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今こそ資本主義の話をしよう

「資本主義」

それは僕らが暮らしている世界の大半において、前提であり、ルールだと思う。少なくとも生きていくうえで無視できないもの。
でも、最近その「資本主義」という前提・ルールに対する違和感や限界を感じることも多いのではないだろうか。
このnoteでは、特に結論や答えのようなものは書いていない。
ただ、最近なんとなく感じている資本主義の限界みたいなものが、なになのか、自分の頭の整理をしたうえで、これから考えてみたいことを洗い出してみた。

資本主義の構造とルール

ざっくりではあるが、資本主義の構造とルールについて考えてみた。

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資本主義において資本家は、自分が持っている原料、設備、労働力を使って商品・サービスを生み出し、それを売ってお金を得る。そして、商品・サービスを売って得たお金で、さらに原料や設備、労働力といった資本を手に入れている。(僕のような労働力は、資本家からお給料をもらって、自分の生活を維持するために商品・サービスを購入している)

資本主義の前提条件

この世界では、自分の持っている資本を維持するためにも絶えず資本の最大化に向かって活動し続けなければならない。何もしなければ、すぐに自分が持っている資本の価値が下がってしまうし、他の資本家から自分の資本を丸ごと買われる可能性があるからだ。資本主義の世界において、活動の目的は資本の最大化であり、すべての資本の価値が「お金」で評価され、評価に見合ったお金を払えば資本を買うことができる。

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資本家が考える合理性

このような構造とルールがある世界では、どのように行動するのが合理的なのだろうか。「資本を増やす」ことを目的としたとき、その方法は外から新しい資本を手に入れるか、自分が持っている資本で新しい資本を作るか、の2通りある。そしてより安く新しい資本を手に入れ、より効率よく新しい資本を作ることが合理的になるだろう。

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うまくいったこと・見えてきた限界

こうしたルールの中で、合理的な活動を続けることにより社会で流通する資本の総量は格段に増えた。多くの労働力が生まれ、給料という形でお金が人々のもとにわたることになった。多くの商品・サービスが安価に提供され、人々の生活水準が向上した。資本主義というルールのなかで、資本の最大化を目的に活動することでポジティブなことがたくさん生まれた。

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では、これまで通りの活動を続けていけば、生活水水準は向上し続けるのだろうか。社会にとってポジティブなことが生まれ続けるのだろうか。
僕は、そうとも言えない気がしている。「資本主義の構造」の中で整理した4つの資本に限定してみても以下のような問題を耳にすることが増えてきたし、ここ数年はそれらの問題を解決するためのビジネスが盛んにメディアに取り上げられている。
・原料:過剰な原料調達による環境破壊
・設備:分業化・グローバル化による非常事態への対応力低下
・労働力:低賃金労働、過労など
・商品・サービス:選択肢が多すぎて自分にとって最適なものがわからない

これまでは、このまま成長を続ければうまくいく、豊かになれると信じてきたけれど、なんとなくこのままでいいのかな、という違和感を多くの人が感じているのではないだろうか。
そして、こうした違和感は大きく次の2つに帰結するのではないか、と僕は考えている。

・資本の最大化 が目的になるのか
・資本の価値は お金 でしか評価できないのか

結構、この2つの問いは大きくて、答えを見つけるのも大変かもしれない。
なぜなら、冒頭で整理した資本主義の前提条件そのものだからだ。
でも、こんな時代だからこそ、この違和感を胸にこれからの世界を考えていってもいいのではないだろうか。この文章を書いていて、今頭の中にあるのは以下のようなこと。
・新型コロナウィルスは資本主義の何に影響を与えたのか
・資本主義的な合理性を無視した力には何があるのか
(今回のコロナウィルスもその力のひとつではないか)


といった感じで、今回のnoteはおしまいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

#コラム #ビジネス #考え方 #哲学

ノートを読んでいただきありがとうございます。