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投資のアノマリーから2022年以降の株式相場を妄想してみました

2022年9月も終盤ですが、最近めっきり株で儲ける!という空気感はなくなってきたように感じています。まあここまでハイパーなインフレ&戦争もあって、FRBがゴリゴリ利上げして、企業業績に暗雲立ち込めてたらそれはそうだよな、という理解なんですが。

そこで、本日はアノマリーに関して整理していきたいと思います。

投資の世界で言うアノマリーとはウィキペディア的には以下です。

効率的市場仮説と矛盾するような金融市場の価格およびリターンのねじれ現象をさす。
アノマリーは通常以下が原因と考えられる。

・構造的要因、例えば不正競争、市場の透明性の欠如、規制措置など
・市場参加者の行動バイアス

Wikipedia

そんなものは偶然でノイズであるという理論も、もちろんその通りだと思う側面はありますが、時代は変われど、今も昔も人間の底無しの欲望や弱い心は変わらなそうなので、知っておいて損はありません。

そこで、2022年以降を考えるのにちょうど良さそうなアノマリーを3つ紹介します。

戦争と平和

景気と相場を停滞させる中心要素は戦争と金融危機である。インフレと政治の無策によって、停滞は永続する。
次の長期の好況と相場の上昇を引き起こして刺激するのは平和、物価の安定、効果的な政策、技術革新である。

アノマリー投資
戦争停滞→CPI上昇→株式上昇

タイムリーで今現在っぽい感を感じてしまうのは私だけでしょうか?

2月のロシアによるウクライナ侵攻は、アメリカが直接戦闘に参加はしていないものの、ウクライナへの武器供給やロシアへの経済制裁を通じて、いわゆる西側自由主義VS権威共産主義のバトルと化している今日この頃です。

またコロナ禍が原因の供給網のひっ迫もあると思いますが、現在歴史的なインフレにアメリカは苦しんでいます。

上の表で第二次世界大戦の網掛けは12年続いていますし、ベトナム戦争は19年続いています。

翻って昨今、ロシア・ウクライナ問題も長期化の声も聴かれます。

しかしまあ、この表を見ると、ところどころあった暴落(暗黒の木曜日、ブラックマンデー、ドットコムバブル崩壊やリーマンショック)を気にするよりも、Buy&Holdの偉大さを感じずにはいられません。

経済の4騎士

経済を素早く簡単に測定する為の一般的な尺度は「ダウ平均」「消費者信頼感指数」「インフレ率」「失業率」

アノマリー投資
直近はダウントレンド抜けたか?
ダウントレンド


歴史的インフレ
歴史的に低い失業率

いま、この瞬間だけを切り取ってもあまり意味をなさないと思いますが、執筆時2022年8月現在、まとめると以下です。

「ダウは2022年初から下落トレンドが半年ほど続きましたが夏場にかけて半値戻し、株価は元気が出てきた。しかし、アメリカ消費者の心象はコロナ初期に近いほど悪い状況である。その原因の大きな部分は歴史的な水準の物価高、インフレであり国民生活に大きな影響を及ぼしている。しかし、雇用は強く、賃金インフレが進んでる」

うーん、よくわかりませんが、私なりに考えてみます。

インフレの原因はFRBの金融政策のみで解決することは難しいという現実があるが、FRBとしてはインフレ退治を彼らが動かせるドライバーを駆使して行うだろう。

それは、供給面(コロナによるものと戦争によるもの両方)への働きかけではなく、需要面(賃金上昇抑制や景気抑制)への働きかけになる。

しかし、FRBの使命は①雇用と②物価安定になるので、雇用の不安定化は望まない。現在雇用は崩れておらず、むしろ失業率は歴史的に低い状況。

と、なると、失業率が悪化するまでは金利を上げるかニュートラルレート(3.4%くらい⇒9月時点で4.5%へジャンプ)付近に保ち続けるというのが、ストレートな考え方になりそうだ。

翻って2022年6月~8月の株式相場の上昇は、インフレが天井を付けたかもしれないという7月のCPIと、2023年には利下げに転じるかもしれないという市場参加者の織り込みである可能性が高い。

と、言うことは、これは壮大なブルトラップの可能性がありますね。(結果的には9月に入りCPI発表後不安定な相場なのでブルトラップだったのでしょう)

植え付けの秋

1950年以降で見ると、過去19回の弱気相場のうち、11回が8月か9月か10月に底を打っている。

1982年以降の8回の弱気相場のうち、6回はこれらの月に底入れをしている。

アノマリー投資

過去のデータでは秋に買うのが良いらしいですが、弱気相場の「底打ち」の話であり、弱気相場は1年で終わりが約束されるものではありません。

過去の弱気相場の下落幅と下落期間は以下の通り。

JPモルガン・アセット・マネジメント

ということで、”底打ちの秋”、”植え付けの秋”は毎年の話ではないので、タイミングを図ることは難しいと思います。

もし、今年の秋が植え付けの秋でも、植え付けの秋ではなくても、どちらでもいいように、コツコツと通年で植え付けることが、今の私の戦略になります。


まとめ

と・り・あ・え・ず、自分に出来る事は、株を買って、保有し続けることですね。

そこで重要なのが、保有し続けるに足る資産であるということになってきますが、財務諸表を正確に縦横無尽に読む力も、ビジネスの強さや先見性を測る力も、マクロ経済環境から軽やかにセクターローテーションする力も、残念ながら今の私にはありそうにありません。。。

じゃあ、何ができるのか?です。

そこで、分からないからアメリカの株式全部買え方式でVTIなどのインデックスファンドを買えばいいよね?という結論になります。

と、いうことで、自分自身のリスク許容度の範囲で、タイミングを図ることなく労働の対価であるサラリーから毎月コツコツ、全世界株式インデックスファンドと全米株式インデックスファンドを買い進めようと思います。

また、2023年に関しては2022年8月に開催されたジャクソンホールシンポジウムでのパウエルFRB議長のスピーチから考えを巡らせると、積立投資には良い仕込み場になるかもしれないと考えていますので、今ある高めのキャッシュポジションから捻出し、積立額を増やすことも、スポットで複数回に分けて実弾投下も視野に入っています。

但し、“いつか来るその時に備え”、買付余力(キャッシュポジション)は常にキープしておく予定です。


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