スウェーデンの社会システム・移民の場合その2

前回は移民のスウェーデン語コース(SFI Swedish for immigrants)についてでしたが、今回も引き続き移民についてです。最近はSFIのカリキュラムもかなり徹底してきているようで、今までは単にスウェーデン語能力だけでクラス分けされていたのが、出身国による教育レベルの違いを考慮し、最終学歴別にクラスを分ける工夫もされているようです。SFIには毎日日中にある集中コースと、夕方の週2回のコースがありますが、多くの人はまずスウェーデン語を習得することを第一に考えますので、集中コースに通います。(こちらのSFI情報は2002年のものですので、現在はかなり変わっていると思われます。ストックホルムでSFIに興味のある方は、ウェブサイトで情報をご確認下さい)

授業はスウェーデン語を学ぶだけでなく、スウェーデン社会について学ぶための野外教室もあります。ストックホルム市内にあるほとんどの博物館に見学に行きましたし、国会議事堂の見学もありました。様々な国から来ているクラスメートとの会話は、世界情勢の生情報を聞けてとても興味深いものです。ちょうど今から1年前(2001年)に通っていたクラスには2名のアフガニスタン人がいました。彼らは自国情勢やタリバーンについて話していましたが、その当時私はタリバーンのことをよく知らなかったので、あまりいろいろ質問もできずにいました。その後アメリカで起こったテロ事件で、あの時彼らが話していたことがいかに大変なことだったのかが分かり、愕然としたものです。移民のクラスにいると、今までは新聞上のニュースでしかなかったものが、現実のものとして捉えられ、より世界情勢に興味を持ってきます。そういう意味でも、移民のクラスは単に言葉を学ぶだけでなく、視野を広げることもできて、とてもいい経験ができたと思っています。

2002.4.30執筆、2016年リライト

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