術後7日目:些細なことで主治医を信頼
手術の翌日から、主治医の指示で理学療法士さんからのリハビリを毎日受けていました。術後7日目には、病院内であれば普通に動くことができるようになりました。
身体が元気になってくると、ますます退屈度は増していきます。そして、病院という限られた空間にいると、息が詰まりそうでした。
前日、理学療法士さんと一緒に病院の屋上までリハビリで行きました。術後7目の朝は、私ひとりで行ってみることに。
屋上のドアを開け、外の空気に触れると、心が解放されていくのがわかりました。キラキラと眩しく光る朝陽に当たることが、こんなにも気持ち良いものかと少し感動したりしながら、屋上でしばらく過ごしていました。
屋上で外の空気を満喫した私は、病棟へ戻るために再び先ほど開けたドアを開けました。
すると、回診のために看護師さんや作業療法士さんなどの5~6人のスタッフさんに出会いました。
私「おはようございます。」
スタッフさんたち「おはようございます。」
男性 「あっ、おはらんさん。おはよう。お散歩?」
私 「?」
よく見ると主治医の先生でした。
私「おはようございます。そうです。お散歩をしに屋上まできました。」
主治医「外の空気は気持ち良かった?」
私「はい。」
主治医「それは、良かったね。今日の様子を見て、明日、ドレーンを外そうと思っているから、もうしばらく我慢してね。」
ドレーンが抜ける外してくれるというのは嬉しい。
それ以上に私が嬉しかったのは、主治医の先生が、病室以外で見かけた患者の名前を覚えてくれていたということです。
病室には、カルテを確認してから来ていることでしょうから、患者の名前は言えるでしょう。けれど、病室以外で見かけた患者の名前をとっさに言えるのは、ハードルが高いと感じていたからです。
あくまでも私の考えですが、多くの患者さんを受け持つお医者さんは、病状は覚えていても、個々の患者の名前までしっかりと把握していないと思っていたからです。しかも、入院期間も短い中で、患者さんの名前を覚えるのは大変なことです。
それをサラリとこなして、名前で呼んでくれた私の主治医はすごいなぁと純粋に思ったのです。
たかが名前を呼ばれただけのことですが、こんな小っちゃなことで、患者は主治医の先生への信頼度が増すものなのです。とにかく、名前でもらえたことが嬉しかった日です。
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