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商品の価格設定で悩んでいませんか?

宇宙一外食産業が好きな須田です。

 

久々の投稿です。

 

前回の投稿から半年以上が過ぎましたが、この間非常に多忙を極めており、現在もその状況は変わらず継続しております。

 

さて、今日からまた少しずつ記事をアップしていこうと思います。

 

理由は二つあります。

 

一つ目はもう3年余り継続しているUSENさん主催の無料セミナーですが、現在二つのテーマで開催しております。

このセミナーのテーマが「集客」と「価格設定」についてなんです。

 

どちらも新しい切り口でお話しをしておりますが、でもお伝えしている本質はどちらも原理原則に沿った内容です。

 

私は基本的に、原理原則から逸脱することはありません。

 

このセミナーに対する関心が非常に強く、多くの経営者並びに起業家が関心を持っていることが理解できているためです。

 

もう一つは、2冊目の出版のお話しがあり、その本のテーマをやはり「価格設定」にしようと考えているためです。

 

このnoteを通じて、価格設定の新しい概念をお伝えしようと思い、久々に記事をアップすることにしました。

 

さて、価格設定の件ですが、このテーマは飲食業のみならず全ての経営者の悩みの種だと思います。

 

安くしなければ買ってもらえない、高くしないと会社経営が継続できない。

 

でも、欲しい金額を言うと嫌われるんじゃないかと、離客するんじゃないかと、そんな感情と思考が頭をぐるぐるとめぐっている方も多いと思います。

 

かの稲盛和夫氏は「値決めこそ経営!」と断言されていたほど、この価格設定こそが企業の在り方を知らしめることとなっています。

 

安価にして大量に販売するのか、もしくは少量販売でも売上と利益確保を行うのか、まさにこの価格設定こそが販売戦略の基準となり、会社のそして飲食店としてのお店のポジションを決定します。

 

即ち価格設定は「ブランディング」なんです。

 

我々はこのような価値の商品をこのレンジの価格帯で販売していますと、消費者にメッセージを送ることになります。

 

あるお店は、客単価のレンジを3,000円代に設定し、あるお店は5,000円台に設定します。

 

これにより、必然的にお客様の層がセグメントされてきます。

 

3,000円代に反応する客層と5,000円台に反応する客層は、おのずと違ってきます。

これはすなわち、価格を決めることで、どの層の消費者をターゲットにして自社のビジネスを展開するのかを決める作業と言っても過言ではありません。

 

低価格にして客数を確保するビジネスモデルとするのか、ある程度の価格設定にして客数と価格のバランスをとるのか、高価格に設定して客数よりも高付加価値の商品を提供することで売上と利益を確保するビジネスモデルにするのかを決める作業となります。

 

ですから、稲盛和夫氏が唱えた「値決めこそ経営」ということになります。

 

私はかねてよりクライアントに対して、「誰とビジネスを構築したいですか?どのようなお客さまにサービスを提供し相互WINを勝ち取りますか?」と説いています。

 

“ビジネスをしていて楽しいお客さまと商売をしませんか”と、お伝えしております。

 

極まれに、「このあたりの客は金を払わない、みんな渋い客ばかりだ!」と、嘆いている方をお見掛けしますが、たいがいの場合そういったことを仰っている方のお店を見ると、低単価の商品をそれに見合った原価で生産し、販売するスタッフも最低限の人数を切るような体制でビジネスを行っています。

 

そして、そのようなお店にくるお客さまは、低い価値の商品を低価格で買い求め、「このお店は安い物しかない価値の低い店」として認識して、「そのように使い倒しています。

 

即ち、経営者がお客さまに対して「このあたりの客は金を使わない」と判断しているので、低原価の商品を開発しギリギリの売価で販売し、それに見合った販売スタイルとスタッフ数で商売を行っています。

 

「安けりゃいい、そんなお店でいいや!」と感じているお客さまだけが集まり、経営者の方はますますこのあたりの客は金を使わないという考えを強化し、ますます価値の低い製品を作り、つまらないビジネスを構築していきます。

 

もうこの“古い負のスパイラル”から脱却しませんか!

 

今この記事を読まれている皆さんは、当然ながら消費者であると思います。

経営者でありながらも当然、同時に消費者でもあります。

 

これまでに安い単価の飲食店に行って、「もうあと300円出すからもっとましなものを出してくれよ!」と感じたことはありませんか?

 

「もう少しお金は出すからさぁ、これよりももっとましなものを提供してよ!」って思ったことはありませんか?

