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ボケる事は、月へ帰る準備なのかもしれない。


「ばぁちゃん、感情が無くなってしまった」

おじいちゃんが、寂しそうにつぶやいた。


認知症のおばあちゃんの反応が
無くなったという。


それを聞いて、

ふと、

かぐや姫みたいだなと思った。


天の羽衣を羽織ったかぐや姫が、
下界の記憶を忘れて月の都へ
帰っていってしまう話。


おばあちゃんは、天の羽衣を着たのかなぁ。
そう考えると、なんだか高貴な事に思えてくる。


月に行く準備はばっちりだけど、
まだ、おじいちゃんを置いて行けないってよ。


愛されてるねぇ。

だから、泣かないでー。

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