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シルクロード day6 砂漠の城塞都市ヒヴァ

19時のヌクス。
段々と薄暗くなっていく中、結局この街に泊まるかと半分諦めムードの中悩んでると突如救いの手が。

最後のシェアタクが出現。

このままウルゲンチ経由でヒヴァに向かうとのこと。行けてもウルゲンチと思ってた身、いきなりヒヴァまで行けると聞けば、乗らない訳にはいかない。既にスロバキア人と別の日本人も乗車しており即決。

ただこのシェアタク、一向に進まない。
なぜか家に戻り、荷台に絨毯をたらふく詰め出す。次々に入ってくる圧倒的な布の量に呆気に取られる乗客たち。
そして最後にはドライバーの知人がなんとか残された隙間に入り込む。
いざ走り出したら5分で給油スタートだし、結局ヌクス市内を出たのは20時前。ここからヒヴァまで最低2時間なので着く頃には真っ暗だろう。

ウルゲンチまでは街灯のない砂漠の中をひたすらに東に抜けていくが、ここも通行量は結構あるため、あまり風情はない。むしろ巨大トラックが超スピードですれ違うため怖い。

座る左側の車窓から見える北の空には、星々が輝いている。巻き上げられる砂塵のためか、ヒマラヤで見たような全周天然プラネタリウムまでとはいかないが、それでも綺麗。カシオペア座がよく輝いており、北極星を見つけてからは今自分がどの方角に向かっているかを確かめて暇を潰す。

砂漠で北極星の位置から方角割り出して喜びに浸るって原始人ではないか。

ウルゲンチ経由でヒヴァに到着したのは23時前。閉店作業中のレストランに無理いって入り、晩飯を掻き込む。そのまま見繕った宿に突入して就寝。

↑中央アジアのうどんことラグマン

久々のゆっくり起床。最高やね。
本日は丸々ヒヴァだ。

かつてのヒヴァ=ハン国の首都であり、アムダリヤ川の水流に支えられてきた本物のオアシス都市であるヒヴァは、二重の城壁に囲まれた街。外城壁は今じゃどこに消えたの?だが内城壁は健在。この内城壁の中こそがイチャンカラと呼ばれるヒヴァのメインスポット。
城壁に囲まれたイチャンカラはRPGの世界。城外とは千年の時間差があるようにも思える。東西南北四箇所に門があり、西門と東門を結ぶストリートと南東部にある大ミナレット付近が観光客のよく通るルート。メインストリートを一周するだけなら30分もかからないだろう。
逆に言えば北門や南門付近は観光客ほぼおらず、未だに昔ながらの住宅街が広がっており、完全に地元民の生活圏。
道一本挟んだだけでここまで変わる街というのも珍しい。
ちなみに宿さん、このイチャンカラの中にあるという超絶ロケーション。世界遺産に泊まるってのをまたやってしまった。 後述のカルタミノルまで徒歩1分だ。

ちなみにめちゃくちゃ暑い。
真昼間の外出は自殺行為だろう。
ビシュケクの感じで来ると即死必須。

まず西門に赴き共通入場券を購入。見所はこれがないと入れないので課金しようね。
なお入場券はいくつか種類がある。ミナレットと城壁に登りたければVIPチケットが必要だ。
その金額、300000スムでノーマル入場券の1.5倍。なんだかんだ課金式なのぶっ飛ばしたい。

西門を入ってすぐ右手には青タイルで装飾されたカルタミノルが出てくる。これは未完成のミナレットで、もし完成していたなら100mを超えたらしい。事実基礎部の直径が15mもあるのでありえただろうが、結局現在の高さはたった26m。内部に入ることもできないしなんとも情けない建物だ。

↑カルタミノル。色合いのせいか実際よりも高く感じる

カルタミノルの反対側にはクフリアルクがある。イチャンカラの中にあるもう一つの城といった感じで、内部にはモスクもあるが、ここが重要なのは城壁に登ることができる点。もちろんVIPチケットユーザー限定。

