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なくなってゆく本屋

消えゆく私のアトラクション

私にとって、本屋さんという存在は、ビッグサンダーマウンテンや、カリブの海賊と同じものだ。
自分を楽しませてくれる、とても楽しいテーマパークのアトラクションと同じなのである。
次に何が飛び出すのか分からない楽しさがあある。
そんな私のテーマパークが消えている。これはどうしたことだろうか。

近所の古本屋がつぶれた。
この界隈では、去年から二件の本屋さんがなくなった。
残されている本屋はいずれも、自宅から総合駅に向かっていく方角にある。
やはり、総合駅などの中心部の本屋さんしか勝ち残れないのだろう。
全国的に本屋さんがつぶれているのは、若い人の本離れなどが叫ばれていたが、最近の研究結果では、実際にはそこまでの原因には至っていないらしい。つまり、昔からほんというものは、読む人は読むし、読まない人は読まないのだ。
私などは、読書が好きな部類であるため、なぜ多くの人が本を読まないのか、不思議に感じている。これほどまでに面白いものに触れないことは大変もったいない。
目の前に、テーマパークのアトラクションが、せっかく待ち時間なく待ち構えているのに、乗らないようなものだ。
私は、こうした本屋さんの現状を嘆いている。
そこで、本屋さんにどのようなことが足らないのだろうかと考えてみることにした。

そもそも、本をなぜ読むのかというと、一番は『知識欲』だろう。
知識を得ることの喜びは、何ものにも変え難い。
ゲームや遊びの中の楽しさとは違う、面白さがある。
古代ギリシャの哲学者であるソクラテスも「無知の知」を語っているのは有名である。
ソクラテスはとても博学で知られている。その実力は神からも認められていて、ある時神様から「お前が一番頭いいよ」と教えられたそうだ。
しかしソクラテスは「そんな訳あるかい」とそれに反抗して、自分よりも頭のいい人を探したという。結局は見つからなかったのに、自分が一番頭いいはずないと、最後まで抵抗していたらしい。
つまり、ソクラテスは「無知の知」によって、「物事を知れば知るほど、自分の無知を知ることになる」ということを説いたのである。
ここに表されているように、自分が何かの知識を得るたびに、自分の知らないことが疑問として浮かび上がってくる。このような経験をしたことがある人も、少なくないはずである。
学校の勉強でも同じで、理科の授業で星や星座についての知識を得てからというもの、私は星座への興味が止まらなかった。それが小学生頃に理科を好きになるきっかけだった。それからというもの、毎晩、風邪をひくほど星座を見ていたものだった。
学校でいろいろな教科を習うことは、このような興味関心を引くという目的があるのだろう。
しかし、学習というものは、学んでゆくと、全てが繋がっていることにも気づくことができる。
国語、算数、理科、社会と、教科ごとに分かれていることで、授業というものは成り立っているものの、歴史を勉強するとその国の文化を学び、そこで発見された発明がどのようなものだったのかを知り、その発明はその後の世の中にどのような影響を与えたのかを知っていくことによって、四教科すべての知識が必要になってくるものなのだ。
そうして、教科ごとの垣根を超えた知識というものが、自分の知識となって、興味関心となり、新たな疑問が浮かび上がってくる。
そうして上がってきた疑問を、解消するために私たちは学び続けていくことのなっていくのである。
この内容については、池上彰さんと佐藤優さんの共著である『最強の読み方』という本の中でも紹介されている。
世の中で役立つ知識や知見を身につけていくための方法として、新聞を読むことをすすめらているが、そうして得た知識は、全て繋がっていくのだとご紹介されている。

本でも取り上げられかつての哲学者も言っている上に、私自身も体験した知識を得ていくために、本を読むことは最良の手段であるのだ。
読書というものは、非常に能動的な活動であり、「本を読もう」と思わなければ読むことはない。スマホのようになんとなく開くものではないことで、自分が得たい知識というものが明確になるというメリットがある。
その上、本といっても活字ばかりの書籍でなくとも、漫画やライトノベルのような挿絵満載の本でも知見というものは広げられる。
『日本の歴史』のような漫画がきっかけで歴史が好きになった友人は数知れない。
動画のように、向こうのペースでどんどん突き進むものは、ついていけないということがあるが、本に至っては自分のペースで読めるため、自分が理解するまで読み返すおいうことも可能なのだ。
これほどまで親切で、知識の広がる媒体は他にはない。

文字を読むことによって、自分の世界を広げられる読書という趣味を持つためには、好きな本を一冊でいいから、手元に置いておくべきだ。
トムソーヤーでも、星の王子さまでもいい。
好きな本を、何度も読み返すことによって、同じ本を読んでいるだけなのに、知識や知見が広がる感覚を味わうことができるのだ。
是非とも、自分だけの一冊を選ぶために、近くの本屋さんへ足を運んでほしい。

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