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とびきりおしゃれな年上の友人 ①

とびきりおしゃれな年上の友人が何人かいる。素敵なエピソードがあるたびに何か書いていきたいと思う。

松尾たいこさんとは、もともとは著者―編集者のお付き合いだった。担当させていただいた、松尾さんの初のエッセイ『東京おとな日和』は、私にとっても、思考のターニングポイントになる本だった。

私は松尾さんと出会って、自分の専門外のことを、知っているふりをせずにすぐに詳しい人に聞くという生き方に変えた。私は編集者なので、面白い本のことだけを考えていたい。そのために公私ともに自分の役割を楽にコンパクトにしていきたい。必要なのは、自分の知らない分野について詳しくて、それを私に話してくれる人だと気づいた。当たり前のことように聞こえるかもしれないが、そのことは、私の私生活にも仕事にも、とてもメリットがあった。このnoteで散々書いている1年間のファッション断食を始めたのも、興味はすごくあるけれど、その興味のために自分の生活を圧迫しかねないファッションについて、その道の専門家であるにしぐち瑞穂さんに、教えを仰いだのがきっかけだった。

1年間のはじめて数か月、気づいたことをまとめて、Facebookに投稿したところ、一番ヴィヴィッドに反応してくれたのが、これまた、松尾たいこさんだったのには正直驚いた。好奇心旺盛な松尾さんは、なんとすぐに100日間のファッション断食に挑戦され、それを難なくこなすと、1年間のファッション断食に成功されたのだった。第一線で活躍するイラストレーターさんにもかかわらず、すごくないですか?このフットワークの軽さ。美人でスタイルも抜群の松尾さんは、何でも着こなしちゃうような方だし、そもそも絵を描く人なので、いつお会いしてもおしゃれなのだけど、とにかく向上心と好奇心の塊なのだ。ほんとうに格好いい大人だと思う。そしてこのたび、なんとその経験をまとめたエッセイを出版されたのでご紹介したい。

タイトルは、『クローゼットはちきれそうなのに着る服がない!』。凄く共感をそそるタイトル…。

にしぐちさんから教えていただいた3つの条件には、①1年間服を買わない ②1年間ファッション誌を読まない ③毎日のコーディネートを記録する とありましたが、私が①しか実践していなかったのに対して、松尾さんは①②まで忠実にやっていらっしゃったとのこと。

イラストレーターさんは家で仕事をすることがほとんどだが、このチャレンジで人に会うのをためらうような部屋着は必要ない、と気づかれたというのがとても興味深かった。また、ファッションもセルフブランディングの一つという言葉にも、はっとさせられた。たしかに、松尾さんは1年間のチャレンジを経た後、お会いするといつも、ご自身のイラストの世界を体現するかのような装いをされている…!それって本当に素敵。

ちなみに本書のなかには、光栄なことに、友人として私もすこーしだけ登場しております。”クロはち”、このマガジンを読んで下さっている方には絶対刺さる内容だと思うので、ぜひお手に取ってみてください。



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