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19 知的特別支援学級の各教科の指導 優先すべきは何?

こんばんは。

今日は、知的特別支援学級の各教科の指導 優先すべきは何?のテーマで書かせていただきます。
以下が目次になります。


知的特別支援学級の教育課程の編成の基本

知的特別支援学級は、小学校の教育課程を基本としつつも、特別の教育課程を編成することができる。
当該学年の教育課程で下学年の目標と内容を取り入れる、あるいは各教科等を合わせた指導として生活単元学習などを取り入れて教育課程を編成することができる。

3学期に入り、子どもの発達段階や特性に応じて、各教科で当該学年の内容で指導したり、下学年の教科の目標や内容に替えて指導したりしています。

技能教科(図工や音楽、家庭等)に関しては、当該学年の指導で行っています。同じ活動でも、活動内容や量を精選したり、支援したりすればできるし、何より交流学級で共に学習させたいと思うならば当該学年の内容で普段から指導しておかなければ難しいという側面もあるからです。

「想像力の欠如」による図工のつまずき

ここで、最近こんな悩みを持ち始めました。

「図工の制作活動が終わらない…」

自閉症スペクトラム障害のある子の特性の1つに「想像力の欠如」があります。明確で具体的なものであれば制作できるのですが、想像を広げて思い思いに描きましょうと言われても難しいのです。
現在受け持つ子どもの一人がまさに「想像力の欠如」の特性が見られています。
好きなアニメの絵を模写して箱の側面に描こうとするのですが、絵や彩色のイメージが少しずれるなど、納得のいく形で制作がうまくいかなければ、落ち込んだり腹を立てたりしてしまいます。
結果、2学期から未完成のまま残ってしまいました。

さらに、図工の「未来のわたし」では、将来の夢をイメージして未来のわたしの姿を紙粘土で表す学習です。
この学習も明確ではないので難しく、構想を練る段階でつまずいています。

当該学年の教育課程を子どもの発達段階や特性を考慮せず、

「交流学級で一緒の活動をさせたい」

という目的のみで取り組ませても、子どもの成長にはつながりません。
自己肯定感の低下も招く恐れがあります。

特別のカリキュラム編成を考えてみた

だったら、下学年の目標と内容を取り入れ、さらに各教科を合わせた指導でカリキュラムを編成すればどうでしょうか?

例えば、単元名を
卒業プロジェクト 役に立って使ってもらえるものを制作しよう

とします。教科は国語、図工です。
まず、学校で「こんなものがあったら役に立つな。使ってもらえるな。助かるな。」というものを考え、発表します。
次に、先生方に「役に立って使ってもらえるもの」をインタビューします。(ここで、先生方には本立てがあればいいなと言ってもらうよう根回ししておきます)
インタビューした結果を報告し合い、制作する物を決めます。
本立てを制作するとよいと話し合いで決めさせます。

(前回の記事で書いた卒業プロジェクトと関連します)

本立てを5年生にプレゼントします。卒業の思いや、伝統を引き継いでほしいなどの言葉を添えます。

簡単ではありますが、いかがでしょうか?
本立てであれば、工作として明確であり、作りごたえもあり、達成感もあります。
インタビューや5年生へ思いを伝えるなど「話す・聞く」活動につなげることもできるでしょう。
各教科を合わせた指導を展開しつつ、子どもが主体的に取り組める図工の授業を行うことができます。何より、卒業プロジェクトという6年生だからこそできる特別な活動になります。

当該学年の活動のみをしていれば、教師は明確であるので楽です。
しかし、発達段階や特性に合わなければ内容が難しく、子どもは大変です。

子どもの成長や、達成感、成就感を持たせ、自己肯定感を高めるにはカリキュラム編成の工夫が必要だと感じました。

今回は以上になります。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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