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『前に進むための読書論』

【読書ノート】『前に進むための読書論』


本の力はすごい!!

そう気づいたのが、私が本書を書こうと思ったきっかけです。

2015年の8月に、ハーバードのロースクールに入学してから、毎日が挑戦の日々でした。


英語の授業がわからない

質問をわかってもらえない

自分の発言が伝わっているのか自信が持てない


帰り道に悔しくて悔しくて、涙がこぼれることも、一度や二度ではありません。

とにかくそんな自分を変えたかった。

明日からでも英語がペラペラになりたかった。

私は強い変身願望に囚われていたのでした。


そして本が読みたくなったのです。

本を読むと、

「自分ではない何者かになりたい」

という変身願望が満たされていきました。

そしてパタンと本を閉じるといつもこう思えるのです。

「冒険の旅は終わった。現実の自分と向き合って、1歩ずつ前に進む努力をしていこう」と。


読書から得られるもの


山口さんは、実用書を読むことはほとんどありません。

本来、山口さん自身、読書は「即戦力」のためではないと思っています。

「何かに役立てよう」という目的を持って本を読む。

その場合、自分が意図した以上の効果を得られることは、決してありません。

つまり、自分自身の人間としての器を超える経験は、絶対に出来ないのです。

このように読書とは、目的なんで考えないで、「純粋に本を楽しむものだ」と思っています。

しかし、結果的には得られてしまう

「読書の効用」

について整理してみたいと思います。


二つの柱

《実務的能力》(論理)

経験というのが、実務的能力を養うのに役に立ちます。

もっと効率的に学びたい場合には、ノウハウ本を手に取ると良いでしょう。

《人間性》(情熱)

人を行動に駆り立てるものは、感動させるもの、行動を起こさせるもの、それは人間としての力なのです。

読書をしていた人は、挫折を既に本の中の世界で経験済みです。

本が好きな人は、嫉妬に溺れて才能を枯らしていく主人公の視点も、そんな主人公を客観的に見つめる視点も、どちらも経験済みであるはず。

つまり読書は、「人間に対する理解」を深めてくれるのです。


本の選び方、つきあい方

「この本面白いよ」

と取引先の社長から、本を貸して頂いて、返す時に感想を言わなきゃいけないなど、センスが合わない本を読まなきゃいけない機会なんて、いくらでもあります。

はじめはいけ好かないと思っていた本が、徐々に好きになる可能性もありますが、自分で選ぶ本はあえて、初対面の印象が悪いものを選ばなくてもいいわけです。

《山口さんからのメッセージ》

人生は短い。

この世に出版されている本の数億分の一すら読めずに一生を得るんです。

せっかくの一冊を無駄にするなんてもったいない。

だからこそ、見て、触って、試し読みして、その上で買うのがおすすめです。


読書と学力の関係

留学によって、英語の文章を読んだり書いたりしなければならなくなりました。

そしてつくづく実感するのは、「読む力」以上に「書く力」が育つことは絶対にない、ということです。

自分の「読める文章」以上のものを書くことができる人はいません。

そしてこの書く力というのは、少なくとも現在の日本の教育を前提とする限り、学力の基本です。

小学校から大学までを通して、私が受けてきた試験のほとんどは、筆記試験だったわけですから。

どれほど優れたことを考えていようと、それを「文章で表現する力」がなければ、評価されることはありません。

そして、文章力を上げるためには、「できるだけ多くの本を読む」ことが何よりも近道だと、私は信じています。


読書は真面目にする必要は全くない

「本を読む時間がない」

という人は、人生の何割かにあたる、「何かを待つ時間」というものを、本を読むことに当てることに、抵抗があるのかもしれません。

つまり本を、真面目に読みすぎなのです。

真剣に読書をする必要なんて、全くありません。

さらに踏み込んで言えば、じっくり読む本と気軽に読む本を、分けて並行して読むのがいいと思います。


わたしの感想&考察

山口さんは面白くないかもしれないという本を、

「最後まで読んで、とっておきのラストシーンに出会う醍醐味は、それまで数々の駄作を読んで、無駄にしてきた時間を補って余りある」

という考えを展開されています。

これは非常に新しい考え方で、多くの書籍は「面白くない本は、早く止めてしまおう」という考え方の本がほとんどの中、山口さんの意見はかなり面白いと思いました。

「隙間時間で読む本の時間」というものを大切にされていて、「さぁ読むぞ!」と言う意気込んだ姿勢で本を読むことにも否定的であり、山口さんの読書に対する意見というのは、他とは類を見ない珍しい、大変貴重な意見であると思います。

是非一度取り入れて、読書の時間に実践してみたいと思いました。

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