ごびらっふ

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我が推しのアイドル様はただ一人明和谷中の笠森お仙

    • 五・一段活用

      捺さない? 押します… ♂ 推す時をせば 遅せ お粗末 

      • 初めての赤ワイン選び

         赤ワインに興味を持ってワイン売り場に行ってみたものの、一体どれを買ったら良いか分からない。そういう経験をした人は多いと思う。  値の張る物を買えばハズレはないかもしれないが、味が分かるか分からないかも分からないうちから1万円前後する物を買うのは躊躇われる。ネットで情報を漁ってみても、業者のプロモーション含みのものが少なくなく、あまりあてにならない。いよいよ分からなくなって、とりあえず「王道」を行こうと決意し、ワインと言えばフランスだろうとスーパーの値札にフランスの国旗がプリ

        • おっぱい考

           女の胸部の膨らみについて考える。乳児が飲む液体のソレではない。女の胸のアレについてである。  おっぱいとは、何であるか。これは永遠の謎である。なぜ男はおっぱいに惹かれるのか。永遠のなぞである。分かったと膝を打ったことが過去に何度かあった。だが数日のうちにおっぱいは謎に帰する。  女の胸部が“おっぱい”となった理由について生物学的進化論的説はいくつかある。どの説にも一長一短があるのだが、私は直立二足歩行起源説に説得力を感じている。直立二足歩行説とはすなわち、まだ人類の祖先

          【小説】真珠の耳飾りのフェルメール

           ハーグ王立美術学院の学生、テオ・ホイヘンスはマウリッツハイス美術館からの帰り道にホームセンターのGAMMAで買った直径二センチメートルほどのステンレス球を右手の三本の指で摘むように持ってかれこれ二時間も眺めていた。離してみたり近づけてみたり、身体の向きを変えてみたりしながら、その銀球を覗き込み深く物思いにふけっていた。 「見るということに於いて、どんな人種よりも敏感で貪欲な"画家"が気付かないはずはない… まして描かないはずはないんだ…」  テオは良く磨かれたその金属球を眺

          【小説】真珠の耳飾りのフェルメール

          犬礼賛005

           どんなに純真な人でも、たとえ子供でも、人の目は打算に濁っている。それはきっと、人が言葉をしゃべるからではないだろうか。  犬の目は澄んでいる。100%の透明度で澄んでいる。そんな目を見られるだけで、犬を飼う意味はある。

          コオロギの想い出

           最近、コオロギ食の是非が巷で議論されていると聞く。珍し物好きの私としては、一度食べてみたいとは思うが、朝食にコオロギのフレーク… なんていうのは真っ平だ。  子供の頃、虫好きだった私はコオロギを飼ったことが何度もあるが、その中で忘れられない想い出が一つある。  ある時、友達のナッキンとコオロギを捕まえに畑に行った。10月くらいだったと思う。何の畑だったかは覚えていないが、そこここに敷かれた藁屑をめくると面白いようにエンマコオロギがとれた。オスだ、メスだといいながら次々に手づ

          コオロギの想い出

          実験評価二課

          ♪~ るるる~ ららんっぱ~~ 二課長、ちょっとご報告があります。 なに? 今回の実験のサンプル星が戦争状態に入りました。 えぇぇ? またぁぁ? 一体どういう精神構造してんのよ、今回のサンプル星の主生物は?! …たしかに…… この前のは、いつだっけ? えぇっと… 小さいのはどこかで恒常的に起きていますが… 大きいのですと… サンプル星の主生物時間で… ざっと80年前ですね。 はぁぁ… それ、ついさっきじゃない。そろそろあたし、こいつ等に愛想が尽きてきたんですけど? …ですねぇ

          実験評価二課

          犬礼讃004

           我が家のジャーマンシェパードは妻が大好きだ。家の中で常について歩く。何をする時も一緒だ。  妻が買い物に行く。すると犬は玄関で妻の帰りをずっと待っている。なんの打算もなく、ただ大好きな妻を待っている。固く冷たい玄関の上で。そういう経験のない人はぜひ犬を飼ってみると良い。いろいろなことを、きっと知ることになる。

          お江戸お仙の千里眼「それぞれの千里眼」あらすじ

          江戸時代中期の江戸。「明和三美人」の笠森お仙・柳屋お藤・蔦屋お芳のうち、お仙とお藤が互いの千里眼(特殊能力)を見て驚嘆する話。谷中笠森稲荷門前の水茶屋鍵屋の向いには、経営難の蕎麦屋小島屋がある。流行り病の影響で小島屋は店をたたむ覚悟をした。そんな小島屋に少しでも客を入れようとお仙が千里眼を使う。お仙の千里眼の異様さに驚くお藤だったが、お藤も自らの千里眼を使って小島屋救済に一役買うことに。お仙の父親・鍵屋五兵衛と柳屋の手代・佐吉を加え、それぞれが自らの心に真摯に生きようとする姿

