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獲物の分け前~監修:湯浅学「大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK & Bellwood 読本」編。

 この本、割とすぐ入手したのにnoteでは取り上げていないことに気づいたのは、ついさっきなのでした。すみません。
Webマガジン「otonano」の伊藤銀次さんの番組「POP FILE RETURNS」、最新回である鈴木慶一さんゲスト回を聴いていたら、この本を取り上げてないことに今さら気づいて閉まったわけです。なんで忘れたんだろう?不思議だ?

・監修:湯浅学「大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK & Bellwood 読本」(ステレオサウンド)

 この本、出だしの湯浅さんによる「大滝詠一がデビュー当初から育んできたノヴェルテイ・ソングの世界」がまず素晴らしいです。

 引き続きはアルバム『NOVELTY SONG BOOK』全曲解説を安田謙一さんが、アルバム『NIAGARA ONDO BOOK』全曲解説を湯浅さんが書いてます。
CDをお持ちの方ならすぐにおわかりの通り、CDとは解説するアルバムを入れ替えているんですよ。
つまり両方読んでくれということなんですよ、間違いなく。
例によって唸りながら読んだ私です。。

 更に続いての関連ミュージシャン&スタッフの2023年インタビューがまた強力なのですよ。
まずは鈴木慶一さんから。
大滝さんと慶一さんの関係ははっぴいえんどがレコードデビュー前からですからね。
はっぴいえんどのライヴのサポート・メンバーだったエピソードから始まるこのインタビュー、湯浅さんが訊き手ということで大滝さんの歴史も、ムーンライダーズの歴史を把握した上で進行していますね。
私がnoteで書いた記事と重複する部分もありますが、湯浅さんの考察と比べるとかなり甘いな、とかなんとか反省してしまうわけです。
何より私がこのインタビューで感動したのは慶一さんがこの先何をやりたいとか、何をやるかについて触れていることですね。
まだまだ新しいことをやる意欲が伝わってくるのが一番感動しました。

 次はトータス松本さん。
ウルフルズと大滝さんの間にいた伊藤銀次さんや子安次郎さんのエピソードも相当興味深いのですが、このパートではあまり表に出ないエピソードが出ているのが素晴らしいです。
松本さんの答に対して湯浅さんが捕捉というか意味付けをしているのに感動しちゃいますよね。
そうだったのか!と膝を叩き過ぎて痛くなる内容です。

 矢野誠さんのインタビューはとにかく深いです。
矢野さんの代表的作品といえば、矢野顕子さん『Japanese Girl』、南佳孝さん『摩天楼のヒロイン』にあがた森魚さん『日本少年』辺りで、大滝さん関連で思い浮かぶのは布谷文夫さん『悲しき夏バテ』位なんですよね。
『Let's Ondo Again』にも参加していたのか!とちょっとビックリしたのですが、幻の「アンアン小唄」なとも矢野誠さんだったとわかると、インタビューに指名した湯浅さんの慧眼ぶりがわかりますね。
そして、矢野誠さんと松本隆さんやあがた森魚さんとの繋がりがこの記事の奥行きを増してます。
音楽はひとつの流れだけではなく、複数の流れが交わったり、離れたりすることがあるから面白いのだ、と。

 駒沢裕城さんのインタビューも、これまた深いです。
鈴木慶一さんとははちみつぱいのメンバー同士ですし、ココナツ・バンクのメンバーでもあったわけですから。
大滝さんとはやはりナイアガラ・レーベルのコロムビア時代のキーマンだった関係が大きいですよね。
村松邦男さんと駒沢さんは二人ともフィーチャーされたアルバム『多羅尾伴内楽団』が発売されています。
個人的には駒沢さんをライヴで観たあがた森魚さんと鈴木慶一さんの「アートコンサート」、鈴木慶一さんの未発表曲集が出た時の日清パワーステーションでのライヴ、はちみつぱいの解散コンサートが印象に残っています。

 次は子安次郎さん。
先ほども触れましたが、ウルフルズのディレクターというのが有名ですね。
ロフトのフリーマガジン「Rooftop」を愛読していたので、BOØWYのディレクターという印象も強いのです、私の場合。
あー、氣志團もだったかも。。

萩原健太さんのイベントに通いつめてましたから、湯浅さんの口から「書生」や「丁稚」という言葉が何度も出てきて、その一人が子安さんだということを知ったのでした。

 CDのマスタリングとLPのカッティングは内藤哲也さんと堀内寿哉さんのインタビューはインタビュアーの柿崎景二さんのやりとり含めて面白くて、興味深い内容です。

 まだまだこの本は続くのですが、普段の記事と同じ位の文字量になってしまったので、一区切りとさせていただきます。
続きは明日になるか?まだまだ先になるか?はわかりません。お楽しみに。

 ではまたー。


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