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人ひとりぶんの存在について思うこと

気がつくと頭の中でいつも何かを考えていて、だいたいはその時々の自分なりのテーマがあってそれについて(無意識に)思考を巡らせている。
人目につくところにアウトプットすることはあまりないのだけれど、今回は文章化してここに載せてみようと思いました。

先日、知り合いと話した時になんとなくその人の持つ「無力感」のようなものを感じて
特に深い話をしていたわけでもなくあたりさわりのない会話の中で、その人の深層心理?かもしれないし私の勘違いかもしれないけれど。

その時に「そんなに自分を無力と思わなくていいのにな」とぼんやり思って、そのことを最近頭の片隅で考えていた。

例えばSNSで他人のごく一部を見ているだけでそのすべてがそうであるかのような錯覚を起こすことの多い現代は、他人に比べて自分はたいしたことないなとか思ってしまいがちだけど、人間なんてだいたいは寝て起きてご飯食べてなんか考えたりぼーっとしたりして暮らしてて、稀にいる天才か体力精神力がゴリラすぎてやばい人以外はそんなに大差ないんじゃないかと思う。

もし大差があったとしてもそれは問題ではなく、人間ひとりが生きて死ぬまでにさまざまなことがあるよねーというただそれだけのことで。

大事なのは人間ひとりぶんの存在がそこにあるということで、満員電車だってひとりの集まりでぎゅうぎゅうになっているし、いつだって最小単位はひとりなのだ。

私がそのことを身をもって実感したのは、東日本大震災のあとデモに参加するようになってから。
参加者が10人にも満たないような場所にもいたし、何万人も集まってニュースになったような場所にもいた。

参加者が少なければお互いの存在はより大きく感じるけれど、何万人の時も同じようにひとりひとりがたくさん集まっているに過ぎず、自分にできることはただそこに行って立つというそれ以上でもそれ以下でもないのだなと気づいた時に、ひとひとりの存在ってなんて尊いんだろうと感動したものだ。

社会に参加するというと大げさに感じるけれど、この世界に肉体を持って存在している自分というものが、ただそこにあると示すだけでよいのだと思う。
好きな場所行きたい場所に行ってただそこにいること。

それだけで時には誰かの励みになったり、誰かの衝動的な行動をとどまらせたり、何か物事を変えたりする力があるかもしれないしないかもしれない。なくても別によい。


2023年、コロナ禍が完全に開けたとは言えないまでも多くの祭りが再開された時、まず私がしたかったことは、行きたかった祭りに行って「再開を楽しみにしていた」と地元の人に伝えることだった。

実際に言葉にして伝えたこともあるし、直接話しかけることは出来なくてただ楽しんで帰ってきただけのこともあったが、そこに行くということが私には重要だった。

楽しみにしていた人がいる、遠くからわざわざ見にきた人がいる、地元民でもなさそうな人が楽しそうに祭りに参加していた。
その事実だけそこにあればよいと思ったから、意識的にたくさんの祭りに行った。
ただ行きたかっただけというのももちろんあるのだけど。

それは、自分がイベントなどを主催する側になるとよくわかるのだけど、何かやると決めて告知して当日誰か来るかなー?と思って、ひとが来てくれた時、さらには楽しんでくれたっぽい時、またはイベントでなくても自分が発信した情報が誰かや何かに影響を与えたことを知る時、やってよかったなと思うものだ。

誰も来なくても自己満でもよいのだけど、反響があることで次へのモチベーションにもなるし、そこには人と人の出会いがあったり何かしらの出来事があるということで、それらが素晴らしい。

行く側の気持ちとしては、行って満足したりしなかったりいつも楽しいことばかりではないかもしれないけれど、ひとひとりがそこにいたということをかけがえのないことだと思っている人もいるということを、もし知らなかったら知って欲しい。

人間は細胞のかたまりだと捉えたとして、それが意思をもって動いたり思考したり楽しんだりしてるってかわいいよな。
たまにそんな風に思ってニヤニヤしている(関係ない)

私自身も屈強なメンタルを持っているタイプではないのでよく落ち込むし、自分なんてと思ってしまうこともよくあるけれど、そんな時は私には自分ひとりぶんの存在感があるからそれでいいよなって思えたらよい。

たいしたことができないって思う時はだいたい自分を過大評価してる時で、そもそもがたいしたことないって思ってれば、生きてるだけでまじですごいなと感動できたりする。


今日はライブに行く予定があって移動中にこの文章を書いていて、書きながら落としどころはどこなのかなーと思っていたら、見たライブの中でしっくりくる言葉があったのでここに記す。


ひとつになんかならなくてもいい
生まれるまえからわたしたち
ずっとひとつのまま

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