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結局は、愛。

影ができるのは、照らす光があるから。
ただただ底抜けに陽気な空間も
悪くはないけれど、
足元を見て
自分の影ができることを確かめながら
歩き続けることは、
大切な行為のように思う。




藤井風のニューアルバムを聴いた。

花の舞う美しいガーデンで
穏やかに安らかに生きていけたらいいのに。
けれども人生には
辛いことや悲しいこと、
迷いや悩みもつきまとう。
それらを抱いて
目指す場所へと一歩ずつ進むのに必要なものは、
結局のところ、愛しかないのだと知る。

だが。
愛という言葉は、難しい。
愛から受け取る微妙なニュアンスは、
人によってあまりにも違うものだから。
このアルバムで語られる愛も、
曲によって違う色や形を成している。
それでも全てを聴き終わった時に、
ひとつの愛がまっすぐに貫いているのだと
気づくのだ。
それは、暗い窓を開けた瞬間、
部屋の中に差し込んでくる
ひとすじの光のようなもの。

彼の音楽を聴いた私たちは、
彼の想いにどう応えるのが正解なのだろう。
正解などなくていい、と
彼なら言いそうではあるけれど。
愛の正体を知るために生きてゆこうと思える
愛おしい音楽の数々が、
ここには詰まっているのだ。




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