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誰もが進出したいブルーオーシャン。今回は、飲食業におけるブルーオーシャン戦略のお話しです。

宇宙一外食産業が好きな須田です。

ブルーオーシャン、レッドオーシャンって聞いたことがあると思います。

ブルーオーシャンとは、競争相手のいない未開拓の市場ということです。
ブルーオーシャンの対になる言葉が、「レッドオーシャン」です。
レッドオーシャンは、競合する企業が林立して飽和状態にあり、血みどろの競争が行われている既存市場のことです。

飲食業は競合が激しいので、レッドオーシャンの代表のように取り上げられることもしばしばあります。

ですから、参入しない方がいいという考え方も、理解できます。
確かに、うかつに参入すると大変な目に会うことも、事実あります。

でも、レッドオーシャンの代表の飲食業ですが、その中でも勝ち残っていく企業が沢山あるのも、これまた事実です。

誰でもブルーオーシャンに出店を考えます、その海を希望します。

ただし、ブルーオーシャンには後から次々と競争相手が参入してくるので、簡単に模倣されるような商品だった場合、あっという間にレッドオーシャンになってしまいます。

ブルーオーシャンとレッドオーシャンは、まったく別の海のお話しでは無く、ある意味表裏一体です。
ブルーオーシャンは、未開拓の市場を単に発見するだけではなく、新商品、新業態、そして戦略を練って自ら創り上げていきます。
一般的に、ブルーオーシャンを発見するなどと使われますが、実際にはかなりハードルの高いことです。

ただ、この「ブルーオーシャンを開拓する」、「ブルーオーシャンを創造する」といったことが不可能かと言えば、そうとも言えませんが、ブルーオーシャンを、競争相手がいない、または少ない市場であって、楽をして簡単に儲かる市場と勘違いしていると、痛い目に会います。
そういった考え方では、飲食業では、ブルーオーシャンを見つけることは出来ません。

何故なら、飲食業は元来保守的だからです。

競争相手がいない市場と言うのは、そもそもお客様もいません。

静かな青い海にただ一人という状態です。

それは、言うなれば遭難している状態とも言えます。

穏やかな海でただ一人。
リゾートに行って、のんびりしているのであれば、それも良いでしょう。
でも、ビジネスのステージでは、非常に困ったことです。
競争相手がいて、そもそも、その商品、その業態の認知度が高くなければ、飲食業はヒットしません。

仮に世の中に全くない商品・業態を作ったならば、お客様が頻繁に利用するようになるまでには、相当な戦略と投資と根気が必要です。
普通は、繁盛するまで持たなくて、途中で撤退ということになってしまうのが現実です。
事前のしっかりとした戦略と、参入後の遂行力が必要なのですが、それも全くの新しいものでは、かなり厳しい状況が予想されます。

さて、ではどうやってブルーオーシャンを見つけるのか、そのお話しをします。
このブルーオーシャン戦略を取り入れると、間違いなく商品はヒットして、業態は確率されていきます。
理由は後程お伝えします。

さて、先ほど飲食業は元来保守的とお伝えしました。

当然のことですが、飲食業は命と直結しています。

安全と安心と健康が担保されていないと、その商品その業態は認知されるまでに相当な努力と時間が必要になります。

よく経験することですが、地方に行くと名物までとはいかなくとも、その地方だけで食べられているものがあります。

その地域の方々には日常食でも、全国区では非常に稀有な料理ということは頻繁にあります。
このある特定の地方では日常食の料理を東京で出すと、途端に眉間にしわが寄ることがあります。
「これって食べ物ですか?」という質問までされることもあります。

この様に、ある特定の地域では市民権を得ていたとしても多くの方には受け入れられず、認知されるまでには時間を要します。

この様に、食は保守的な要素が高いのが一般的です。
ですから、全くの新商品には、お客様は警戒をしてしまいます。
では、どうすれば良いのかと言いますと、それは既存商品のバージョンアップです。

本当に、これだけでヒット商品になります。

例えば、エッグスシングスのパンケーキ。
これまでもパンケーキは存在していました、特段珍しい商品でもなく、どちらかと言えば昔の喫茶店で出ていた商品といった感じでした。
しかし、ハワイからやってきたエッグスンシングスが原宿にオープンすると、たちどころに人気店・行列店となり、今やパンケーキはあらゆる店舗で定番商品となっています。

グルメバーガーもそうです。

そもそもハンバーガーは、マクドナルドを筆頭にモスさんでもフレッシュネスさんでも、どこにでもある身近な存在の商品であり業態でした。

それが、佐世保の小さな店が、地元のお客様と米軍関係者相手にハンバーガーを提供していて、非常に賑わっていました。
地方のハンバーガーでしたが、佐世保で修業した方が、ザッツバーガーという店名で中野にオープンするとたちまち人気となり、グルメバーガーと言うジャンルが確立しました。

グルメバーガーが出始めた時には、誰が1000円も1500円も出してハンバーガーを食べるのかと言われましたが、結果はご存じの通りです。

今や、グルメバーガー業態は全国に存在しています。


この様に、既存商品のバージョンアップをするだけで、ヒット商品ヒット業態は作られます。

それが、飲食業におけるブルーオーシャン戦略です。

全く誰もいない、凪の海で戦うのでなく、お客様のいる海で新たな商品と業態と戦略で戦うことこそが、飲食業のブルーオーシャン戦略です。

そしてもう一つ、飲食業のブルーオーシャン戦略で必要なことは、模倣されることです。

冒頭での解説には、
「ブルーオーシャンには後から次々と競争相手が参入してくるので、簡単に模倣されるような商品だった場合、あっという間にレッドオーシャンになってしまいます。」と書きましたが、これはレッドオーシャンの一般論です。

飲食業では、真逆です。

模倣される=認知された証拠 です。

どんどん模倣されることで、その商品の認知度は高まり、一般的になり市場に浸透して行きます。

かつてのお寿司もそうです、蕎麦切りもそうです。
ラーメンも餃子も、カレーもとんかつもコロッケも、全てそうです。

最初は、誰か一人、どこか一店舗だけだったのが、真似られて、同じ商品を出す店舗が増えて、そして日常食、国民食となっていきました。

ですから、多くの人が真似たくなるほどの商品を作り上げて、その商品の元祖としてポジションを確立することが、これからの飲食業のブルーオーシャン戦略です。

さて、その既存商品のバージョンアップの方法は、次回お伝えします。

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