採用の相談を企業担当者から受けて感じた「本当に大事なこと」|働く側のホンネ
先日、まったくの異業種・異職種の採用担当者と話をする機会があった。
その組織が募集しているのは、私が人生で1度も「なろう」と考えたことのない職業で。
なかなか聞くチャンスがない貴重な内容だったので、覚書として置いておく。
採用担当者の悩みの本質
当初、彼が言っていた悩みは
「人材が全然集まらない……」
だった。
でも事情をよくよく聞いたところ、実際は
「入っても全然定着しない」
「人が人を呼んでくるような好循環にならない」
というのが、問題の根本だった。
なるほど、そうなってくると話は別だ。
単なる「広告宣伝のテクニック的な問題」ではなくなるから。
なぜ「メンバーが定着しない」が問題か
新卒にかかるお金は約4万円前後と言われるが、中途採用の育成にもお金と時間はかかるものだ。
単なる「分野・業界・技術」に詳しい人材は山ほどいるが、自社のビジネスや風土を深く理解するまでには時間がかかるとされる。
というのも、組織や会社には独自の文化・不文律が必ずあるから。
単にルールを理解するだけでなく
「場の雰囲気を読んで先回りできる」
ようになるには、少なくとも数ヶ月以上はかかるだろう。
良くも悪くも、そういう面は組織に必ずあるもの。
せっかく数ヶ月でその部分を理解しても1年2年で辞めてしまうなら、教育の元は取れない。もったいない話だと思う。
人が定着しない理由は?
では、若手が定着してくれない原因は何だろうか。
もちろんかなり個人差があるし、家族の事情やのっぴきならない理由がある場合も多少はあるだろう。
だが「この組織にずっと居たい」と心から思う人なら多少の我慢をしてでも残るだろうし、逆に「こんな場所に居てたまるか」と思ったら、いくら条件が良くても離れていってしまう。
大事なのは、末端の個人では変えにくい部分。
特に「組織の雰囲気や体制」「トップの性格・やり方」である。
というのも、トップが強権を持つ組織はなんだかんだで多いから。
社長・部長などの役職者に権利が偏っていて周囲が忖度しているケースを、よく見聞きする。令和の今でも。
所属長が人格者である場合は問題ないが、"オレ様"的な人だと色々問題だ。
人格否定などのパワハラをしたり、うまく部下に任せられなくて細かい部分まで手や口を出したり。
しまいには、自分が阻害している原因であると全く気づかずに
「なぜこの組織は、若手が率先して行動しないんだ?」
と周囲に当たり散らすことになる。
トップに求められる行動とは
よく聞く話ではあるが、
「上手く行ったら部下のおかげ、失敗したら自分のせい」
と言えることは重要だ。
対外的な場でも「自分が、自分が……」ではなく「社員のおかげで」の姿勢が大事。
下の立場の者は、上の人をよく観察しているから。
大事にされていないと思えば、社員はすぐに愛想を尽かしてしまう。
昭和にあったような愛社精神が消えて人手不足となった今、特に重要なことだと思う。
……何かの参考になれば幸いだ。
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