよ
ズドンと重みのある食料配布が登場。米5kgに麺900g。これでもう主食には困らないが、糖質制限してるので困っちゃう。でもそんなこと言ってられる状況ではない。
夜はストック牛肉と配給ズッキーニ。一気に米のストックが増えたので、夜はご飯を炊いてみた。白米ともち麦を1:1、食物繊維やタンパク質も摂れるのでオススメだ。そんな健康にも良いもち麦ご飯にお茶漬けの素をかけてつまみにする不健康さ。
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4月11日(月):四回目の食料配布だよ
陽性者数の状況に応じて三段階に分けて封鎖解除を行うという発表があり、解除されたとかまだされないとか色めきだっている上海だが、我が家にはまた食料配布が届いた。今回は大きな段ボールで野菜セットや果物、乾物、肉類など、隔離解除を感じさせない豊富なバラエティだ。卵が割れていたりキクラゲの袋が破れて散乱していたが、いただけるだけありがたい。
昨日配布れた乾麺にはスープがついてないので焼きうどんにしてみた。これがまた爆裂級に美味しくて私ってすごいなと思ったけど全てはインターネットの力だ。検索ってすごい。
飲料水節約のために、スープ麺ではなく焼うどんにしてみたのだが、喉がかわいて水をグビグビ飲んでしまいプラマイゼロだ。
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4月12日(火):丸鶏をさばいてみたよ
すっかり忘れていたが、冷蔵庫を開けたら昨晩配布された丸鶏が安らかにしていた。びっくりした。安らかなうちにバラして焼いてしまおう。丸鶏をバラすのは初めてだったが、なんとかそれっぽくなったので安心。隔離生活で生活力がぐいぐい上昇してしまう。
その食事中にドアがバンバンと鳴る。ついに隔離解除通知か、今夜は祝酒か、と思ったら、3回分の抗原検査キットが配られた。「明日と明後日9時に検査結果をドアに貼っておいて」とのことなので、明日と明後日も解除は無いようだ。祝酒のはずがしょっぱい酒になった。
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4月13日(水):やる事がなくなったよ
陽性者ゼロのアパートだが、やはり近隣のアパートとひとくくりにされている可能性が高く、未だに隔離解除の予定すら何も通知が無い。中国らしいといえば中国らしいが、開始は一気に終了は興味がなくなった頃にパラパラと突然やってくる。
抗原検査は二日に一回のペースで続いており、使用済み検査キットがどんどん溜まっていく。廃棄してもいいのだが、何かの証明を求められた際に提出できるよう、日付入りの袋で保管している。溜まる一方でも退屈なので、スマホで写真を撮ってPhotoshopで遊んでみた。
ヒマなのだ。
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4月14日(木):一ヶ月が経過したよ
早いもので3月14日の最初の封鎖通告から一ヶ月、4月1日からの隔離から14日間が経過した。さすがに4月中頃にもなれば落ち着くかなと思ったが、状況は変わらず解除通知の兆しすらない。数日に一度のPCR検査で、10分ほど地面を踏むのがたまの楽しみとなった。世界一金のかからない趣味「地面を踏む」だ。
当人もこの生活にすっかり慣れてしまったが、テレビの故障だけは解せない。以前使用していたAndroid OS搭載超近接プロジェクターの「Xperia touch」を引っ張り出してNintendo Switchと接続してみたら、リビングがシアターモードのゲーセンに生まれ変わったではないか。
難点としては、排熱に問題があり1時間ほどで使用できなくなる。ゲームは1日一時間まで、お前は高橋名人か。
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4月15日(金):五回目の食材配布だよ
飲用水の在庫数に注意が必要になる段階に突入し、そろそろ水道水そのままでの調理も検討しなくてはいけない。幸いにも自宅の水道水は臭みも少なく、古いわりには優秀なアパートなのではと思う。蛇口のタイプが古いので浄水器を取り付けられないのが難点だ。これだから古いアパートは困る。
配布食材の大根が余っていたので、匂いに敏感そうな和風だしで大根を炊いてみたところ、きっと知らずに食べたらたぶん大丈夫だと思われるレベルになったのではないかと感じる可能性がおそらくあるのではという仕上がりになった、たぶん。
味付けが薄く満足感を得られなかったので、ガツンとしょっぱい鯖水煮缶で心と塩分を潤す。油と塩さえあれば生きていけそうだ。
夕方ごろ、外が騒がしくなった。騒がしさはPCR検査・抗原検査・食料配布・隔離解除のいずれかの本前兆だ。時間帯的に配布か解除なのでどちらに転んでも嬉しい結果となるが、今回も食料配布だった。「精鋭出陣 決戦必勝」気持ちは分かるが物騒な段ボールだ。戦時中か。
回を重ねるたびに内容がグレードアップし、今回は過去最高の量とバランスの取れたチョイス。食品メーカーが協賛しているらしく、自社製品の充実っぷりが素晴らしい。
・野菜セット
・生麺
・肉まん
・豆腐
・干し豆腐
・スパム
・牛乳
・塩
麺好きの私にとって、ずっしり1kgの生麺は嬉しくて仕方がない。生産日は当日となっており、できたてほやほやを発送してくれたようだが、問題は賞味期限が三日後。肉まんも三日後、干し豆腐も三日後。大慌てで大食いしなくてはいけない。どれも冷凍ストックでいけそう。何はともあれ食材配布に感謝なのだ。
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4月16日(土):調味料が届いたよ
食材は定期的に配布されるが、調味料の残りがそろそろ心配になってきた。とは言っても団体購入は面識のない中国人とのグループチャットが煩わしい。そこで、お店の倉庫へ自分で配送手配する方法をとった。その結果、調味料がどかんと届いた。
配送費とあわせて合計22,370円、配送員へのチップと円安が超強力。それでもこういう時期なので購入できるだけ大助かり。ダシ昆布が予想より大きくてびっくり。
