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漫画みたいな毎日。「ゆきのひはトントン。」

昨日は大雪。

我が家は朝から家族総出で雪掻きの日だった。子どもたちは、「雪やこんこ」の歌の仔犬のように庭を駆け回る。

大きくなった長男と二男は、すっかり雪掻きの大きな戦力となり、頼もしい存在だ。

「今日は、お年玉の日でしょ?」

夫とお年玉は10日ね、と話し合ったらしい末娘は、「ユニコーンの水筒を買って欲しいの、10の日にお年玉、10に日にお年玉・・・」とカレンダーを見ながら文字通り指折り数え待っていた。

買い物の為に車を出すには、あまりにも悪天候だ。

夕方、夫が仕事に行く途中で近所のスーパーで降ろしてもらってお年玉の買い物や食材を買うことにした。

夫が出かけるのは、午後3時半、子どもたちと夫は、「もうひと雪掻き!」と2時半頃に外に出て、雪掻きをしてくれることになった。

夕方、買い物に出たら帰りは遅くなるなぁ。
夕飯、何にしよう。

私の頭の中は、8割くらい日々の食卓に何を出すか?で占められているかもしれない。朝、起きたら、「今日の夕飯は何にしよう?」と考える。その日を過ごす中ですぐに決まることもあるし、決まらないこともある。

お節作りに力を注いだ冷蔵庫は、空いている。

私は、ぎゅうぎゅう詰めの冷蔵庫が苦手だ。

ちょっと足りないくらいの冷蔵庫や冷凍庫の方が、「今、ある食材で何が作れるか」という創作意欲?が湧くのだ。逆にたくさん食材が詰まった冷蔵庫からはプレッシャーを感じてしまう。

こんな雪の日は、シチュー。

寒い外から帰ってきて、すぐに食べられるように。

ブラウンソースのシチューではなく、雪みたいな白いシチュー。

私は出掛けるまでの時間にシチューを作る事にする。

雪の日にシチューを作ると思い出す絵本のお話がある。

「ゆきのひにトントン」という絵本だ。

山の中に住んでいるうさぎの家族。
大雪の日には、うさぎのお母さんが必ずシチューを作る。それも、家族の人数分よりも、随分とたくさん作る。子どもたちは、それをいつも不思議に思っていたので、お母さんに理由を尋ねると・・・というお話である。


うさぎのお母さんが子どもの頃、うさぎのお父さんと雪の日に山で迷った時、山の中の一軒の家で、ひつじの夫婦にあたたかいシチューをご馳走になり、身体を温めることができた、という記憶が、うさぎのお母さんが雪のしんしん降る日には、シチューをお鍋でコトコト煮る理由だったのだ。こんな日には、誰かがドアをトントンとして、雪で冷えた身体をあたためたくてやってくるかもしれないから。

そして、しんしんと雪の降る日、うさぎの家には暖をとらせてほしいと様々な動物が訪れる。その来訪者にうさぎのお母さんは、あたたかいシチューを振る舞う。自分もそうしてもらったという、あたたかい記憶を繋ぐシチューなのだ。

寒い日は、身体をあたためたくなる。

身体があたたまり、緩むと、心もホッとしてふわふわする。

シチューの入ったお皿からは、ほんのりと湯気が上がる。

誰かが、雪の中、トントンと我が家の家のドアを叩いたら、「あたたかいシチューをどうぞ。」と出せるようにと、私もお鍋にいっぱいのシチューを作る。

たくさん作りすぎたかな?

そう思ったのも束の間、夕飯後の大きなお鍋を覗くと、もう鍋底が見えるくらいになっている。

雪の日は、シチュー。

誰かが、トントンとドアを叩いて訪れても良いように。


ヘッダーはみんなのフォトギャラリー・murayama norikoさんの素敵なイラストをお借りしました♪ありがとうございます♪

学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!