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着る服で自己表現をすること。川久保玲さんを例に。

〈イメージを読む/イメージを使って自己表現をする〉についてのお話です。


たとえばコム・デ・ギャルソンを率いるデザイナー兼経営者の、川久保玲さんの前髪を眉毛が隠れる長さでパッツンにしたボブ(の髪型)は、目力を強調しています。よく身につけておられる黒革のライダーズジャケットは、闘う女であることを表現し、ふわっとしたロングスカートはファミニンさをアピールしておられます。そのスタイルはまさに川久保玲のアヴァンギャルド精神を表象しています。彼女を見てぼくは学んだ、ファッションってこういうふうに使うものなんだということを。


次に、とくに20世紀に川久保さんは闘う女服を作る他方で、彼女が手がける男服には、育ちが良く心優しい微笑が似合う男の子のイメージがあった。対称的に、あの時代コム・デ・ギャルソン内デザイナーのジュンヤ・ワタナベ(JUNYA WATANABE)が作る女服には、ファミニンでラヴリーな愛らしい女の子の世界があって。この好一対のふたつの世界がコム・デ・ギャルソン内で共存していることを、ぼくは興味深くおもった。


もしもあなたが退屈な日常にうんざりしていて、ふさぎ込んでいるならば、ちょっと着こなしの冒険をして、服であなたらしさを強調して、知らない街を歩いてみましょう。するとあなたの日常は新しいトキメキある日常に向けて動きはじめるでしょう。



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