 

私は何度もあります。

 

どうしてこうなったの? 何を感じてこんな商品を作ってしまったの? なぜこの価格で販売しようとしたの? この商品で客数が取れるとでも思ったの?と、頭の中に?????がいっぱい浮かんでくる、そんな体験をしたことがこれまでに何度もあります。

 

経営者が自らこの思考のパターンから脱却しない限り、会社の経営も、お店の運営も、お客さまに優良な商品を提供すことも、スタッフの雇用を維持して成長をさせてあげることも、何もできなくなってしまうのに、でも、この思考から抜け出せない経営者が山のように言います。

 

消費者の時には「もっと払うから、もっとましなものを出してよ!」と思い、経営者の時には「安くしなければならない、安くしなければお客さまに嫌われる、兎に角できる限り安く安く販売しろ」と真逆の思考になってしまいます。

 

この原因は一つだけ。

 

間違った常識と言われる概念が、いまだにはびこっているから。

この“常識”と思われていることを、今でもいつまでも経営者自身が信じてしまっているからです。

 

消費者としての感覚を忘れてしまい、経営者のアイデンティティになったとたんに恐怖にかられてしまい、“顔も知らない漠然としたイメージのお客さま”をつくりだしてしまい、その実態のないお客さまに好かれようと自殺行為を繰り返してしまいます。

 

この恐怖を払しょくしない限り、絶対に価格を見直すことなんてできません。

商品価値を上げることなんてできません。

 

価格に向き合わないので、絶対に商品価値が上がることなんてありえません。

 

そして、「このあたりの客は・・・」と不満を募らせています。

 

全く無駄な思考パターンです、負の連鎖です、経営者失格です。

 

断言します!

 

これからはお客さまに価値を提供できない経営は、存続が出来ません。

 

既にデータで答えが出ています。

 

安い商品の方がいいと言っている方は、全体の24%です。

しかもその24%の方々を世代別で見ると、なんと24%の人々の70%は20代です。

 

要するに、社会構造的に所得が低いからどうしても安い物しか買えない層の20代の方々がほとんどだということです。

 

もしあなたのお店が20代をターゲットに据えているのなら、価格の優位性を強調した商品を提供した方がいいでしょう。

 

でも、20代より上の世代をターゲットにしているのなら、優良な価値を提供する商品を販売することを選択すべきです。

 

データでは、価値が認められるのならそれに見合ったか価格は払う、高い価値の商品の方がいい、その為の対価は払うという層が65%います。

 

データでは、価値のある商品を販売した方が、より多くの消費者が買うという結果が出ています。

 

なのに、いまだに過去の記憶を引きづっている経営者がなんと多いことか。

 

安い商品が爆発的に売れたのは、日本がまだ豊かではなかった戦後の復興期から昭和40年代あたりまでです。

 

昭和40年代後半から50年代にはご存じのバブル期を経て、豊かさを体験してきた現代の日本においては、価格の安さだけが魅力と感じるような消費者ではないと言えます。

 

こういう話をすると必ず「じゃなぜ100円ショップは流行っているの?」と質問をぶつけてくる方が必ずいます。

 

その質問をしてくる方のためにお伝えします。

 

100円ショップは、「これは100円ぐらいでいいや!」「100円だから壊れてもいいや!」と思って買っていませんか。

「100円だから」という免罪符の基に買っていませんか?

ちゃんとしたものを100円ショップで買おうとは思っていませんよね。

当然それなりのリスクを前提に、納得して買っていますよね。

 

即ち、もともとの購買動機が明確に違っています。

 

それを踏まえずに現象だけを見て、“安売りはもてはやさている”“消費者は安いものを求めている”と、勘違いしています。

 

消費者が求めているのは、安さではありません。

 

断言します。

 

消費者が本質的に求めているのは、「高いコストパフォーマンス」です。

 

100円以上に感じる商品を、100円で買えるコストパフォーマンスに惹かれて買っているんです。

 

単に安いから買っているのではなく、そこにコストパフォーマンスを感じているから買っているんです。

 

当然100均ショップは、100円で売るためにいろいろな工夫をしています。

 

例えば、通常は3個200円が当然の商品を、バラして1個100円で販売しています。

 

3個もいらない1個で十分という要望を満たすことをしています。

 

購入金額は200円に対して100円と半額になり、必要な分だけ買えるので満足しますが、その代わり本来100円の価値がないものを100円も出して買っています。

 

この消費者のモチベーションを理解した販売手法をとっているのが100円ショップです。

 

私はメニューを考えるときに、必ず最低金額の商品を決めます。

 

最低金額を決めることで、全体の20%は居る低単価に反応する層の方々にも優良な商品とサービスを提供しようとします。

 

例えば、ランチセットのプライスレンジが1,000円から1,500円だったとしても、680円からのセットを1品だけ提供します。

 

すると、「ランチセット680円~」と謳えるので、入店ハードルを下げる効果が期待できますし、実際に20%のお客さまは680円のセットから1,000円未満の商品を楽しまれていきます。

 

でも80%のお客さまは、本来お店が販売したい商品を楽しまれていきます。

 

このように売価を設定し、低単価の商品を要望している方も、本来のターゲットとしているお客さまも同様に満足していただけることを狙って行っています。

 

低単価を要望している方も、それ以上の価値を提供しているお店で、素敵な環境で上質なサービスを受けることができますから、決してチープな体験とは感じられないようなホスピタリティを提供するようにしています。

 

 

このように、売価設定はお客さまのモチベーションと、消費傾向を鑑みて設定するものです。

 

本質的に提供したい価値を、当初より設定しているターゲット層に対して的確にメッセージとして発信することが、本来の価格設定の目的です。

 

ですから「値決めこそ経営」となる訳です。

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