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しゃべる画像(ショートショート)

たらはかにさんの企画に参加させて頂きました。毎日連続で新しい題名とテーマを考えるのが辛いので、こんな企画は天からの助けだと思います。((冗談)←と書いたけれど真面目です)
ではショートショートを投稿します。


あなたはこの世に「GIF」という表現方法があるのを知っていますか。
これはその昔々の話です。

「君はしゃべる画像を知っているかい」
それがその動く、しゃべる画像との出会いだった。
僕たちは今、車に乗っている。隣のしゃべる画像をよく見ると、一コマ一コマが連なって動きを作っている。
「ジロジロ見るんじゃないよ。」
僕は慌てて目を逸らした。だがつい目を横に移してしまう。
観念したようにしゃべる、しゃべる画像。
「私はね、お偉い方に作られたんだ。スクリーンに映しても現実味がないから、こうやってこの世界に体積のある画像として0.01秒ずつアップロードされている。」
「誰がアップロードしているの?」
ボン!車が跳ねる。一緒にガクンと跳ねる僕たち。
「それは、私も知らない。」
「僕たちはどこへ向かっているの。」
「私の家だよ。」
「僕はそこに行きたいなんて言っていないけれど。」
「それは、知っている。けれど、そういう命令なんだ。」
ぶるるるるる…エンジンが震える。だがおかしい。エンジンの音が聞こえた後に車が震えた。
「音と動きがずれている?」
自分の声もずれている気がする。
後ろを振り返ると、モザイクがかかったように車がぶれている。
「うわああああ」
僕の存在も、しゃべる画像の存在も、消えた。

「かなりまずいです。データを間違えて消してしまいました。」
ここはGIF研究所。沢山の人が究極の「しゃべる画像」を作ろうとして働いている。この人も、熱意を持った1人の研究員だった。
「今回のはかなりの成功作だったのに…」