糖質制限どころではなく普通に食事していたら、体内にエネルギーが蓄えられ体重も少し増えてしまったが、水分も蓄えられ体脂肪率がストンと落ちてしまい、不本意な方法で目標の20%未満を達成してしまった。不意に隔離ダイエット(痩せてはいない)
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4月17日(日):六回目の食料配布だよ
アパートの爺ちゃんからリンゴをいただいた。先日食べきれない野菜を分けたお礼だろうか、こっそり渡された。賄賂的にこっそりだ。蜜の味だ。
どうやら私のエリアの食料配布は非常に恵まれているようで、今日は常温保存可能な牛乳と、高カルシウム低脂肪の粉ミルクが届いた。上海現地ブランドの光明乳業の製品で、こういう時の地元ブランドはとても頼りになる。
昨日ごそっと調味料が到着し、特別配送料や現在の円安を考慮すると、日本で購入した場合に比べてどのぐらいの価格差があるのか気になり、代表的製品で情報をまとめてみた。
円安の影響が価格に跳ね返り、概ね1.5〜2.5倍、物によっては3倍の価格差となる。そこに特別配送費が上乗せされるのだから、調味料購入価格で高級寿司に行ける金額だ。
そんなお寿司を夢見て、たらふく餃子を食べましたとさ。
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4月18日(月):七回目の食料配布だよ
「インターネット分かるか、ちょっと見てくれ」朝イチでアパートの爺ちゃんからSOS要請だ。だがWindowsはもう10年以上触っていないので、私にネットワークトラブルが解決できるかどうか分からないが、爺ちゃんよりは詳しいことは間違いない。まずは様子を見に行くことにした。感染予防にゴム手袋を渡される徹底っぷり。
行ってみたらPCではなくテレビがネットに繋がらないとのことだった。最近まで問題無く番組視聴はできていたとのことで、原因はテレビではなくネットワーク側かと思い光回線ルータを見てみたら電源が落ちていた。電源オンで問題解決。テレビ番組のストリーミング再生もOK。ルータ本体側面の「LED点滅オンオフ切り替え」ボタンと間違えて電源ボタンを押したらしい。「寝る時この光がじゃまだからオフにしてるの」確かに枕元でチカチカされたら婆ちゃんもたまったものじゃない。お礼に上海式シュウマイをもらった。上海のシュウマイは肉ではなく餅米なのだ。朝食にぴったり。
帰宅後しばらくしたら今度は婆ちゃんが「パソコンがネットにつながらないの」とのことで再度おじゃまする。Windowsはよく分からないからなぁ、なんて思ってたらiPad2だった。古い。どうやら麻雀ゲームのサーバにログインできないらしく、ネットワークやハードウェアの問題ではなかった。こればかりは仕方ないので婆ちゃんには状況を説明。そんな作業を、抗日ドラマが流れるさっき直してあげたテレビの横で行っていた。
帰宅してしばらくすると、婆ちゃんがジャガイモ餅を焼いてくれた。サクサクねっとりした食感がたまらない。手料理が心に沁みる。
先日どっさり調味料が届いたように、自分で配送手配を行えば個人注文可能なので、今度は飲用水やお酒をどっさり注文してみたら数時間でどっさり届いた。これでもう水分の心配はない。でも限られた水分。ふたつの意味で飲み過ぎ注意だ。
この配送自己手配の手順、初回は戸惑うことも多く、注文から受け取りまでの流れを分かりやすくまとめてみた。
後で気づいたのだが、3ステップとか言いながら13手順ある。3日で話せる英語術みたいなバラ色教材のようになってしまったが、お金を取っているわけじゃないから多少のタイトル詐欺ぐらい許してくれもいいではないか。
夕方ごろ、アパートが騒がしくなる。本前兆だ。配布が来た。段ボールには「恐るな、共にゆこう、必ず勝つ!」という少年ジャンプみたいなスローガンが入っている。熱血配給だ。
水のストックや食材に余裕ができ、夜は鍋にしてみた。ソーダ水もしばらくぶりだろうか。久しぶりのシュワシュワにメロメロだ。
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4月19日(火):八回目の配布だよ
「食料配布が全然来ない」「汚い野菜しか来ない」など、エリアによって食材配布の格差が大きい上海隔離生活。各区や街道の調達力に差が出ているのだろうか。私のエリアはバランス良く回数にも恵まれ、幸いにもトップクラスの充実さではないだろうか。そして今日また8回目の配布が届いた。
今回は食材ではなく日用品のセット。ティッシュペーパーやトイレットペーパーの在庫が不安だったので、このタイミングでのたっぷりした支給は大助かりだ。「大便はシャワーを浴びる直前に行うこと」という悲しい家訓を解除しようではないか。
ハンドソープ、シャンプー、ボディーソープ、石鹸はリッチに輝くLUXだ。漢方配合育毛シャンプーを愛用している私には、こんなキラキラした物は出番がなさそう。全身から女のにおいがして眠れなくなりそうだが、LUXは中国語で「力士」。汗と男のどすこいな世界である。ごっつぁんです。
トイレットペーパーも金パッケージ。贅沢な4層タイプでお尻にやさしいが、古いアパートの配管には紙が分厚過ぎてトイレがつまりそうだ。金持ちが贅沢品を選ぶのではない、贅沢品が人間を選ぶのだ。
配給食材をどんどん使わないと痛んでしまう。ジャガイモや茹で卵の黄身、ケーキ、ビスケット、パンなどモサモサしたものが苦手なのだが、こういった状況なので選り好みもしていられない。そこで、ジャガイモをシャキシャキと食べられる青椒土豆丝(ジャガイモとピーマンの千切り炒め)を作ってみた。美味しい。またひとつレベルが上がった、青椒土豆丝の呪文を覚えた。
建前はいちおう糖質制限中なのだが、ジャガイモ・餃子・カップ麺にビールという、建前も卒倒しそうな献立である。
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4月20日(水):九回目の食料配布だよ
配布が止まらない、これで4日連続だ。今回は発泡スチロールで届けられた、生鮮品の可能性が濃厚で、肉や卵や加工・冷凍食品などタンパク質を期待してしまう。
期待を胸の箱を開けてみると、新鮮な野菜と果物、ありがたい。とてもありがたいがタンパク質が見当たらない。でも頂き物なのであれこれ要望ばかり言うのは大変失礼だが、猫が私の心を現すかのような表情をしていた。
