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空からのラブレター -展覧会『輪廻とラブレター』雑感-

12月16日(土)、横浜のギャラリー『Goozen』で向井さんの話をしてきた。

作者が亡くなっても作品は残るというのは不思議なもので、とりわけそれが剥き出しの言葉(詩)の場合、なおさら胸に迫るものがあると思う。

死んでるのに生きているという感じ。

向井さんはもう死んでいる。でも言葉は変わらず生々しく目の前に在る。

生きているのか死んでいるのか分からないような気持ちになり、知ってはいたつもりだったが、これが作品は永遠に生き続けるということなのか、とはじめて実感……というより混乱した。

まだどういうことなのか上手く処理できないでいる。

まあ処理する気もないんだけど、これからも考え続けてしまうと思う。

トークイベントには知った顔、懐かしい顔、知らない方たち、いろいろな人が来てくれて盛況だった。

中でも向井さんが最後の時を過ごした病院の相談員さんが、わざわざ京都から駆けつけてくれたことには驚き、心底感激した。

一緒に話したあやちゃんは「向井さんがこの場にいたら、その辺に座ってると思います」と笑いながら端っこの床の方を見ていて、ホントにその通りだなと思った。

そこに普通に座っている向井さんの姿をありありと見た気がしたのだ。

それこそ向井さんが死ぬまで「横浜行けるかなあ」と楽しみにしていた展覧会。

向井さんが亡くなるずっと前に企画されたものなのに、『輪廻とラブレター』という詩的な展覧会タイトルが、現実的な力を伴って「これしかない」ぐらいに感じられたのは僕の個人的な体験なのだろうか。

違う気がする。少なくともあの日あの時間を共にした人たちにとっては。

僕が勝手に向井さんからのラブレターとして受け取ったのは、この『そら』という詩だ。

『そら』というタイトルは初期の頃から頻繁に使っていたけれど、この詩を読むのははじめて。

なんてカッコよくて優しい詩なんだろう。

降りたらダメなんですね。分かりました。飛んで飛んで飛び続けます。


展覧会『輪廻とラブレター』は12月28日(木)まで!

この日の様子もGoozenのInstagramで見られるようです。

★展覧会:輪廻とラブレター

・会期:2023年12月6日(水)~28日(木)

・会場:Goozen -art and event space-

    神奈川県横浜市南区六ツ川1-283

・営業:水・木・土・日曜日 13 : 00~19:30

・tel:080-6559-8040

・Instagram:https://www.instagram.com/goozen6/


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