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宗教離れと言われる時代に、自分たちができること。20代女性職員3人が語る「職場としてのお寺」第3回

男性が多いと思われがちなお寺の世界ですが、実は築地本願寺には女性職員がたくさんいます。彼女たちは、お寺で働くことについてどう思っているのでしょうか? そこで、20代の若手女性職員同期3人による、鼎談を実施! 1回目、2回目に引き続き、最終回となる今回は、築地本願寺で今後挑戦してみたいことを語っていきます。

龍谷大学在籍時代に遭遇したカルチャーショックとは?

――昨今は宗教離れが進んでいると言われていると思いますが、みなさん自身はそれを感じることはありますか?

藤田瑞華(以下、藤田) 龍谷大学の同級生と話をしたとき、「仏教がよくわからない」「宗教がよくわからない」という人がかなり多くて驚きました。

小野唯奈(以下、小野) 龍谷大学は総合大学なので、お寺に全く関係ない学生も多いからねー。私たち3人は全員龍谷大学出身ですが、真宗学科という仏教を中心に勉強する学部ではなかったので、お寺関係者以外の学生が身の回りに多かったのも影響しているかもしれないですね。

藤田 一番驚いたのは、友達から「入学式が仏式で行われて、そのときはじめてこの大学が仏教系の大学だと知ったんだよね」と言われたこと。「龍谷大学が仏教系の大学だということを知らなかった」と言われたときは、カルチャーショックでしたね。

椿 阿寿弥(以下、椿) あと、私が気になっているのは、「宗教は怖い物」だと多くの人に思われているんじゃないかということです。最近はニュースで宗教の問題を目にすることも増えていますよね。そのせいで、一般の人に「宗教は悪いもの」だと思われているのではないかと心配になることも多いです。

小野 「お寺」と言われても何をしているかわからないし、知らないからこそ怖いと感じる人もいるのかもしれないもんね。

椿 だからこそ、その誤解を解くべく「仏教とは、浄土真宗とは、怖いものではない」と知ってもらえるような機会を増やしていきたいな、と思っています。

左から、小野さん、藤田さん、椿さん。

お寺を継ぐ、築地本願寺で働き続ける? その後のキャリアは

――将来のキャリアはどうお考えですか?

小野 私は宮崎の実家のお寺に帰るたびに、ご門徒さんから「いつ帰ってくるの?」「早く帰っておいで!」とすごく言われるんですね。だから、築地本願寺でいろいろ学んで、持ち帰らなくちゃいけないなぁと強く感じています。

ただ、お寺を継ぐことに不安もあります。最近、地方でもお寺の存在感は薄れているので、将来を見据えるとやっていけるのか、正直怖いです。

椿 たしかに、不安になるよね……。

小野 そう。だから、いまは病気で療養中の方々に仏教的なサポートを行う『ビハーラ布教』についても勉強したいなと思っています。私は人と話すことも好きだし、築地本願寺で働きながら学べる機会があったらな、と。椿さんは? 

椿 私は、将来のキャリアは、まだ全然決まっていないですね。実家のお寺が福岡にあるのですが、弟が継ぐ予定なので。このまま築地本願寺でずっと働き続けたいとも思いますし、ここで学んだことを持って帰って、弟をサポートできたらいいなとも思っています。

藤田 私も、まだまだ今後のキャリアについては、未定ですね。ただ、いま、築地本願寺で経理という仕事を担当させてもらって、少しずつお寺の経理というものがわかるようになってきました。それはすごく楽しいので、まずは目の前にあるできることから、コツコツ続けていきたいです。

仏教フェスやプロジェクションマッピングまで! 築地本願寺でチャレンジしたいこと

――最後に、築地本願寺で挑戦したいことを教えてください。

椿 私は、仏教にまつわるフェスをやってみたいです! 世の中では肉フェスとかありますが、それにならって、精進料理フェスとかお香フェスとかできたらなって。

藤田 いいね、楽しそう!

椿 特に精進料理に関しては、最近は和食だけではなく、イタリアンやフレンチにも精進料理があるので、バラエティも豊かです。こうしたフェスなら、若い人も楽しめるんじゃないかなって。

藤田 私はもうちょっとお寺の経理を極めたいですね。3年前に築地本願寺で経理に配属されたご縁で、簿記3級を取得したんです。

小野 偉い! 築地本願寺は資格取得のサポート制度があるから、お坊さんの中でも簿記の資格を持ってる人が実は多いんですよね。

藤田 今後、お寺の会計を極めるために、簿記2級を取りたいなと考え中です。私は僧侶でもないし、仏教についてもまだまだ勉強中ですが、経理面で何かお役に立てたらいいなって思っています。

小野 私は築地本願寺でプロジェクションマッピングをやるのが、いまの夢ですね。

椿 京都本山の西本願寺でもプロジェクションマッピングをやってたもんね。

小野 そうそう。西本願寺でやったと聞いたとき、「お寺でもそういうことができるんだ!」とワクワクして……。今後も「どうやったらみんなにもっとお寺という場を楽しんでもらえるか」を考えて、何か多くの人を驚かせるような仕掛けを考えていきたいですね。

三者三様の念珠を手に。

第1回目、2回目はこちらからどうぞ!



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