さすがに一人では食べきれず、冷蔵庫のスペースにも限界が来たので、調理や保存方法に頭をフル回転させるが、とにかく野菜がでかい。なんでもでかいのが中国サイズだ。
猫は餌を与えればすぐにご機嫌。隔離前に餌のストックもお忘れなく。
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4月21日(木):野菜だらけだよ
友人のアパートが隔離解除されたとのことで、私のアパートも再度チェックしたところ、相変わらずの隔離対象となっていた。私のアパートは陽性者ゼロだが、近隣のアパートとひとまとめにされているので、解除までの出口がなかなか見えない。とにかく今は目の前の大量の野菜との戦いだ。
冷凍庫もいっぱいなので、茎レタスや大根、生姜は干して長期保存できるようにしようと思う。段々とやることがお婆ちゃんみたくなってきた。
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4月22日(金):5日分追加だよ
5回分の抗原検査キットが配布された。朝8時に鼻をほじって検査結果を玄関に貼るのが日課となっている。バイオハザード袋にもすっかり見慣れてしまった。
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4月23日(土):宝が発掘されたよ
居酒屋にも行けないので日本的な味が恋しくて恋しくて仕方のないところに、棚の中から永谷園の鯛だし茶漬けを発見。去年の頂いた日本の味を大切に保管したまま忘れてしまい、ある時不意に発掘されるのはよくあることだが、賞味期限が切れていることもよくあることだ。だが、無視だ。
飲み水がもったいないので、お茶漬けなのにお湯をかけずに食べてしまうが、喉がかわいて結局は水をがぶ飲みすることになる。世の中は上手くできている。お茶漬けの素は3日後が賞味期限到達だが、やはり無視だ。
先日干し始めた茎レタスがゾンビ色になってきた。ゾンビ臭はしないので大丈夫だとは思う。大根とズッキーニが仲間に加わった。
そんなズッキーニだが、油と鯖缶と老干妈を吸わせたら間違いなく美味しい。老干妈入りの鯖缶妈を発売したらヒットするかもしれない。
ジャガイモは干すよりレンジでポテトチップにした方が手っ取り早くて美味しい。ノンフライなので健康にも良いが、食後にこんなものをつまんでいたらそりゃ太る。ここ最近で1kg重くなったが、体脂肪率は2%下がった。脂肪がついたわけではなさそうだが、炭水化物と塩分で水分がたまりむくんでしまった。良いように言えば体内が潤っているのだ。
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4月24日(日):運動は欠かせないよ
むくみに左右され体重が上下する隔離生活だが、外出できないからといって運動をしないのは心身ともに良くない。毎朝Switchで運動はしているが、それ以外の筋トレやストレッチ方法をYouTubeで調べてみたので、ジャンルごとにまとめてみた。
隔離明けにはムキムキガリガリになっているかもしれない。
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4月25日(月):抗原検査やりすぎだよ
もう何年も在宅勤務なので、幸いなことに仕事は続けられるのだが、お客さんが動けない状態のため、業務量の現象や低速化は避けられず、月曜昼間っから焼うどんとビールという罪深い献立になってしまった。私は悪くない、それもこれもこの世の中が悪いのだ。
毎朝の抗原検査に加えて、イレギュラーで一斉検査が入り、「朝早くに起こしに来るの申し訳ないから、夜のうちに検査してドアに貼っておいて」ということで夜も抗原検査して、一日に三度も鼻をほじることに何の意味があるのか深く考えない。
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4月26日(火):久しぶりのPCR検査だよ
私のアパートは陽性反応者ゼロなので、毎日のセルフ抗原検査が基本なのだが、たまに全市一斉PCR検査が行われる。その時だけは外に出て大地を踏みしめることができるのだ。
PCR検査を済ませて喉に違和感のあるお婆ちゃんが、ゴアァーーーと痰を発射する準備が整ったと同時に「おばあちゃん!吐いちゃだめよ!」と感染拡大防止文明行為を指摘され、発射されなかった弾がその後どこに行ったのか気になる。
干していた茎レタス、大根、ズッキーニが毒々しい色になってきたので、そろそろ料理に使ってみようと思う。見た目とは裏腹に嫌な匂いはせず、茎レタスはむしろいい匂いがしているので、成功なのか失敗なのか分からない。
鶏手羽の和風だしカレーを作ってみた。カレーなら多少の不味さを覆す美味しさになるはずだ。あと、ただ単にカレー蕎麦が食べたかっただけなのだ。
結果として、干し野菜がカレースープを吸ってとても美味しく仕上がった。毒々しいとか漢方薬みたいとかゾンビ色とか言ってごめんよ干し野菜。
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4月27日(水):お肉を買ったよ
冷蔵庫の肉がほぼゼロ、丸鶏や肉塊の配給を待っていても仕方がないので、ハムやウインナーをごっそり購入した。ハム、ウインナー、ベーコン、サラダチキンの伊藤ハムの団体向け特別パッケージで、10セットからの販売で団体個人問わず購入が可能だ。一ヶ月分以上はあるだろう、これで隔離延長もへっちゃら。でも塩分の摂りすぎには要注意だ。
何が良いかと言えば、小分け、調理不要、冷蔵長期保存可能、そして平べったい。平べったさの実力をお見せしよう。
お高い輸入品ではなく中国国内生産品、でもクオリティは日本の製品と全く同じだ。しかも通常価格より17%ほど安く、配送も手配してくれるというのだから大助かり。
早速夜は久しぶりの肉でウインナーを1パック丸ごとやってやった。家族で食べそうな量を一人でやってやった。独占欲と切なさが心の中での入り乱れる。
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4月28日(木):10回目の食料配布だよ
何度も言うけどうちのアパートに陽性者はいないけど、近隣のアパートとひとくくりにされているのか、隔離解除の兆しが一向に見えない。陽性者リストに表示されなければ、封鎖リストにも表示されないどっちつかずのアイウォンチューだ。
