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ストレートエッジという選択肢 Straight Edge

ストレートエッジの起源や成り立ちについては色々なところで書かれてるからあえてそこは説明しない。簡単に纏めると以下である。

①ドラッグをやらない
②タバコを吸わない
③アルコールを摂取しない
④快楽目的でセックスをしない

これは80年代のハードコアバンド、MINOR THREATのイアン・マッケイが提唱した思想である。マイナースレットはパンク、ハードコア好きならこのジャケットを一度は目にしていると思う。

MINOR THREAT
MINOR THREAT後のFUGAZIでもイアンマッケイはストレートエッジだった。

パンク、ハードコアに夢中だった頃にカタログの様な冊子を持っていて、このジャケットに惹かれて自分もMINOR THREATは聴いた。そこでストレートエッジという思想も知ったけど、その時はお酒も飲んでたし自分には関係ないなって思ってた。

話しを戻すとドラッグは日本で法律で禁止されてるし、そもそも薬物には全く興味が無いから未だかつてこの類は無縁。市販薬のオーバードーズとかもすることはない。

タバコについては大学生の時に周りが吸ってたから試しに吸ってみたけど、特別気分が良くなるわけでもリラックスする訳でもないから自分は吸わなくていいなって思ってその大学生の時以来吸ってない。

セックスについてはプライベートな事だから多くは語らないけど快楽目的だけでそこに愛が無いセックスは虚しいだけだと自分は経験上今もそう感じてる。

アルコールについては、大学生や社会人になるとお酒を飲む機会は格段に増える。自分も飲み会とかの雰囲気は嫌いじゃなかったから参加してお酒も飲んでたけど、自分はお酒は余り強くない。お酒飲んで気持ち悪くなったり、頭痛くなることが毎回だった。でもお酒飲んだ後はそういうものなんだろうと、それを疑問に思わず同じ事を繰り返してた。

自分は昔から家では一切お酒は飲まない。パンデミックになって家に篭ることも多くなってお酒を飲みに行く機会も無くなった。自分はお酒飲まなくても平気な人だからだんだんそれが自然な日常になってきて、心の中でもうお酒飲まなくていいかなとも思い始めていた。

そんな時にHollow Sunsの物販で買ったラストステップファンジンを読んで凄く感銘を受けた。最初は単にTakashiさんのハードコアへのきっかけやバンド活動について知りたかったから購入したんだけど、そこでTakashiさんがストレートエッジだと知った。Takashiさんの「SxEをやっている理由は自分の頭や思考を常にクリアな状態にしたい。お酒を飲むと思考や判断が鈍る。そんな状況に自分を置きたくない。生活の中でいいことや悪いこともつらいこともすべて覚えて、自分の頭で理解しておきたい。自分に起きたこと、自分が考えてることは常に頭の中でクリアに考えて答えを出したい。」

ラストステップファンジン。OtusやHollow Sunsの物販でも買えます。


この言葉に自分は凄く感銘を覚えたし、自分もそうしたいなって思った。お酒は1年以上飲んでないし、もうやめちゃおうってすぐに決断した。お酒は飲んでいる時は気分が良いけど、やはりアルコールは脳を麻痺させるから、正しい判断や行動ができない時がある。自分は若い時にそれで失敗した経験もある。それに自分はお酒強くないから少量でも必ず次の日に気持ち悪くなったり、頭痛が酷くなって仕事にならなかったり、何も出来なかったっていう非生産的なことをしていたから、次の日に具合悪くなるって分かっててアルコール摂取するのは自分にとって馬鹿げた行動だなって思うようになった。

ファンジンの感銘を受けた部分。この号はストレートエッジがクローズアップされててOne Step Closerのインタビューもある。

アルコールを飲まないと確かにいつでも冷静な判断や思考ができる。次の日に体調が悪くなり何も手につかなくなることもない。自分にとってはこれがいちばん快適で合ってるなって思った。

確かにお酒を飲むことによって人とのコミュニケーションも円滑になり、関係が良くなるというメリットは当然あるし、気分が高揚するから場の雰囲気も明るくなる。そんな中で皆んながビール頼んでるのに自分はウーロン茶でとか言うと場を白けさせるのは確か。

