【短編小説】座礁イルカShortHOPE
豆乳イソフラボン木綿子は車椅子を降りて立ち上がるとそれを駐輪機に押し込んだ。
もう二度と乗ることはないだろう。馬鹿馬鹿しい。やがて不法駐輪だとか何だとかのシールが数回貼られて、そのうち撤去されるんだろう。
別に盗む人間がいるとは思えないのでチェーン錠をかける事もしない。
やがて埃塗れになった車椅子を想像してみたが、いまいち実感がわかない。
都会では自殺する若者が増えているし、海辺では座礁するイルカが増えていると言う。
山では遭難するイノシシが多くなっているのだろうか。
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