この日も朝からPCR検査。抗原検査も1日2回行っており、喉と鼻をほじりすぎている。
10回目の食料配布が到着した。常温保存できる食材でとても助かる。そしてついに日本ブランドが登場、ハウスのバーモントカレーだ。
中国のバーモントカレーは辛味がそれほど強くなく、ちょっと甘めの味付けが特徴。あー、なんか違うなー、と食べる度に思うのだがまた食べてしまう。何が入っているんだ。
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4月29日(金):働いて遊んでたよ
本日発売のSwitch Sportsと仕事に明け暮れて記憶がない。
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4月30日(土):11&12回目の食料配布だよ
前回の生鮮品の配布が10日前だったので、そろそろ野菜が欲しいなぁと思っていたタイミングで食料配布が到着。ナイス。
残念ながら野菜は無かったが、どれも常温保存できるものなので扱いが楽だ。とにかく炭水化物の配布が多い。ダイナマイトみたいな1kgの乾麺は既にストック3本目となった。実に30食分だ。それなのに友人は「小麦粉でうどんを打てばどうだ」などと言う、彼は脳に麦芽でも生えているのだろうか。
夜にまた配布が届いた。光明乳業の乳酸菌飲料、分かりやすく言えばとっても甘い飲むヨーグルトだ。どろっとしてとにかく甘い。効きそう。
小麦勢力に反発して夜は蕎麦にした。日本の心、ざる蕎麦だ。ざるが無いのは仕方ないとして、せめてガラス容器で夏を先取りと思ったが、不意にダンディーな様相になってしまった。そばつゆでグラスを傾ける日が来るとは。
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5月1日(日):ロックダウンから一ヶ月が経ったよ
4月1日からの4日間限定ロックダウンが一ヶ月経過した。4日間で終わることはないだろうと思ったが、一ヶ月になるとはさすがに予想できなかった。
こうなると猫の餌のストックが心配になってくる。慢性膵炎持ちのお爺ちゃん猫に糖尿病用療養食を与えているので、購入先を見つけるのがちょっと難しいが、友人の手伝いもあり4パック購入できた。これでストック合計5パック、100日間は安心だ。
私のエサもストックが減ってきたので追加補充。サントリーの角瓶だ。街中のデリバリーが徐々に復活してきたのか、通常配送で購入できるようになり、配送料チップ上乗せ無しで数時間で届けられた。
隔離一ヶ月記念に余裕の在庫量で、この日は心置きなく飲んでみた。この後スイッチスポーツのオンラインプレイで汗を流し、今日も健全な一日を過ごしたことを自負する。
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5月2日(月):13回目の食料配布だよ
少し二日酔いだ。酒を飲んでスイッチスポーツなんてやるから、水分が抜けてしまったのだろうか。不健全極まりない。
先日の食料配布に入っていたトウモロコシ風乾麺がほぼ細うどんで大優秀。そばつゆともバッチリ合うので少し早い夏の味が楽しめる。
13回目の配布が到着した。待望の野菜が登場だ。
私はセロリが苦手だ。セロリや香菜や春菊など、においの強い野菜が苦手なのだ。私からすれば野菜ではなく、これはただの草だ。河原に植えたい。
他の住民に渡そうとセロリを握ってドアを開けたら、隣のお姉さんが「食べきれないから好きなの持っていってくれないかな」と、さっきの配布野菜が箱ごと置かれていた。
「私セロリ嫌いなので、セロリ要らない?」野菜を持って行けと言うお姉さんにセロリをあげようとする。この日本人どうかしてるぜと思ったことだろう。「セロリとっても好きなんだけど食べきれないから要らないわ」お姉さんはそれでも会話を拾ってくれる、若いのにしっかり人間ができているなと、日本人は嫌いなセロリを握りながら思った。
「じゃあ下の住人に配ってくるよ」「ありがとう、助かるわ」私としても嫌いなセロリを上乗せして処理できるので助かる。ちょうど下の階で「たったのこれっぽっち!野菜が足りないわ!」と憤怒していたおばちゃんがいたので、箱ごとプレゼントしたら喜んでいた。捨てる神あれば拾う神あり、ウィンウィンウィンだ。
ワインが手に入ったのでハムベーコンソーセージ祭りだ。肉にはワイン。
調子に乗って超貴重食材のペヤングにも手を出してみた。出汁と醤油の風味でめちゃくちゃ美味しい。こんな美味しいものが安く手に入るなんて、日本はなんて幸せな国なんだ。ペヤングをひとすすりしてワインをひとすすりだ。
この後スイッチスポーツのオンラインプレイで汗を流し、今日も健全な一日を過ごしたことを自負する。デジャヴだ。
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5月3日(火):虫の季節だよ
少し二日酔いだ。酒を飲んでスイッチスポーツなんてやるから、水分が抜けてしまったのだろうか。学ばないやつだ。
我が家のアパートは古い、しかもボロい。そして街路樹に囲まれているためか虫がよく現れる。駆除剤を設置しているので、ゴキブリなど大きな虫は現れないが、クモなど小さな虫がよく現れる。今年もハエトリグモの季節だ。
背中の白い帯が特徴的でかっこいいアダンソンハエトリ、ぴょんぴょんと素早く動く可愛いやつだ。屋内の虫を退治してくれるクモは益虫なのでやっつけてはいけない。プリンタ用紙で作った簡易捕獲器でポケットに飛び込ませ、丁寧に外へ逃してやる。
かっこいい可愛い益虫を追い出す矛盾。
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5月4日(水):麺が増えたよ
私は焼きそばが好きだ。ソース、醤油、塩、味は何でもいい、焼いた麺が好きだ。飲用水を節約したいのもあり、今はスープ麺より焼きそばだ。
1kg束の乾麺が3つもあるので、毎日コツコツ茹でては焼いて消費している。今日も換気のため玄関を開けながら焼いていたら、アパートの婆ちゃんが覗き込んできた。
「あんたまた焼きそば作って!焼きそばばっかり食べてるじゃないの!」
配給でもらったこの玉米风味挂面が美味いんだよ!
