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【ミトりごと。】気づきと安心を伝えるエッセイに。

「ミトりごと。」に込めたもの。

「ミトりごと。」というタイトルは、以前から使いたいと思っていた。

自分の視点で物事を綴ること。そもそもエッセイはそういうものだけれど、それがアサカワミトという人間の視点から綴られる言葉だということが、ひと目でわかるように見えるので便利に思えた。

それと同時に「ミトりごと。」からは「看取る」という言葉が思い浮かぶ。

ある本に書いてあった「息を引き取る」という言葉のエピソード。それが自分の中に強く残っていて、そこから連想して思い出すからだ。

その本は、呼吸についての本だった。

「息を引き取る」という言葉。

人は人生の最期を迎える瞬間、息を、静かに吐き切ってその生命を終えるのだそうだ。

たくさんの人の最期を見てきたある医師が、その呼吸の様を見るたびに「ああ。自分はまさに今、息を引き受けている。これが息を引き取っているということなんだな」と、強く感じるのだそうだ。

なるほど。「息を引き取る」という言葉は、亡くなった方から現れる言葉ではなく、見守る側が、その死を受け止めるための言葉だったのか…と、そのとき深く肚落ちしたことを今も覚えている。

生命の最後の息吹を、その目で確かに看取って引き受ける。それが"息を引き取る"ということ。
こうして、人の死をひとつひとつ受け止めてゆく行いというのは、同時にこの現実を確かに受け入れて、これからも歩み続ける覚悟を決める儀式でもあるように、ボクは思えた。

「看取る」という言葉。これは、ボクみたいに世の中にすぐ疲れてしまうような人が、それでもこの現実を確かに生きてゆける勇気と安心の合言葉として在っても良いんじゃないかと、そう思えた。

だから「ミトりごと。」には、ボクの視点からのエッセイという意味と共に、読んでくれる人が、ちょっとでもこの現実に居心地の良さを取り戻すことが出来るような気づきやエピソードを言葉に乗せてゆければと思う。


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