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千枚漬け風・手軽、しかも激安

京都の漬物があれほど美味い理由…一説によると、一度塩漬けにしてから、の塩抜き、からの味付け。しかし、同じようなことをやっても、家ではあの味は出ない。悲しいかな。

東京では「べったら」という唯一無二の豪快な大根漬けが有名だが、最近では山形のいぶりがっこや、北関東一円で愛される酢大根の人気が著しい。人気急上昇だ。洒落た居酒屋のおつまみにいぶりがっことブルーチーズの和え物、また、薄黄色の酢大根をたっぷりスライスしたものにおかかを乗っけただけの肴…そしてわたくしはこれらにビールを合わせるのが好きだ。

秋から冬にかけての大根漬物はけっこういい肴になる、間違いない。

そして、それら旬の大根漬物の最高峰を飾るのが京都の千枚漬けではないか。京都駅のそこかしこに大安の千枚漬けのパックが並んでいたものだが、今年はなぜかあまり見かけない。噂によると、京都駅の土産物売り場自体が縮小されているらしい。これはタイヘンな事態だ。千枚漬けはどこに行ったのか…

適度な薄さにスライスした聖護院大根を塩漬け→塩抜き→場合によっては再度の塩漬け→塩抜き→秘伝の漬け液へ→上等の昆布、麗しい鷹の爪→京都の魔法少々→ちょっと高いけどおいしい千枚漬け…

おお、なんという手間暇。聖護院大根を、古い、よく磨かれた鉋(かんな)に割烹の若い職人がしゅーっしゅーっと小気味よくかけていく…NHKの秀逸の美麗映像…本当は機械でスライスしているだろうと疑う向きもあるが、それはそれでまた良い感じだ。

おそらく、スーパーに千枚漬けが出回るのはもう少しあとか。そして、なぜか思い立って、私は今が旬、千葉県産のまるまるとしたカブで千枚漬け風の漬物を作ることを思いついた。

材料 かぶ(中くらい 2つ)、米酢、甜菜糖、しお、塩昆布(適量)

① カブの皮をごく薄く剥く。新鮮なものなら向かなくてもいいかもです。

② カブをごく薄くスライスする。一ミリ以下のイメージで。スライスの方向はご自由に。

③ ②のカブに軽く塩を振ってなじませる。5分もすればすっかり水分が出てくるので、ぎゅっと水けを絞っておく。

④ ボウルに米酢を大さじ2杯強から3杯、甜菜糖小さじ2杯半、塩ひとつまみをいれてよく混ぜる。甜菜糖は溶けにくいのできながにまぜまぜしてください。

⑤ ③のカブを④のボウルに入れ、混ぜる。途中で塩昆布をひとつまみ加える。

⑥ ⑤を気持ち、カブのスライスを広げながら保存容器(ガラスなど、酸に強いものを)に入れる。1~2日ほど冷蔵庫で寝かして。

⑦ 食べる。

カブの皮部分が「ごり」っとするのではないかと心配だったが、かえって歯ごたえが出てうま味アップの感。しかも、鷹の爪を入れなくても瞼を閉じて口に含めば…「あの、冬の千枚漬け」がやってくる!(どこから?でもこれ本当)

おそらく、小さなガラスの保存容器一つ分、300円もかからない、コスパの好いお漬物だ。甘みがあるからお茶請けにも最高。

私は、気まぐれに成城石井の北海道産の塩昆布を使っているので、ぜいたくな味が楽しめた。塩昆布のうま味が溶けだして、漬け酢がほんのり琥珀色に…やっほう!

冬は楽し

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