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発達障害の子供に普通を求めないこと

以前の記事で発達障害を疑うのであれば、なるべく早く診断を受けるべきだと説明させてもらいましたが、この記事では診断前でも気をつけてほしいことを自分の失敗談を含めてお伝えしたいと思います。

そもそも発達障害とは

発達障害については様々サイトで詳しい説明があるので、ここでは簡単な説明のみに留めさせていただきます。下の図を御覧ください。

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人に得意不得意があるのは当たり前のことですが、発達障害の場合、図のように平均よりもその得意不得意の振れ幅が大きいのです。
例えば対象の子供が小学2年生だとして、得意分野である(図では「計算」・「暗記」)に関しては小学2〜3年生レベルの能力がある。
しかし、苦手分野である(図では「話をすること」・「静かに座ること」)は幼稚園生程度の能力しかない。
分かりやすく言うと、こういうことです。

普通を求めることは難しい

上記の図を頭に叩き込みます。
小学2年生のクラスに年少さんが座っていたら、浮きますよね?
じっと座れないかもしれません。音読ができないかもしれません。空気が読めなくてクラスで友達ができないかもしれません。
でも、見た目は2年生です。学力に問題がない場合もあります。
病名がなければ「普通じゃない子」「変な子」と思われてしまうのは仕方がないことです。

普通を求めない努力をする

私も、子供が幼少期には「普通である必要はない」「個性的だって良い」と思えていました。しかし、それは年々難しくなります。
子供の成長とともに、まだまだ○歳だから・・と大目に見てもらえていたことが浮き彫りになってきます。自分の子供が周囲とどんどん差がついていることに気づきます。
場合によっては「迷惑だ」「おかしい」と思われたり、言われるることもあるでしょう。
「普通でなくても構わない」と考えていた気持ちを貫くことは難しくなってきます。それは親子ともに言えることで、周囲の子供との違いに本人も苦しみ始めるかもしれません。
このように「普通を求めるのはやめる」というのは子供の年齢が上なほど難しいことです。
それでも、その難しさと上手に付き合っていくこと・なぜ普通にできないのか思い悩まないことそれが発達障害の子育てのポイントだと思います。

発達障害の子に普通を求めることの難しさを知る

「他の子はできるのに」「他の子には普通のことなのに」「昨日言ったのに」「何度も言ったのに」

「何で伝わらないの?」

そう思うのも自然なことです。でも、大きな間違いでもあります。
自分のモノサシを基準として物事を判断しているからです。

例えば「じっと座る」ことは自分や発達障害でない子には簡単なことでしょう。
でも、「じっと座る」ことが苦手な子には決して簡単なことではありません。
極端なことを言えば、動きたいざかりの2歳児に「じっと座りなさい!なぜできないの!?」と言い続けるのと同じくらい難しいことなのです。

だから「普通にしてほしいのに、してもらえない」「うちの子はおかしい」と思う前に、自分の子供にとってその「普通」はどれだけ難易度が高いものなのか一度考えてみる必要があります。
あなたに反抗しているわけでもなく、真面目に話を聞いていないわけでもない、その子なりに全力で努力をしている最中である可能性だってあるのです。

「何が得意」「何が苦手」については、普段の子供の様子を見れば、検査を受けなくて何となく見えてくるものがあると思います。
「ここが苦手だから厳しく躾けなくては」ではなく「苦手な部分は少しずつゆっくり成長させてあげよう」と思うようにしましょう。

他の人から見れば「甘やかし」「ちゃんと叱らないからだ」と思われたり言われるかもしれません。
でも、発達障害の子育てに苦しんでいる方であれば「厳しくすることで解決するような問題ではない」とすでに分かっているはずです。
無理難題を強いれば強いるほど、親子関係の溝が深まり、親子ともに自尊心を失って行くでしょう。

自分の子供を理解してもらう

発達障害に理解が深まりつつある今でも、偏見もあれば理解をしてもらえないこともあります。
というか「発達障害」という言葉は一般的になりましたが、「発達障害の子供との向き合い方」は今も理解されていないと言って良いでしょう。
まして診断前や判定のつかないグレーゾーンの場合は自分たちの立ち位置も曖昧なまま苦しまなくてはいけません。
さらに辛いことに、学校の先生にも頼れない場合の方が圧倒的に多いです。
そこはもう「期待しない」親のダメージはそれで抑えられるのですが、子供はそうはいきません。

できることなら「こういう時に感情を抑えられない」「こういうことが他の子よりも苦手」「可能ならこう対処してほしい」という希望を担任に伝えるだけでも、子供は少し楽に過ごせるようになるでしょう。
先生に頼ろうと思わず、先生には自分の子供の特性を理解してもらえれば良い方と考えると良いですね。
それでも、理解されないことの方が多い。
残念ながら、それは覚悟しなくてはいけません。

まとめ

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ-5

発達障害と向き合わずに時間が過ぎれば過ぎるほど、親子ともに苦しむことになります。
根本的な問題から目を背け「とにかく普通に」「目立たないように」を強いることは、子供に茨の道を歩かせてしまうことになるかもしれません。
診断を受けない・診断を受けられないどちらにしても「どうしてうまく行かないのか」と思い悩んでいるのであれば、自分の子供が発達障害である可能性を考慮した接し方をするのはどうでしょうか?
今日紹介させてもらった「普通を求めない努力をする」ことはあなたの子供を救うだけでなく、あなた自身の気持ちも楽にしてくれると思います。
自分も子供もおかしいと思ってしまう前に「普通を求めない努力をする」ことを始めてみませんか?
他人から見たらおかしな親子だとしても、それで良いのです。
大切なことは他の子と違っても、その子のペースに合わせて一緒に成長していくことだと思います。

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