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書籍ライターに必要な文章力を超える力

昨年トップ編集者さんとの出会いから、ありがたいことに書籍の仕事を継続していただいています。1冊しか本を書いたことがない私を、編集者Oさんが機用してくれたところから、一気に書籍ライターへの道が始まりました。

2019年6月末初めてOさんに会ったとき、「どういう仕事をしてきましたか?」と尋ねれられ、ビジネス紙の記事、行政のパンフレット・広報誌、webインタビュー記事など、ライターとしての経験が少なすぎる中、絞り出すようにしている仕事を伝えました。唯一良かったのは1冊ですがライターとして書籍を書いた経歴があったこと。それでもたった1冊です。

手渡した書籍をぱらぱらとめくりながら、真っすぐに伝えられたのは

「書籍を書くことはウェブ上で記事を書くこととは全く違います。何万字という字を書ききる力が必要とされるんです」ということば。

「ウェブの記事はさらッと読めるけど、頭に残りにくい。無料だから読者もそれでいいと判断する。でも書籍はそういう文章じゃダメなんです。尖っていて、読んだ人にハッとさせる、『1500円払って買ってよかった。得したな』そう思わせる文章でなくてはいけないの」

書籍を書くということは、これまでしてきた文章を書くこととは代物が違う。恐ろしくなるほどの世界が目の前に広がっていこうとしているのを感じる瞬間でした。

「さらに今回はインタビュー込みの1ヵ月で仕上げる仕事ですが、できますか?」

できるのだろうか?わからない、でもできないと言ったらそこで終わり。紹介してくれた人は私にできると思ってOさんに引き合わせてくれているのだから、私が私のことを信じて、というかやるしかない!私のこれからは前に進むことしかなかったので「はい、宜しくお願いします」と答えたのでした。

本当には何もわからなったからよかったのかもしれません。知らないゆえの無鉄砲さには、前進力があります。今から思うと、そこから始まるプロ中のプロの書籍作りの世界にまったく未経験な私がよくも踏み込んだと思い出しても恐ろしくなりますが、そのときの私は、これから何が始まるのだろうとにこにことさえしていたのです。

隣に座って私を紹介してくれたDTPの会社の社長さんは
「大丈夫、大丈夫。パパッと書いたら書けちゃうよ」と言ってくれたので「ほんとに?でもこの人がそう言ってくれるのだからできるのかも」呑気に人と自分を信用していた私。

全部のことが終わった後で、1ヵ月が10年とも思えるようなとんでもない学びと恐怖の時間でしたとお話したら、「実は、1ヵ月でインタビュー込みで仕上げるとは、この業界でも異例の仕事だからとても心配していた」と返事が来て、びっくり。そんなこと思っていたの~💦

大変だと伝えて私を怖気づいてしまわないように、送りだしてくれていたのですね。

出会いが自分を作ってくれる。おそらく誰しもが今の自分があるのはあの人がいたから、という出会いを持っていると思います。
編集者Oさんは私にとって、まさにそのような人。圧倒的な視点から文章のこと仕事の仕方を指摘されてドキッと力不足に落ち込むこともあるけれど、すかさずフォローもしてくれて、一緒にいてどうしてかわからないけどわくわくする、大好きな人です。

文章能力が高いから仕事が継続するのか、というとそうではないようです。トップ編集者が見ているのは仕事への取り組み方。できないことはできるようになればいい、大きな視点から判断して、私を泳がせ、成長の余地をくれるのです。

それよりも仕事をしたいか、したくないか判断しているのは「工夫する力」があるかということだそう。一回指摘したことを次に活かすことができるか、そしてやりきる「根性」があるか。

能力がすべてじゃないんだ。自分の中にあった、固定概念仕事って人間関係に尽きるとつくづくわかっていく日々。「あなたの根性半端ない」褒められています。

能力はどうだかわからないけど、「根性」と「工夫力」を磨いて、信頼を得られる在り方をしていこうとますます思います。

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