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主として教育の場面における単純接触効果について考察してみた。

副業で家庭教師のバイトをしているこーぞーです。

もう4年近く同じ生徒を担当しています。中学生の頃から担当して,現在もう高校生です。
学生の頃も家庭教師はしていましたが,こんなことは初めてですね。

その辺りで色々と考えることがありましたので,考察してみました。
タイトルにあるように「主として」教育の場面についてで,同僚のことなんかも書くことにします。

単純接触効果とは

単純接触効果とは,ザイアンス効果,ザイオンス効果などとも呼ばれるようです。ある人と一緒にいる機会が増えると,その人への好意が増すというものです。大学の時に使っていた社会心理学の教科書に記述がありました。

フェスティンガーら(L.Festinger, 1950)は,学生寮に入寮直後から約半年間の寮内の交友関係を,部屋の距離との関係から調査した。すると,部屋の距離が離れているよりも隣室の住人の方が,友人として選択される確率が高くなった。これは,…近接性が高いと単純に相互に接触する機会が増えて,その対象が見慣れた対象となり熟知性が高まることから好意が増すというザイアンス(R.B.Zaianc, 1969)による単純接触仮説からの説明がなされている。

村井健佑・土屋明夫・田之内厚三(2000)『社会心理学へのアプローチ』北樹出版。

名前も有名かもしれませんし,体感的にわかっている人も多い理論かと思います。ここでいう接触とは,物理的に触るということではなく,同じ空間にいる,ということですね。
改めて見てみると,引用部分の「熟知性が高まる」というのが重要なのかも?

相手に対する好感度が低い場合は,接触回数や時間を増やすとかえって逆効果になるような気もします(がエビデンスはありません)。

さて,この理論をいろんな場面において考えてみます。

家庭教師のバイトにおける効果

冒頭でも書いたように,家庭教師のバイトをしています。
指導している4年の間で,私の環境の変化とかのために,ほかの人に任せようかなとか考えたこともあったんですが,その生徒には「いやーほかの先生はちょっと…」なんて言ってもらってます。34歳のおっさんに向かって。
多分講師が代わったら代わったでどうにでもなると思うんですけど,意外と関係を構築できたなあって感じてます。

この家庭教師って,指導はだいたい毎週行っていますが,1回90分でしかないです。しかし,時間が短くても,4年という期間になると,結構一緒にいるような感覚があります。

単純接触効果って,接触している時間とか,接触を中断している期間を含む総時間とか,そういうのも研究してるんでしょうかね。私の仮説としては,1回の接触時間が短くても,期間が長いと関係を構築できる,になります。
GoogleScholarの検索結果をざっと見てみると,そういった内容の研究はパッと出てきませんでした。

家庭教師の指導期間って,生徒が受検に合格するまでだったり,あるいは講師が大学を卒業するまでだったりすると思います。生徒が受検に合格するのは丁度いいタイミングだと思いますが,やはり講師の都合で交代するっていうのはあんまり望ましくはないんでしょう。
そう考えると,私みたいな社会人が家庭教師をするっていうのって,結構いいのかもしれません。みんなも家庭教師をしよう!(笑)

もちろん,勉強するのは生徒ですから,講師が誰であれ勉強はしますし,講師の交代が新たないい出会いになるということもありますから,一概には言えないでしょうけど。

職場の同僚に対する効果

先日同僚と飲んだのですが,一緒に飲むのが久しい同僚もいました。
職場での持ち場は近くて,私が日勤なら顔を合わせることは多いんですが,お互い自分の仕事をやってるので,言葉を交わさない日も多いです。

そんな同僚と久しく飲んで喋ったんですけど,自分としては結構話が盛り上がって,こんなに仲よかったっけ?っていう気がするんですよね(笑)お互い酒飲んでてテンションが高いというのもあると思いますけど。

言葉を交わさない日は,横を通り過ぎながらお互いを「視認している」という程度の状態ですが,それでもなんだか関係が構築されているような気がします。

これについては,上のGoogleScholarの検索結果を見てもなんとなく推測できます。商品を見たことがあるだけで買う確率が上がるとか,視界に入るだけで好感度が上がるとか,そんな研究結果が出ているようです。

みんなも職場で仲良くなりたいあの人の視界に入ろう!(笑)

なお,このnoteも参考になります。自分のnote(笑)

学校における効果

自分が以前中学校に勤めていた感覚からしても,自分が担任している生徒や,部活でも見ている生徒とは関係が築きやすいです。

学校の教員は労働環境が悪いと言われて久しいですね。しかし,児童生徒と関係が悪くないのなら,生徒がいる時間はなるべく教室など生徒がいる所に顔を出して,一緒に活動したり,できる仕事を教室等でやったりするのがいいかもしれません。もちろん無理のない程度で!

以前に,部活をやっている方が楽だとまで書いたnoteがあります。
生徒と一緒にいる時間や機会が多いほど楽である部分も間違いなくあります。

しかし,そんなことをやっていると残業時間が増えるでしょうから,1人当たり仕事量を減らすために,やっぱり学校の先生は増やしてください。

…と思っていたところ,2022年度は小学校で教員を増やすと国が言っています。

記事をよく読むと期待したほどではないわけですけど…嬉しいがもっと増やしてくれ。
また,これにより配置される教員が複数校で教える場合もあるというのは,このnoteからするとちょっと残念な点です。個々の児童との接触が絶対減るじゃないですか。
ということで学校の先生はもっと増やしてください。これも以前投稿していました。

例外?こーぞーの実家の猫の場合

うちの実家のみーちゃんです。かわいい。

私には兄が2人いるんですが,上の兄は実家と同じ市内に住んでるんで,実家にちょいちょい顔を出しますが,みーちゃんは上の兄が苦手みたいです。

一方,普段東京にいる下の兄は,明らかに接触機会が少ないわけですが,いつもお利口に撫でられてます。

うちのみーちゃんにはあんまりあてはまってない…?みたいです。結構臆病な猫だとは思いますけどね。
動物たちにはこの理論ってどの程度あてはまるんですかね?

まとめっぽい何か

・家庭教師だと難しいかもしれませんが,必要に応じて相手に評価を下さない,否定をしないというのが大事なんじゃないですかね。これってカウンセリングかなんかの理論でしたっけ?指導するという立場とは矛盾しているようですが。

鴨頭嘉人という方の動画で,会社において,部下にとっては上司が普段から「見てくれているという感覚」が大事であると言っています。学校の先生はわかると思いますが,普段何も担当してない児童生徒って指導が通りにくいじゃないですか。これはかなり単純接触効果に近いものがあると感じます。

終わり。

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