なんて話してたら、1束くれた。麺が増えた。上海のおばちゃんは語気は強いけど、心は朝のアドリア海ぐらい穏やかだ。
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5月5日(木):白猫が来たよ
うちの白猫が落ち着きなくして空を見上げながらニャウニャウ鳴いているので、鳥でも来たのかと思ったら近所の白猫だった。猫は自由に外出できるので羨ましい。
隣の棟で飼われているらしく、回数のひとつ多い隣の部屋からうちの屋根に登っては遊んでいるらしい。おそらく2、3歳の若い猫で毛並みも良く、うちの爺さんと大違いだ。
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5月6日(金):お肉を買ったよ
近隣のアパートに陽性者が発生し、一括りにされている私のアパートも14日間隔離が振り出しに戻った感があるので、気晴らしにごっそり肉を買った。日本人経営の焼肉店が販売している牛肉で、サーロイン1kgとヒレ300gを注文したら気が晴れた。
今夜は久しぶりの焼肉だ。一ヶ月以上外食できなかったので、隔離メシ史上最大の満足感だった。
この日のために赤ワインを一本ストックしておいた。もち麦ご飯も登場だ。
明日からは頑張ろう(何を
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5月7日(土):14&15回目の食料配布だよ
この日は朝から食料配布が到着した。乾燥白キクラゲ、乾燥ナツメ、氷砂糖など、配布内容の方向性が斜め方向に向きだした。小袋のドライイーストは先日配布された小麦粉と一緒に使うのだろうか。小麦粉と一緒に配布しないところが可愛い。
昼ごろ新たに配布が到着した。黒龍江省の米2.5kgだ。前回配布された米5kgもまだ手付かずで、自宅に炭水化物がどんどんたまっていく。でも長期保存できるのでとても助かる。
夜はオンライン飲み会で、久しぶりに日本語を話した。放置していたヒゲが伸びてミュージシャン仙人と呼ばれてしまう。台所作業で席を離れるついでに、伸びたヒゲをこっそり剃り、誰が最初に気づくかコンテストをやってみた。15分で気付かれてしまう。新たなヒゲの使い道だ。
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5月8日(日):GW終了だよ
日本のクラインとがお休みのため、GW中は私ものんびり過ごしていたが、よく考えたらGW関係無く一ヶ月以上のんびり暮らしていた。気がつけば夏が目の前だ。こちらの生活は特に変化が無いのに、季節はちゃんと変わっていく。地球はよくできている。
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5月9日(月):寝たきりだったよ
病気というわけではなく、昨晩のWeb飲みによる二日酔いで、夕方まで寝たきり状態だった。QOLが高いのか低いのかよく分からない。夜にメールをチェックすると、新たな仕事の連絡がはいっており「果報は寝て待て」とはよく言ったものだ。「善は急げ」と言いたいところだが、頭が回っていないので返信は翌日だ。
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5月10日(火):40日が経ったよ
4日間の隔離が40日経ってしまった。40日前と比べれば野菜の保存方法や水を節約した料理方法、丸鶏をバラしたり抗原検査に手慣れたりと、随分とレベルが上がってきたのではないのだろうか。レベル上げといえばドラクエ。ドラクエっぽくしてみた。
無理ゲーだ。
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5月11日(水):16&17回目の食料配布だよ
トラックが停車する音がしたら食料配布の前兆だ、さらに荷物を運ぶアパートの爺ちゃんの声がすれば本前兆だ。
今回は乾麺と味付け牛肉と牛乳と果物。野菜が切れていたので期待していたが、そんなに都合よく図々しい配布はなかなか起こらない。一部のスーパーやデリバリーが復活してきたのか、配布物がライトな傾向になってきた。
ハイボール用のソーダ水と、ワインとお茶をデリバリーで注文してみた。注文から1時間で到着したので、少しずつだがデリバリーが解放されてきたようだ。でも店舗数や商品在庫がまだまだ少ない。
試しに買ってみた「無気ソーダ水」とは、二酸化炭素を充填していない天然のソーダ水で体に良いらしい。良い買い物をした。
そうこうしているうちに、新たな配布が届いた。ソーセージとパン、これでホットドッグが作れるかと思ったが、サイズがおかしい。よしもと新喜劇の乳首ドリルの棒ぐらいでかい。
新しい仕事も決まりそうで、夜は焼肉でお祝いだ。
無気ソーダ水を使ってみた。ほぼ無炭酸でハイボールには使えず、人工甘味料が入っておりほんのり甘く料理にも使いづらい。無駄な買い物だった。化け物ソーセージでドリルしてやりたいぐらいだ。
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5月12日(木):配給りんごを使うよ
猫がトイレの中から全てのおしっこを床に放ち、朝から拭き掃除。9時前にして一日のエネルギーを使い果たす。
配給のりんごが大量に余っていたので、残りのエネルギーを振り絞ってジャムを作ってみた。甘いものは苦手なので砂糖なし、りんごの甘みだけで作ってみたら、さっぱりしていて美味しかった。ジャムというよりシャクシャクした水煮、冷やしてワインや梅酒をかけると大人の美味しさだ。
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5月13日(金):野菜切れだよ
前回の食料配布から二週間弱が経過し、残りの野菜はサツマイモと生姜とニンニクのみ。土属性トリオも良いが緑色のお野菜が恋しい。冷凍庫を探してみたらシュウマイが眠っていた。冷たいビールとシュウマイで白米をかきこみたいが、上海エリアのシュウマイは餅米のシュウマイだ。ビールどころか白米にも合わない。餅米をおかずに白米をかきこむようになったら末期だ。