          お江戸お仙の千里眼「それぞれの千里眼」あらすじ

          お江戸お仙の千里眼「それぞれの千里眼」

           谷中笠森稲荷門前の鍵屋の向かいに小島(おじま)屋という蕎麦と飯を出す店があった。蕎麦も飯に付いてくる香のものも良い味だったが、そこが浅草寺の門前ならいざ知らず谷中の田舎の稲荷門前である。徐々に広まってきたお仙人気で水茶屋鍵屋の客は増えつつあったが小島屋はいつも閑古鳥が鳴いていた。  店主の鶴兵衛は善良な男ではあったが特に商売の才覚がある訳ではなく、良い物を安く出すということ以外に考えはなかった。だがそうした「真っ当な商売」は成り立たなくなった。昨年の冬、タチの悪い風邪が流行

          お江戸お仙の千里眼「それぞれの千里眼」

          音楽鑑賞雑感 0001

           ソプラノ歌手で誰が好きだと聞かれたら、言下にアリーン・オジェーと答える。もう亡くなってずいぶん経つが、あんな奇跡の声帯と奇跡の才能とを持ち合わせたソプラノはもう出ないのではないだろうか。  そのオジェーのアルバムに『Love Songs』というのがある。色々な時代の様々な作曲家の手になるラブソングを集めたアルバムだ。CDケース裏面の曲のリストは原語で書いてあって私はろくに読まずにただオジェーが歌っているという理由でそのアルバムを買った。  家に帰って早速聞いた。やはり曲のリ

          音楽鑑賞雑感 0001

          お江戸お仙の千里眼【第三話 死に臨む体験 二】

           お仙が最初に思ったのは「気持ちいい… 良い匂い…」だった。辺り一面の花畑である。五色の花々が地平の彼方まで咲き乱れ、心地良い風が頬を撫で鳥や蝶や蜂などが楽しげに飛び回っていた。道は真っ直ぐに続き、後ろも前も地平線の彼方に消えていた。  思考はそれまでに経験のないほど澄み渡り、心はえも言われぬほどの心地よさに満たされていたが、どこかで「あたしはお団子を作っていて煙に咽せたはずだけど…」とわずかに訝ってもいた。だが歩き出してみるといよいよ気分が良くなり楽しい気持ちになって、いつ

          お江戸お仙の千里眼【第三話 死に臨む体験 二】

          お江戸お仙の千里眼【第二話 死に臨む体験 一】

           明和元年、一七六四年、お仙達三人が十の歳の夏のことである。柳家のお藤は踊りの稽古から帰る途上にあった。  浅草界隈には踊りを教える者はいくらでもいたが、お藤の母親お栄はわざわざ日本橋人形町に住む踊りの名人の所までお藤を通わせていた。その日は、お供の丁稚・利松のちょっとした失態があり、お藤は朝食はおろかお茶もろくに飲まずに出かけたのだった。人形町までは歩いて半刻かかる。速足に歩いて稽古の時間には間に合ったが、師匠も飲み込みの良いお藤の指導は楽しいと見えて早速始めましょうという

          お江戸お仙の千里眼【第二話 死に臨む体験 一】

          お江戸お仙の千里眼【第一話 出会い】

          【あらすじ】 江戸中期。「明和三美人」のお仙・お藤・お芳が千里眼(=彼岸識)を駆使して活躍する。田沼意次・平賀源内・長谷川平蔵など史実の人物達との関りを通して江戸庶民の生活を描き、真の人の幸せを探求する。三人は同い年。幼い頃に浅草寺で出会って江戸の人々の幸せを龍神に祈った。数年後、臨死体験でそれぞれの千里眼(お仙は過去・未来を読め、お藤は空間を俯瞰でき、お芳は人の心の声を聞ける)を獲得、成長する中でそれに磨きをかける。だが江戸の町に、全てを灰燼に帰す大火が迫る。三人の彼岸識

          お江戸お仙の千里眼【第一話 出会い】

          お江戸お仙の千里眼

          江戸中期。「明和三美人」のお仙・お藤・お芳が千里眼(=彼岸識)を駆使して活躍する。田沼意次・平賀源内・長谷川平蔵など史実の人物達との関りを通して江戸庶民の生活を描き、真の人の幸せを探求する。三人は同い年。幼い頃に浅草寺で出会って江戸の人々の幸せを龍神に祈った。数年後、臨死体験でそれぞれの千里眼(お仙は過去・未来を読め、お藤は空間を俯瞰でき、お芳は人の心の声を聞ける)を獲得、成長する中でそれに磨きをかける。だが江戸の町に、全てを灰燼に帰す大火が迫る。三人の彼岸識と人々の力で江戸

          お江戸お仙の千里眼