あぁバナナ。
バナナを食べる夢を見た。
それは長くて、太くて、立派なバナナ。
片手で握ると、人差し指と親指が届くか届かないかの太さの、しっかりしたバナナ。
ゆっくり皮を剥くと、バナナの香りがちゃんとして、「あぁバナナだ…」と思う。
ツンとした先っぽにかぶりつく。
久しぶりに食べたバナナは、とても美味しくて、まさにバナナの味がした。すこし若い、しっかりしたバナナだった。
ぼんやりと目が覚めて、
「バナナ美味しかったな…」と余韻に浸る。
夢で食べたバナナ、でも、本当にバナナの味がちゃんとして、食感もまさに若いバナナのそれだった。歯型もちゃんとついて、噛みごたえある、爽やかで美味しいバナナだった。
「バナナを食べた夢を見てね。
すっごく美味しかってね。
それが、めちゃくちゃ立派なバナナ
だったの。長くて太くて。」
普段、私はバナナは食べない。
買ってきても、子どもたちが食べるばかりで、私自身はひさしく食べていない。
けれど、あんな夢を見てしまったから。
どうにもバナナが食べたくなってしまった。
しっかりした、あのバナナみたいなバナナ。
もうお口がバナナくらい。
とはいえ、
この週末、急ぎの仕事が入ってしまい、私は家でもずっと仕事をしているほどで。
土日休みの夫に、買い物やらなにやらをあれこれお願いしていた。トイレットペーパーと、箱ティシュと、単三乾電池と、金麦をケースで…お買い物メモにあれこれと。
なのに、バナナを書き忘れてしまった。
こんなに、お口がバナナなのに、だ。
迂闊だった。しまったなぁ…と思いながら、手を動かし、おとなしく仕事をしていた。
「ただいま〜」
あれやこれやを抱えて帰ってきた夫。
ドサッと買い物袋を置くのを目の端に見る、
と、
バナナ!
「え?バナナ!?」
「おぉ、バナナ、買ってきてやったぞ」
「おー!バナナー!!」
私は、その場で、もぎって剥いた。
夢で見たような(もうちょい大きかったけど)しっかりしたバナナに、かじりつく。
そうそう、この味。この食感。
若くてしっかりしたバナナ。
「うんまっ!」
「うまいやろ~」と得意げな夫も、ポキッと1つ、バナナを食べはじめていた。
まるでお猿さんのように、
私は野性的に一気にバナナを食べ終えた。
美味しかったもの。とっても。
※補足
夢占いでいうと、
〝おいしくバナナを食べる〟は「運気上昇」という意味があるそうです。
もしや…「性的欲求の高まり」かと思って、焦って調べたことは、内緒にしておきます。
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