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名前探しの放課後 | 辻村深月 | ☆☆☆☆

後編も読み終えたので、総括として載せます。☆は4つだった。

この作家さんを読むのは2つ目で、1つ目はAmazon Single で出されてた「パッとしない子」でした。
その作品は、最後にババーンと種明かしをするような展開で、今回も同じノリなんだろうなぁと思いながら読んでました。エンターテインメント小説としてはめちゃくちゃ面白い展開ですよね。
この作品も、同じように、最後の最後でババーンって感じでした。

情景描写の難しさ

富士山のふもと、伏せてありましたがおそらく山梨県あたりの話なのかと思います。その辺、私はあまり思い出深い地ではなく、子どもたちとたまに行く富士急ハイランドと、去年から好きになったフジファブリックのボーカルだった志村さんの故郷だな、くらいの認識でしたが、文章を読んで思い描く風景が、作家の求めているものと同じなのかどうか、ちょっと怪しいなと思いました。なんというか、空間の切り取り方がイマイチうまくつかめないところがあって、多分私の想像力が足りないせいなんですけど、何度か読み返すことがありました。
言葉をストレートに受け止めるのが難しいな、とか、自分はこう考えているけど作者の意図をちゃんと汲み取れているのだろうか、とか考えました。難しいですね。空気がだんだん冷たくなってくる感覚と、日が落ちていくスピード、自転車の疾走感、なんかは割と掴みやすかったと思う。空間の感覚?が違うのかな、と思う箇所がいくつかあった。

展開の難しさ

いやーちょっと個人的な感覚ですけど、最後の最後に持ってくるどんでん返し感、ちょっと自分には厳しかったです。読者への欺き方が半端ないというか。なんでもアリやん、的な。
展開的にはとても面白かったですし、すごいなぁと思う一方で、ちょっとやりすぎじゃないっすか、的な感覚が否めなかったです。多分、まだ辻村ワールドに入り込めていないんだろうな。

身体的な痛みを受け取る難しさ

身体を痛めつけられるシーンとか、自殺するシーンとか、やんわりであってもその部分を読むは辛いなと思いました。これはこの作品に限らず、大好きな伊坂幸太郎のモダンタイムスとかも然りで、うさぎの男が大男(名前をど忘れしてしまった)を痛めつけるところとか、ちょっと読むに耐えないです。私自身、そういう話とか、普通にやってるニュースで耳にするだけでイヤな気分になるもんな。なるべく、そういうところも食わず嫌いにならないように読むようにしていますが、割と頭に染み込ませる前に先へ進めるようにしているような気がします。

総括

これを読んだあとにいくつかのネタバレとか、辻村深月のオススメとかいろいろ読んだんですが、いろんな作品に登場してる人がいたりするみたいですね。秀人と椿ちゃんは他のにも出てるようなので、そっちも読んでみたいと思います。面白かった。

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