お酒はアルコールによって嫌なことあったり、辛いことあったりするとその時は忘れられて現実逃避できる。でもお酒飲まないと現実逃避もできないから嫌なことや辛い事もしっかり自分と向き合わなくちゃならない。でもそれを含めてその辛さや苦しみを内省することに自分は意味があるって思ってる。頭をクリアにしてそこから抜け出すにはどうしたらいいかって熟考できる。

誤解して欲しくないのは自分はお酒を飲む人のことは全く否定していない。お酒飲むから仲良くしないという考えも一切ない。お酒飲んで気分良くなって楽しめて円滑なコミュニケーションができて友人が増えていき良い関係性ができることは自分にはできない素晴らしいことだと思うから。お酒飲んで楽しそうな雰囲気の人を見るのはこちらも良い気分になるから。勿論泥酔して人に迷惑を掛けるひとは論外だけど。ストレートエッジは他者の嗜好や思想を否定せず尊重することも大事な思想のひとつだしね。

ライヴハウスにお酒はつきものだけど自分はドリンクはソフトドリンクしか飲まない。お酒飲めるひとはお酒たくさん飲んでライヴハウスの売上に貢献してあげれば良いことだと思う。

ストレートエッジは手にXマークを書いて意思表示をする人もいるけど自分はまだそんな主張出来るほど歴が長くないからストレートエッジのリストバンドやスウォッチを身につけてさりげなく主張してる。

ストレートエッジのリストバンド。日本にはこういうグッズ無いからアメリカから買ってる。海外はストレートエッジャーが多いのか発売されるとすぐに売り切れてしまう。
こちらは2018年製のデッドストックのスウォッチのストレートエッジモデル。時々スウォッチは復刻リリースする。お気に入りの時計

勿論このグッズを身につけてストレートエッジを啓蒙している訳じゃ無い。でもこれ付けてるとこれは何の意味?って聞かれることはあるから、その時は簡単にストレートエッジについて説明する。ただストレートエッジという思想や文化があるんだという事にとくにパンクやハードコア好きな人には興味持ってもらえたらいいなとは思ってる。

あと前途のファンジンを通してMagnitudeとInclinationのストレートエッジバンドの存在も知った。Inclinationの最近リリースされた新譜は凄くカッコイイからストレートエッジ関係なしにオススメの一枚。

ストレートエッジの人にはヴィーガンの人もいる。自分は昔自分の体質改善の為にベジタリアンを数ヶ月やったことあるけど、外食するときに困るし、そもそも動物性のものを摂取しないことが自分の身体には合わなかったらヴィーガンは選択してない。中にはお酒は飲むけどヴィーガンという人もいるしね。それはその人の選択肢だから全然アリだと思う。

自分にはストレートエッジが自分に合ってるからそれを選択して実践してるだけ。そういう思想や行動もあるんだって知ってくれたらいいなってだけです。

これはStraight Edgeのドキュメンタリー。5話まである。日本語訳が付いてるから伝わりやすいと思う。ちなみに自分はStraight Edgeではない人やお酒を飲む人に対して暴力的な行為をするのは断固否定する。自分は自分と違う思想や嗜好の人は否定はしない。ただ自分を自制できないほどに泥酔して、他人に暴言を吐いたり、心無い言葉で人の心を傷つけたり、物を壊したり、他人に暴力を振るったりする行為をする人は自分は許容しない。

日本ではお酒を飲んでコミュニケーションを深めるという文化が一般的だから、ストレートエッジを選択しない人の方が多いと思う。アメリカとかではアルコール依存症によって自分の身を滅ぼしたり、家族関係が悪くなったりして社会問題にもなっているから、どういう風に醸造されたとかお酒そのものに興味がある人は別として、お酒を飲みに行くのが好きとか趣味とか言うと良く思われないのが一般的だったりする。親がアルコール中毒で酷い環境で育ったから自分は飲まないと選択する子供もいる。

ストレートエッジは日本ではなかなか理解されにくいし、広まるものではないけどそういう選択肢もあるということを音楽好きな人、特にハードコア好きな人には頭の片隅にでも気に留めて頂けたら幸いです。

Otusがまだ無い時にきっかけは何だったか忘れたけどTakashiさんがやってたINSIDEのEPを買ってたのは後になって気づいた。まさかこの後Otusで出会うとはね。

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