二度見してしまった。
一度は通り過ぎ、もう一度別角度から横を通った。

相手はおじいちゃん。
お年は80くらいだと推測する。
ボーッと座っている。
横を通った私にはまるで見向きもしない。

おじいちゃんの前には
ポンと置かれた化粧品が一個。

そして。

トレーの上には諭吉さんが2枚。

ジェントルなシニアではない。
おじいちゃん、である。
ナイロン製のツバの帽子にジャンパーと作業ズボン。
農家のおじいちゃんが小綺麗目のを着てきた、感じ。

ああ、いいな。


奥さんに
「これなくなったから買ってきて」
といわれて、デパートに1人で行く。
いつものお店で、
「いつものなんや、ファンデというんがなくなったらしいんじゃ」
と、スタッフの方に伝える。

お得意さまであろう。お店側も心得たもので、
「〇〇様、いつもありがとうございます。はい、こちらですね」
「おお、それそれ。一つ、くれんか」
「かしこまりました。」

なーんて、一通りの会話があってお会計を待っている。

そんな図。

諭吉２枚。化粧品は１個だ。
奥様もご高齢ではなかろうか。
化粧品は「シャネル」と決めているのかな。

おはようございます。
皐月です。

キラキラの、わたしにはいつも敷居高くみえるデパコスカウンター。
人間ドッグの帰り道。母から、百貨店にいるので迎えにきてほしい、との要望が届いた。
待ち合わせがでら、久しぶりのデパートの華やかさを味わってみよう、とウロウロしていたときのこと。

自問自答ファッションに憧れつつ、まだ実践（試着）やお店に行くことはしていない。
今は家の断捨離真っ只中。
とはいえ、せっかくなのでデパートの「お店に入って気になるものを手に取ってみる」は練習にもなるのでは、とロクシタンのヘアケアなどを店員さんと会話しつつお試しして回っていた。

その途中の光景。

デパコスカウンターで放たれていた異彩。
地味だけど目立つ。

けれど、、
いいなあ。なんか素敵だな。

先ほどの妄想を繰り広げながら思う。

ぽん、と諭吉さんクラスの化粧品を買ってくれ、買いにも行ってもくれる旦那さんて実は最強なイケダンではなかろうか。

お金をだしてくれても「買ってきてもいいよ」（これももちろん羨ましいが）
までではないかな。

奥さんの好きなものを全肯定してくれている感じが、よい。
ご自身がブランドに無関心な格好なので、そこがまた
「価値観が違っても」
奥さんの好きを大事にしてくれる姿が想像できて、キュンとなった。

口が半開きでぼーっと会計をまっていたけれど、

カッコいいよ、じいちゃん！！

百貨店。お客さまも多種多様。
わたしはチョコクロをお土産に帰宅しました。

おしまい♪

今日も読んでいただきありがとうございました。
だいぶ妄想入りました。


うちの旦那様は、下の子の看病を一晩したわたしに「目玉焼きハムトースト」を作ってくれたイケダンです♡

皐月

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