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31 人はなぜ○○してしまうのか~行動するメリットを考える~

みなさんは、「行動分析学」をご存じでしょうか。
ABA応用行動分析の方が一般的だと思いますので、まずは合わせて説明します。

ABAとは「Applied Behavior Analysis」の略で、日本語では「応用行動分析学」と呼ばれています。応用行動分析学は、アメリカの心理学者バラス・スキナーが創始した「行動分析学」の一領域になっています。行動分析学では、「人間や動物などの行動には、法則がある」と考えます。行動を分析し、法則を明らかにすることが行動分析学の目的です。そこで分かった知見をもとに、社会の中での問題となる行動を解決する領域が応用行動分析学です。
応用行動分析学は教育や福祉、医療、企業、スポーツなどの分野で活用されて成果をあげています。

LITALIKOジュニア ABA(応用行動分析学)とは?療育における基本的な考え方について解説します【専門家監修】

私は以前療育機関で特別支援教育の研修を受けた際、奥田健次さん著「メリットの法則」行動分析学・実践編についての話がとても印象に残り、早速購入して勉強しました。

最近、作業療法士の方からも、

「支援の基本は行動分析である。行動分析で全て説明できる。」

と断言されており、特別支援教育には欠かせないということが分かります。
今日は、行動分析学についてお話します。私自身も勉強中なので、理解できた内容について書いていければと考えています。


行動分析学とは?

行動分析学とは「なぜ、その人は○○をしてしまうのか」という問いへの答えを「心」ではなく「外部の環境」に求める学問です。日常ありがちな行動を分析するのに、難しい理論は必要ありません。

行動分析学で考える上で、前任校の校長先生から言われたことが印象に残っています。

「不適応を起こしてしまう子どもは、心のコップの中に愛情という水が満たされていないのです。愛情をたくさん注いであげてください。」

言いたいことはよく分かります。

「この子は愛情が足りていないな」
「もっとかまってやらないとな」

など、心が満たされていないと感じる子は見ていて分かります。
そのような子は特に気がけて関わるようにはしてきました。今でもそうです。子どもを相手にしている仕事をしている方なら、子どもの心の状態をモノサシにして関わり方を工夫することは、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

しかし、行動分析学として考えると、行動の理由を心の状態から考えてはいけないのです。

行動の直前→行動→行動の直後

の3つの箱で1つの行動の理由、つまり「人はなぜ○○してしまうのか」を考えるということです。

「人はなぜ○○してしまうのか」を、事例から行動するメリットを考える

本で紹介されている身近な事例を紹介します。

会社員のタカシさんは、ほとんど口癖のように同僚に「もうだめだ、僕は」とため息交じりで言うことがありました。Aさんは「すぐに弱音を吐く人」というレッテルが貼られるほどコンスタントに見かける行動でありました。

穏やかでやさしい同僚らは、タカシさんがこのようなことを言うたびに、「何があったの?大丈夫?」と声をかけてあげていました。
タカシさんの上司も、決して怒鳴ったりせず、励ましてあげていました。

タカシさんの弱音を吐く行動

弱音を吐けば、声をかけてもらえたり、励ましてもらえたりするだけでなく、困難な作業を少し減らしてもらえるなど、タカシさんにとってたくさんのメリットがあるようです。

人間は、その行動をした直後にメリットが生じると、またその行動をするようになる

行動の直前・直後にスポットを当てれば、おのずと行動する原因やメリットについて分かってきます。行動の直前・直後の状態をちょっと変えてみることで、行動自体が変化します。

この行動分析学を知っているかいないかで、子どもの行動の見取りが大きく変わってくるでしょう。ぜひ、参考にしていただければと思います。

この記事は、行動分析学に少し触れただけれのものなので、興味のある方はぜひ勉強してみてはいかがでしょうか。私も、もっと勉強して、そのメカニズムや学校で応用できることについて、後日記事にしたいと思います。
今回は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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