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米国のEV導入規制が緩和方向へ

米国EPAが現行の自動車由来排出ガスの規制基準について緩和検討を始めているのNYTが報じています。
大統領選挙が近づく中でのEV政策の後退、トランプ氏の政策を見ても今後の米国におけるEV優遇の後退は確実視されそうです。

1;EPAによる規制緩和措置

 NYTの報道によるとバイデン政権は自動車OEM/DLR/労組などのロビイングを受けて新車のEV販売比率目標のペースを緩和する可能性が出てきたとのこと。
 計画策定に詳しい匿名の当局者の言として[EV販売の急激な増加は2030年まで必要とされず]で、新しいEPA規則は今春に最終決定される予定とも伝えられる。
 今回のEPA規制では2032年に新車販売(小型トラック含)の67%をEV化する目標とする方針で設計。直近2023年のEV比率は7.6%で、規制の最終設計に向けて、自動車OEMの順守ペースを遅らせる方向で調整している。EV販売は2030年までは緩やかに増加して、その後に急激な増加でつじつまを合わせようとしている
 現在大統領選挙で苦戦が報じられるバイデン陣営の後押し(自動車関連票の引き留め)にターゲットを据えているとも
 -OEM;EVの製造コスト低減にはもっと時間が必要とする
 -労組:新しいEV製造工場の組織化に時間が必要とする

2;米政府のEV普及目標

 バイデン政権は21/08に[2030年までにEV普及率50%]を掲げる。ちなみに。この比率は新車販売に占めるEV比率で内訳にHV車は含まない
 23/04にはEPAが[2027年以降の小型/中型車両の複合汚染物質排出基準]を発表、温室効果ガス/大気汚染物質の排出基準を定めてEV普及を後押し。
 -対象;小型車(乗用車/小型トラック)を中型車27-32年モデル
 -基準;小型車のCO2排出基準は特に厳しく、22/02の現規制対比で56%削減を求められる

3;EVシフトの捉え方

 2023年のEV販売率は7.6%と全ブランドで高い水準となったが、月ごとで見ると年末は減速し、業界予想は下回って着地
 EVシフトはバッテリー製造/SDV開発に投資を注込むOEM/EV新興企業双方に困難を伴う…(従来型DLRの反発/不十分な公共充電NW/ICE車との動作方法の違いなどが要因)
 また、より多くのドライバーニーズを充足すべくの[低コスト/長距離航続]を実現する画期的な瞬間はまだ来ていないとする。

 2024年の大統領選挙の結果如何にかかわらずEV政策の後退は避けられなそう
 (バイデン)本件通りEV導入目標の緩和でOEM各社の投資は後退する可能性が高い
 (トランプ)EV関連規制の完全撤廃を掲げ、昨年末にはEV支持者に対して[地獄に落ちろ]との言も

 一方で中国のEVシフトは目に見えて進んでおり本国での知見/経験を武器に米国等の先進国市場に殴り込んできており、Teslaも警鐘を鳴らす。BYDを筆頭とする中華EVは、高度/先進的/低コストのEVを開発しており米国にはメキシコ経由で進出を進める

4;気候問題への影響

 バイデン政権は国内の温室効果ガス排出量を2030年までに半減、2050年までにゼロにする目標を掲げ、これは取り下げていない。EPAはEVの販売急増を2030年以降に延期しても、当初提案目標の自動車由来排出ガスの削減は2055年までに可能とする。短期的には自動車由来排出ガスの継続が行われることと同義だが、毎年のモニタリングが重要とする
 一方でコロンビア大学の主任研究員Jamer Green氏は[米国の交通機関の排出量が2030年までに減らなければ、温暖化はさらに加速する]としている。そのほか多くの科学者は[地球の平均気温が産業革命以前の水準と比べて摂氏1.5度以上上昇した場合、災害の激甚化に人類は苦慮する]とも。

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