と、文句を言いながらぺろりと6個食べてしまった。あと60個ほしい。
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5月14日(土):念願の強炭酸水だよ
5月11日に購入した「無気ソーダ水」は、ほんのり甘い体に良いただの水だったので、改めてソーダ水を注文しなおした。
タイのChangという強炭酸水、価格はちょっと高くなるが、ペリエなどに比べるとまだ安いほうだ。ついでに角瓶とワインを注文、ついで買いの方が値が張ってしまった。
久しぶりの強炭酸にご機嫌だ。こう考えると外出できないことを除けばもう日常なのかもしれない。感覚が麻痺しかかっている。
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5月15日(日):18回目の食料配布だよ
残りの野菜はサツマイモのみ、戦時中か。そろそろ生鮮品の配布のタイミングかなと思っていたら、野菜がごっそり配布された。大量のチンゲンサイ、でかい丸ナス、大根より長いキュウリ。相変わらずサイズ感が独特だ。
今回は豆乳はワンタンの皮など新顔も含まれていた。冷凍ワンタン配布してよ、とは思うが頂き物に贅沢も言ってられない。
久しぶりの野菜に浮かれてしまい、夜は焼肉となった。別で注文した生卵と納豆を白ご飯に乗せて、日本人として生まれたありがたみを噛み締める。母国の貧乏飯がこちらでは貴重食材なのだ。
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5月16日(月):居酒屋状態だよ
今回のロックダウンで大ダメージを受けているのが飲食業界なのだが、その関連企業となる飲食店向け食材販売業者も売り上げは壊滅的な状態だと思われる。その卸売り業者が個人販売を始めたというのだから私が黙っているわけがない。物静かだが内心大騒ぎである。
約50日ぶりの居酒屋メニューとなった。こうして実際に購入してみると、あの店のあのメニューはこの冷凍食材だな、とか見えてしまう。飲食店側からすれば、どおりで個人販売を嫌がるわけだ。
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5月17日(火):実家からよく聞かれるよ
「長期間のロックダウンで
ストレスは大丈夫なのか?」
「けっこう大変」
と、よく聞かれるのでそつなく返事をしておくのだが実際にはこうである。
ストレスの入る余地がない。
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5月18日(水):外出できるよ!
朝からPCR検査。もうすっかり慣れたもので、抗原検査結果を手にしてスマホにPCR検査登録用QRコードをかざし、口を開けて喉をほじってもらう一連の流れがなめらかではないかと自負している。PCR検査全国大会が開催されれば、県大会ぐらいには出場できるのではないだろうか。
「10時から16時まで、あそこのスーパーやってるぞ」
行っていいの?
「いいぞ!」
ん?外に出ていいの?
「いいぞ!」
出入許可証とかいらないの?
「うちのアパートは、そんなの関係ねぇ!」
アパートの爺ちゃんから、小島よしお風に嬉しいお知らせを放たれた。遂に外出が可能になった。私が知らなかっただけで、すでに可能になっていたのだろうか。でも今はそんなの関係ねぇ。
久しぶりの太陽と風。人通りや交通量が少ないだけで、季節を除いて街の様子はそれほど大きく変わっていなかった。だがよく見ると、監視員がテントを張っていたり花屋が枯れていたり、所々で今らしい景色を目にする。
お店はどこも動いていないが、自宅を兼ねている個人店はこっそり営業しているようだ。「買い物できる?」と聞けば「いいよ!」と嬉しそうに答えてくれる。ゴミ袋、電池、台所用スポンジを購入。また少しず生活用品を買い戻し、また来そうな何かに備えておかなくてはいけない。
自炊のできない友人宅に豚肉1.5kgが配布されたので引き取りに向かった。私からは調理不要なハムやベーコン、果物、白ごはん・納豆・生卵のセットを提供した。
かたまりのままでは解凍しずらいので、カットして小分けにして冷凍。今回の隔離生活でマメさが身についた。丸鶏一羽をバラすことに比べれば簡単でしかたがない。そのうち豚一頭バラせるようになるかもしれない。
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5月19日(木):スーパーに行ってみたよ
「あそこのスーパーやってるぞ」と言うのであそこのスーパーに行ってやろうじゃないか。食料品は困っていないので、隔離生活中に減った台所用品や紙製品の補充が主な目的だ。特にラップが残りわずかで、どうしても日本のラップを手に入れたい、ローカルのラップはにょ〜んと伸びて切りづらく大胸筋が鍛えられる。
感染症対策によりスーパーには入店条件がある
店舗によっては出入許可証提示の有無や入店人数に差はあるが、概ね上記のようなルールとなっているので、入店待ちの行列ができることになる。
大行列を目にしてすっかり入店意欲がなくなり、今度は近所の高級スーパーへ向かってみたが状況は変わらなかった。しかも買い物許可証の提示が必要のこと。うちのアパートにそんなものはない。
買い物は諦めてハンバーガーにトライしてみた。注文はスマホからのネット受付のみ、受け取りはデリバリーか店舗入口で手渡される。セット販売のみで、同一セット3つからの注文となる。友人と共同にお願いして1セット分けてもらった。
アンガスビーフチーズバーガーセットが3つに配送料を加えて190元、日本円で約3,800円なので、マクドナルドも気軽に食べられない時代になってしまった。誰よりも欧米文化を愛する身の私としては少し寂しい。