↑クフリアルクよりイチャンカラを

そのままメインストリートを進むと多柱式建築のジュマモスクが。200本を超える木柱に支えられている珍しいモスクだ。木柱は一番古いものだと、あのチンギスハンに滅ぼされたホラズム帝国のものになるらしい。このモスクにもミナレットが併設されているがこちらも入れない。情けないぞ。

↑ジュマモスクのミナレット。登れないダメなやつ

このジュマモスクを右に曲がり直進、突き当たりを左折するとヒヴァで一番シルクロード 臭が漂う通りが出現。奥にはイスラームホジャメドレセとシンボルの大ミナレットが建っている。高さ45mを誇るヒヴァ最大の建造物は鮮やかな色タイルを身にまもい、街のどこからでも目視することができる。

↑大ミナレット。登れる素晴らしいやつ

そしてこのミナレット、VIPチケット所持者登ることができる。上部から眺めるイチャンカラはディズニーシーのアラビアンコーストそのもの。他に高い建物もないので遥か彼方まで見渡すことができる。ただ所詮は窓なので展望台みたく全周を見れるわけではない。
また階段が急の極みand狭いにも程があるので昇降には注意が必要。僕が登る時にはデb…フクヨカな白人マダムが階段内で詰まっていたので渋滞が起きていた。

↑大ミナレットから眺めるヒヴァ旧市街

ミナレットを降りた後は東門の方に向かう。こちらの方にはアラクリハンメドレセやクトゥルムラドイナックメドレセといったこちらも青タイルが美しいイスラム建築群が出現。
が、ぶっちゃけ全部長ったらしい名前やし外見もあまり変わらないので違いが分からない。デッカくて綺麗な建物がいっぱい。これでいいのだ。
ただ土産屋はヒヴァ全域に散らばっているが、東門付近には比較的密集している。かつてキャラバンサライが置かれていた影響かは不明だが、かつてのバザールの名残を見てみたいならこの東門付近がオススメだ。

一旦宿に戻り食事を取る。この宿、有料とはいえ飯を出してくれる(しかも大盛かつ美味い)神のような宿だ。ウズベキスタンの伝統料理をいただくが、やはりこのあたりの料理は日本人の口に合う。出汁が効いてるというか。
とりあえず胡椒ぶっかけたらなんとかなると思っている某国家群は反省してもらいものだ。 あと意外にもシルクロードはスイカやメロンが特産品。瑞々しく甘くジューシーだ。

↑シルクロード特産品メロン。日本のより白い?

夕陽を見るために再度クフナアルクへ。同じ事を考えている観光客で城壁の上はごった返している。よく見ると北側の城壁にも人がいる。噂では北門横に城壁に登れる場所があるらしいので後で確認しよう。

何十人もの観光客と共に夕陽を眺めようとするも、よく考えればここは西門の傍。つまりイチャンカラに沈む太陽は見ることができないのだ。
事実太陽は全く歴史を感じさせないチンケなイルミが付いているホテルに沈んでいった。

↑シルクロードに沈む夕陽(エモそうだがこの下にはイルミ付きのホテル)

なんとも言えない気持ちになりながら城壁から降り、再度夜の帳が下りたイチャンカラを散策。メインスポットがライトアップされ出してとても綺麗だ。
そのまま街の北側へ。一本入る一気に観光地感がなくなるのもこの街の面白い所。街灯もなく真っ暗な中を現地の子供達が走り抜けていく。

↑右側ジュマモスク、左側ホジャメドレセのミナレット

街が小さいのでメインストリートからはゆっくり歩いても10分かからずに北門に到着。たしかに左手、つまり西側のみ城壁に上がれる階段がある。
しかも無料。

おいVIPチケット。

ただ電灯も柵も何もないので夜歩くのはとても危険だろう。足踏み外したらシルクロード の大地の一部になりかねない。

とりあえずこの北門の階段から西側の城壁まで行けるのが判明したので明日の日の出はここから見ようと思う。

#ウズベキスタン #ヒヴァ #シルクロード #一人旅 #バックパッカー #海外旅行 #日記 #エッセイ

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