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僕が2度逮捕されかけた話 Love somebady/織田裕二(踊る大捜査線より)

その日はよく晴れた日だった。
息子はまだ幼く5歳ぐらいだった。
妻は約4歳下の娘の世話に忙殺されており、少し疲れた感じであった。
『少し昼寝でもしなよ😴』
娘がお昼寝タイム(正確には朝10時ぐらい)に入った頃合で声をかけた。
『お兄ちゃん連れて、公園にでも行ってくるから…』
まだママに甘えたい盛りでまとわりつく息子をガチャガチャとマクドナルドで釣って、少し離れた隣町の大きな(田舎にしては)児童公園に車で出かけた。
この頃、息子は1人の冒険を課題としており、公園の入口から全速力で走り出した。
子どもを持ったのが遅かった40過ぎのおっさんは追い付ける訳もなく、あっという間に見失った。
カッコイイことを妻に言った手前、失敗は許されず必死で公園内を探して、さ迷った。
なんかブツブツ言いながら児童公園を必死な形相で彷徨い歩く40過ぎの禿げかけた…失礼…少しだけ髪の不自由なオッサン。
吟味するように子供達を児童公園で識別しようと彷徨い歩くオタクなオッサン。

必然的に怪しすぎる…

案の定付近のママに通報された[📞・-・]
この時は事情を説明して、すぐ許された。
見つかった息子は警察官に握手を求めていた…。

だが3年後、悲劇はまた起きる。

今度は娘を連れて近所の児童公園に出かけた。
桜の咲く季節で花を眺めていると、いつの間にか娘がいなかった。また彷徨い歩く子供探しのオッサン。40過ぎの3年で完成された頭髪、相変わらずのオタク臭。キリリと光るメガネ。
しかも今度は女子を探して吟味している。

結果は明らかだった。

また通報された。

やっと見つけた娘は砂場で今日合ったばかりな女子と何やら制作しており、見つけた安心感でニヤケながら少し遠くから見守っていた…
息子な経験を積んだオッサンは安心しきってプリンセス達の制作を邪魔しないよう、それでいて鋭く見守っている。

つまり…見方によっては…ヤヴァイなである。

突然、児童公園に鳴り響くサイレン。
『なんかあったんかな?!』
制作プリンセス達の防御を固めようとオッサンが近づきかけた時、
向こうから凄い形相で走ってくる警察官が見えた。

危険が迫っている。

プリンセス達を命に変えても守らなくては…焦り早足なオッサン。

『近づくな!』
突然、若い警察官が叫んだ。
そうだ、俺のプリンセス達に近寄るな!

突然肩を引き止められるオッサン。
『ちょっと、いいですか?!』

オッサン『え?……。』

危険、俺かよ!?
理解したオッサン。大人しく従い、事情聴取に応じる。
騒然となる児童公園の子供達とご父母系。
少し離れた場所に誘導されたオッサンに突然ひとりの少女が駆け寄り叫んだ。

『とと!何やったのよぉ!』

お前もあっち側か?!
事情を理解した警察官のおふたりの緊張が緩む。

いや、なにもしてない…オッサンは呟いた。

少女の頬に涙が伝っていた。
美しい涙だが、まったく信用はなかった…

笑いながら『気をつけて下さい。』と事情聴取を終え帰って行く警察官。

何を?…

少女の手を引きながら、オッサンの心の頬に涙が伝っていた。

『もう、しょうがない、トトだねぇえ。』
娘の上から目線の興奮な感想。

いや、なにもしてねぇ。

児童公園の出口でふたり組のママに謝られた。
『だから通報は辞めなさいって言ったのよ。ごめんなさい…すいません。』

ははは、微笑を浮かべる。

『もう、しょうがないととだねぇー。』
繰り返すな!なんもしてねぁア゙ア゙ア゙ア゙ア゙。



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