とか言いながら夜は刺身だ。日本酒が無いので料理清酒で試してみたが、ダメだこりゃ。
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5月20日(金):自主的にPCR検査行くよ
スーパーに入るにも地下鉄に乗るにも、とにかく48時間以内のPCR検査陰性証明提示が必要になる。定期的にエリア内の一斉PCR検査は行われるが、48時間以上間隔が空いてしまっては困るので、自発的にPCR検査へ行かなくてはいけない。
街の中に点在する無料PCRステーションで検査を行う。私たち外国人も無料で利用が可能だ。
検査方式は10人で検査管1本の混管方式。長い綿棒を鼻の穴にグッと押し込まれる。無表情のお姉さんにいきなりグッと押し込まれる。目が怖い。
今回は6時間ほどで検査結果が届いた。もちろん陰性、綺麗な体を絶賛キープ中だ。これでまた色んなところに出かけられるが、実際のところ行く所がない。堂々とお散歩ができるぐらいだ。
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5月21日(土):自然を堪能したよ
少し遠くのスーパーなら入れるかもしれないとの話を耳にし、天気も良いので散歩がてら行ってみることにした。しばらくの期間、人の往来が減ったせいか、心なしか街の自然が増えていた。
増えすぎではなかろうか。
肝心のスーパーには入れなかったが、久しぶりに長時間歩いたのでこのペースならまた痩せれるのではないだろうか。継続は力なり、努力をこつこつ重ねて結果を残したい。
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5月22日(日):高級お寿司だよ
本日から地下鉄の一部路線が動きだし、外出可能になった友人がお土産を持ってきてくれた。なんとお寿司。大陸的な甘い炙り寿司ではなく、ちゃんとした日本式のお寿司に心臓が爆発しそうだ。
今後は私自身も買いに行けるのではないかと思ったが、握り寿司セットが500元(約10,000円)、ロックダウンどうこうの問題ではなく、私にとっては入手が困難だ。
こんなのが有ったらいいなと思いを作ってみた。上海在住邦人4万人が買ってくれそうだが、こんなふざけた本は実在しない。
暇なわけではない。
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5月23日(月):バスも動きだしたよ
午前中は近所を散歩。昨日の地下鉄再開と同時に一部路線のバスも動きだし、少しずつではあるがロックダウン解放へと向かっているのが実感できる。とはいえ鉄柵やパーティー三角旗で封鎖されている住居もまだまだ多く、上海は今がちょうど境目といった感じだろうか。
帰宅して配給豚肉の処理を行う。豚の皮は以前は捨てていたが、煮こごりにすると美味しいとのことでチャレンジしてみた。冷蔵庫で一晩冷ましてみたが固まりが緩かったので、翌日さらに煮込んでみたら大成功。アツアツご飯に乗せるとトロリとご飯に染みていく。こんな美味しいものを捨てていたとはと、コラーゲンを噛み締めながら反省する。
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5月24日(火):20回目の食料配布だよ
食料配布もついに20回目となった。今回の内容は地鶏と米とお菓子。お菓子といっても日本でいう和菓子のような存在なのか、とにかく見た目が渋い。でも甘そう。
冷蔵庫のチンゲンサイがしおれてきた。早く処理したいけど、頑張ってだいぶ消費したと思う。という思いを「鬼滅の刃」に込めてみた。
ちなみに「鬼滅の刃」は、読んだことがない。
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5月25日(水):出入証が発行されたよ
友人の家へ荷物を取りに外出しようと思ったらアパートの外が騒がしい。外出できるとは言え、出入りするところもあまり見られたくないので落ち着くのを待っていたら、私の家にもやって来た。臨時居留証だ。
外出可能時間は9:00〜12:00の一日一回、毎回各戸から1名のみ。PCR検査のある日は午前外出不可なので、結果的に終日外出不可となる。
全く外出できない状態に比べれば随分と恵まれている。明日は存分に外出3時間を楽しもうと思ったがPCR検査日のため終日外出不可だ。ギャフン。
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5月26日(木):猫の定期検査だよ
昨年に膵炎で危篤状態になるも脅威の回復力で生き返りを果たしたが、膵臓が機能せず糖尿病を患ってしまったうちの猫。退院後は毎日朝9時と夜9時に血糖値測定とインスリン注射を行ってから食事という生活を続けていたが、三ヶ月ほど続けていたあたりから血糖値が落ち着き、その後しばらくして糖尿病の症状が消失した。寛解したのだ。現在でも月に一度採血し血糖値測定を行なっている。
ロックダウンで動物病院が休業状態なので、何かあれば非常に厄介。自分の生活以上に猫の体調が心配だったりする。
夜はオンライン飲み会。飼い主も2kgぐらい増えてしまった。
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5月27日(金):21回目の食料配布だよ
来週6月3日金曜は中国の祝日となる「端午節」。中国でも端午の節句にはちまきを食べるのが習慣。なので、ちまきが配布された。
友人から和牛のブロック肉をいただいた。和牛販売業者の方からいただいたそうだが、彼は自炊ができないので私の方で引き取った。カットして一部を焼いて彼にリターンしよう。
早速夜はステーキと赤ワインだ。
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5月28日(土):外出者が増えてきたよ
午前中のみ外出が可能なので、スーパーの行列見物がてら可能な範囲で付近を散歩している。以前に比べて外出可能な人数が増えてきたのか、少しずつ賑わいが戻ってきた。
