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わたしにまだ、残っているものの奇跡

じつは、夏に3人目の赤ちゃんを授かっていました。コロナ禍だったこともあり、ほとんど誰にも言っていません。そして残念ながら、11週で流産してしまいました。

ただ、子育てに関する仕事もあるなか、この出来事を黙ったままコンテンツをつくり続けるのも、なんだか居心地が悪い。落ち込んではいないけれど、デリケートな話題だから、なにかの拍子で話したとき必要以上に気を遣わせるのはいやだ……。だったら、自分でオフィシャルをまとめておこうと思い、このnoteを書いています。

■妊娠・流産の経緯

初夏のころ、人間ドックでAMH検査を受けました。AMHとは、ざっくり説明すると「卵子の在庫の数」を示す数値のこと。シンプルに自分の身体機能に関心があって、AMHを測ってみました。

卵巣に残っていた卵子の値は1.8。
私は33歳なのに、なんと42歳相当の値だったのです。

妊娠率には卵子の質も大きく関係するため、この数値が低いからといって、一概に妊娠しにくいとはいえません。でも「AMHの値が低い=卵子の在庫が少ない=不妊治療できる残り時間が少ない」とは、いえます。

残っている卵子の質がたとえめちゃくちゃよかったとしても、数が少なければ、妊娠のチャンスも少ないのでしょう。きっと、もう妊娠することはないんだろうな。むしろよく2人も自然に授かった。じゃあ、治療の予定がない私は、もう二度と妊娠・出産をしないのだろう……。二人目の子どもを産んだとき「これが最後だ」と思ってはいたものの、いざ「なかなか厳しい値ですよ」という結果が出ると、じんわり衝撃がありました。

その衝撃を受け止めながら、今年は妙に夏バテが続くなぁと思っていたら、なんと3人目のつわりだったのです。

当時はまだ1歳前の次男に授乳をしていて、ほんの少し前に生理が再開したばかり。言われてみれば確かに心当たりはあったけれど、ちょっと週数が進むまで気づかなかったくらい、予想もしていない出来事でした。

そして、びっくりと喜びを両手に抱えながら暮らすこと、数週間。前回までよりやや重めのつわりがようやく一段落してきた、11週での流産でした。

■3人の子どもを持つことについて

まったく考えていなかったといえば嘘になるけれど、ものすごく積極的に欲しいのかといえば、そうとはいえません。3人もの子どもを育てあげる自信がなかったからです。

でも、長男と次男はレイヤーが違って両方すごくかわいいから、3人目が生まれたらまた全然違うレイヤーでめちゃくちゃかわいいんだろうな~~~とか想像しちゃうことはありました。

以前には、こんなツイートをしたこともある。(このころはまだAMH検査も受ける前)

3児の母になる不安や解決法をぐるぐる考えながらも「こうして授かったのだから、子どもが増える幸せを最大限にかみしめて、なんとかやっていこうぜ!」と思っていた矢先の、悲しい結末でした。

■目の前の景色が、幸せでなくてなんだろうか

でも、この物語のポジティブな部分を探すとしたら、3人の子どもを持つということを真剣に考えられたのはよかったです。何事も想定しておいて損はないし、そういうことをきちんと話し合えるパートナーでよかったと実感もしました。

私がこれから先、3人目を授かることはないだろうけれど、あったかもしれない「3人の子どもを育てる人生」については、ときどき思い出すのかもしれません。(でも、3人目を育てている人への複雑な気持ちとかはまじで一切ないので、周りの方々はお気になさらず!)

それからもうひとつ、子どもを持つことは奇跡だなとあらためて感じるようになりました。
目の前でキャッキャッと笑っている息子たちの、なんと尊いこと。大好きな夫がいて、かわいい子どもたちがいて、親族も仲良く健康でいることの、短くて濃密な奇跡。

というか子どもに限らず、なにかがひとつ違えば一瞬で壊れるかもしれない日常なのに、私は昨日も今日もこうして、毎日を楽しく生きられています。
こんな幸せ、あるだろうか。

なくしたものや自分の力でどうしようもないもののことばかり考えるのは、性に合いません。ONE PIECEでジンベエも「失った物ばかり数えるな」って言ってます。わたしも、いまこの手に残っているものを大切にしていきたい。

3人目の子どもに会えなかったことはさみしいけれど、わたしは今日も、やっぱり幸せなのだと思います。

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