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『便座漫才』

大掃除。
ストライダーやら変身ベルトやら、息子のものがずらり。
それとは別に玄関の端に補助便座、おまるの姿が。
「これは別?」と妻に聞くと「リサイクルできる?」と逆質問。
納得し頷いた。

息子が六歳になった直後。
突然「もういらないと思う」と言い出した。「逆にやりづらい」と。
疎かった私は「おまる いつまで」と検索し驚く。長くても皆五歳位で卒業らしい。さすがに勇退だ、とおまるの労をねぎらった。

「いつ言い出そうかずっと気がかりでよ」
見るとおまるがこっちを向いて喋っていた。
どことなくビートたけしさん似の声。
「おいらがアンパンマンマーチを歌わなくなったのもそれだよ」
電池切れだと思っていたけど、そういうことだったのか。
「それにしても似てるな、あんちゃんと坊や」
おまるが喋り続ける。
「ズボンを全部脱いでからやる所もそっくし」
私は思わず「よしなさい」とツッコミを入れた。

リビングから「でしょう。だから粗大ごみ」と妻の声。


煤払ひ単三電池抜くおまる

(すすはらいたんさんでんちぬくおまる)

季語(仲冬): 煤払、煤掃(はき)、煤竹、煤籠(ごもり)、煤逃(にげ)、煤湯



※日記を 小説風に表現しています__🖋
これもまた成長の一過程ですねえ。。。


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