近所をたっぷり練り歩いて帰宅して昼ごはん。塩分補給で醤油ラーメンをすすっていたら、変な視線を感じる。
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5月29日(日):闇市を見つけたよ
冷蔵庫のチンゲンサイがしおれてしまい、また野菜不足の生活に突入しそうだ。スーパーは2時間待ちの行列、野菜のネット購入はどうも気が進まない。そんな時に下の階のお姉さんが「すぐ近くで野菜買えるよ」とのことで連れて行ってもらった。
アパートの鉄柵越しに商品を選んでスマホで支払い、品物は鉄柵の間や下から渡してくれる。アングラ感に心が踊る。でもスーパーより安くて新鮮なホワイト経営だ。
玉ねぎ大と小で8元、卵は30個で30元。毎日朝から営業しているとのことで、これで野菜にはしばらく困らなさそう。卵は生食用ではないが、この金額ならじゅうぶん嬉しい。
闇市なんて戦後すぐの話かとおもったら、自分の人生の中でを経験することになるとは。
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5月30日(月):封鎖60日目だよ
6月1日からロックダウン解除との話が回り始め、街の雰囲気は徐々に開放ムードが漂っている。本当に解除するのか、条件付きで実質ロックダウン継続じゃないのか、など不安は残るものの後退している様子はないので特に心配はしていない。
60日間が過ぎ、これ以上続けないでおくれ、という願いをこめて、こんな商品が有ればなというのを作ってみた。
けっこうヒマなのだ。
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5月31日(火):解除前日にテレビ依頼だよ
街の様子を見ていると明日からのロックダウン解除がかなり濃厚になってきた。100%信頼はできないが解除は濃厚なようだ。
10時の様子。
そんな中、「上海のロックダウン解除に関する取材」について日本の情報番組から依頼が来た。関連映像の使用許可と、0時の瞬間の映像提供だ。カウントダウンで盛り上がる映像を期待していたのだが、結果は以下のとおり。
0時の様子。
誰もいない。こんな所で盛り上がっていたら警察が駆けつけそう。
深夜1時。Zoomで取材を受けるため、変な時間に髪をセットしてヒゲを剃りシャツを着る。深夜の撮影状況の説明を行い簡単な受け答えを行うが、危機感や盛り上がりに欠けたエリアなので、インタビュー内容が薄くなったのではないかと危惧してから寝る。
夜の映像が不発に終わったので、朝の出勤風景の撮影にもトライしてみるが、日本時間8時のオンエアに間に合わせるためには7時がデッドライン。中国時間5〜6時の間に撮影して送信しなくてはいけないが、早過ぎてきっと人通りはゼロだろう。ということも説明して危惧してから寝る。
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6月1日(水):ロックダウン解除だよ
早朝5時から街の映像を撮りに出かける。
朝早すぎるためロックダウン関係無くやっぱり人が少ないが、とにかく時間が無いので映像を撮ってはその場でテレビ局へデータを送信する。中国時間午前6時、オンエア開始1時間前となりここで終了。
私の家は日本のテレビが見れないのでオンエアは確認できなかったが、朝の地下鉄の駅とバス停の映像と、インタビュー映像を少し使っていただいたようだ。ロックダウンの最後にいい思い出ができた。
とにかく眠たいのでロックダウン初日は朝から昼寝。午後からはスーパーへ買い物へ向かい、日用品の補充を行った。またいつ住居が封鎖されるか分からないので、普段より多めにストックしておいたほうが安心だ。
スーパーには10分ほど並んで入ることができた。買い物時間は30分以内のルールなので小走りにカートを走らせる。セルフレジでは二人掛かりで精算を手伝ってくれ、客もお店もとにかくスピード勝負。
ロックダウン解除初日、確かに条件付きで街は解放されていたので、まずは一安心と言ったところだろうか。とにかくこの日はライフゼロ、ビールとハイボールでベッドへ向かうだけの体力を回復させてから寝る。
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6月2日(木):最終回だよ
ロックダウン解除二日目、街は急速に元の世界に戻りつつある。
3月中旬に48時間の封鎖が開始され5日間に延長、4月1日から4日間を予定していた封鎖が2ヶ月間に延長。この記事も4月中旬ぐらいまでの更新かなと予測していただが、なんと80日間の追記となってしまった。恐ろしい。
ニュース性も緊迫感も無いこの生活だが、怒りも困りごとも無くストレスフリーな生活かと言えばそうではなく、長い中国生活で会得した心構えで、楽して乗り切ったと言うのが正しいだろうか。
「この国の言うことは話半分でしか信じていないし、期待するほど落胆が大きくなるので、ツッコミ待ちの壮大なボケとして楽しむ」
6月いっぱいはロックダウンからの回復期間となるため、おそらく7月には「科学と理論をもった政策により人民の生命を最優先し、我々は疫病に打ち勝った」と、勝利宣言を出すことだろう。その時に言ってやろうではないか。「どこがやねん」と。
中国のあれこれを一球一球打ち返していては、身も心も疲弊してハゲて太る。どうせほぼボール球なので流しておけば勝手に塁へ進める。でもたまにデッドボールをくらう。
これを追記している6月3日時点で生活はほぼ元に戻り、隔離前の状態へ復旧させる細かなミッションもほぼ目処が立ったので、この記事は本日をもって最終回とします。非常に長くなった追記に、これまでお付き合いいただきありがとうございました。
もしまた追記されるとしたら、陽性者が出て再封鎖の時だ。デッドボールだ。
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