大家族への憧れと現実


私は昔から大家族のテレビ番組が大好きだった。


子供の頃に見ていた時は、兄弟がたくさんいて毎日楽しそうだなと思って見ていたし、大人になり自分が母になってからは、大家族のお母さんを尊敬の眼差しで見ていた。


自分が子供を産むまでは、「子供はたくさん欲しいな」なんて思っていたが、結婚して最初に妊娠した子供を私は流産した。


初めての妊娠に浮かれていた私に突きつけられた現実は辛いものだった。
何度も病院に行き、何度診てもらっても成長していない赤ちゃんと聞けることの無い心拍。
「めずらしい事ではないんですよ」なんて言ってくれる先生の言葉もなぐさめにならないほど落ち込み、家に帰ってからひたすら泣いていた。



それから半年後妊娠がわかった。



また流産だった。



2回も続くことがあるんだな。
周りの人達は妊娠したら出産して、かわいい赤ちゃんを抱っこしているのに、どうして私はダメなんだろう。

それから約1年後、3回目の妊娠がわかった。
不安で不安でたまらなかったが、無事出産することが出来た。


子供が大きくなってくると2人目を考えるようになった。
1度出産できたという事で、私の中で「あの2回の流産はきっと偶然だったんだろうな」と思うようになっていた。


子供が3歳になってすぐ、私は4回目の妊娠をした。
病院へ行き、赤ちゃんと心拍も確認できたが、その後の成長はなく心拍も無くなり、3度目の流産をした。


手術が終わりベッドの上で目を覚ました時、悲しくて悲しくてお腹を擦りながら涙が止まらなかった。


どうして私だけ
どうして私だけ
どうして私だけ


先生は「理由を調べるため赤ちゃんを検査しますか?」と言ってくれたけど断った。
また偶然が重なっただけだろうと思っていたから。



その後5回目の妊娠がわかった。


また流産だった。


先生は「不育症の検査を受けてみませんか」と言った。
何度も流産していると自然と検索魔になり、嫌でも目に入ってくる「不育症」と言う言葉。
自分でも薄々そうじゃないかなとは感じていたが、不育症は検査をしてもはっきりとした原因が分からない事のほうが多いとも言われていたので迷っていた。


でもやっぱり2人目の子供が欲しい。
検査をしたら何か道が開けるかもしれない。
そう思い、夫婦で不育症検査を受けることになった。


結果は、はっきりとした原因が見つかった。
私は不育症と診断された。



そして治療法は何も無かった。



不育症という現実を目の当たりにして、私の中で次の妊娠が怖くなっていた。


亡くなってしまう可能性が高いとわかっていながら妊娠してもいいのだろうか


亡くなってしまう赤ちゃんに苦しい思いをさせているんじゃないだろうか


考えれば考える程きりがなかった


夫婦で話し合った結果

「次の妊娠で流産してしまったら2人目は諦めよう」

と決めた。



そんな覚悟を決めた不安いっぱいの私たちの元に、思っていたよりも早く2人目の子供はやってきてくれた。



不育症と診断された私だったが、2人も子供を授かることが出来たことは奇跡だった。



と、ここまでで終わる所だったが、我が家には3人子供がいる。


3人?


3人目はと言うと…


2人目を出産した後、初めての妊娠だったのだ。


不育症ではあるけども、順調に出産まで迎える事ができ、3人の子供に恵まれる事は本当に奇跡なんだなと思った。




私には3人の子供がいる。


私には7人の子供がいる。


どちらも私に変わりない。


産まれて来れなかった子供たちも出産予定日だった日を誕生日として、毎年心の中でお祝いしている。


7人の子供達

ママをママにさせてくれてありがとう

子供がたくさん欲しいと言う願いを叶えてくれてありがとう


我が家は、パパとママと子供7人
9人の大家族です!














 






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