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読まなくていい日記@17日目─隣のオッサンが退職願を出した─

残業真っ只中の20時26分、職場で隣に座っているオッサンが「実は6月に退職願を出した」とカミングアウトしてきた。頭が真っ白で残業どころじゃなくなってしまった。

小松菜奈と菅田将暉の結婚報告の文章に「私たちは戦友であり、心の支えであり、〜」云々という言葉があったが、私と隣のオッサンもまさにそれ。なので実質私は小松菜奈だし、オッサンは菅田将暉なのである。

2年前に突如現れたオッサン(52歳)。当時私ひとりで切り盛りしていた事務所に舞い降りた彼は、まさに救世主だった。私の愚痴を聞くサンドバッグになってくれたり、決して押し付けがましくない仕事のアドバイスをくれたり、質問に対して的確な回答をくれたり、「俺、実はピアノ習ってみたいんだ」と夢をこっそり教えてくれたり、毎月退職者が出る弊社をイジッてチキチキ☆退職ダービー!をやったり。
残業がかぶると「ガソリン入れてくるわ‼️」とコンビニで缶ビールを買ってくれた。私が炎天下の外回りでクタクタになってると「冷蔵庫に麦のジュースが冷えてますよ」とLINEをくれた。二人でくだらない話をしながら、100円そこらのカルパスを酒で流し込む残業時間がわりと私の救いだった。

あぁオッサン、私を残して辞めてしまうのか。辞める時は「せーので辞めよう」って約束したじゃないか。あの時も酒飲んでたから私の一方的なお願いだったかもしれないけど。

でも今の会社にいるより、出て行った方が絶対幸せになれるので、オッサンは早く逃げてほしい。

私も後を追うさ。


すもやま


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