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友寄隆哉の番外編講義:Vol.3:ミュージシャン的考え方とバンドマン的考え方の違い(芸能の世界)

*冒頭の営業妨害の警告文にあたる、ウク〇イナに関しては、一切、触れておりません!

近年、一体、いつ頃からなのか、”バンドマン”という名称が、バンド活動をしているロック系の若者の名称となっています。

「オレ、バンドマンだからさあ」とか、「私の彼氏、バンドマンなの」と言った使い方です。

これに気づいたのが、2000年頃でした。

なぜ、私が、驚いたのか、と言うと、私の世代(1959年生~)までは、”バンドマン”は、蔑視用語です。

ポジティブ(肯定的)なイメージではなく、ネガティブ(否定的)なイメージだったからです。

しかし、バンドマン(BAND MAN)は、和製英語。

英語にも”BAN MAN”という言い方はあるようですが、これは、吹奏楽の楽員の意味であったりします。

そうしたブラスバンド部系の雑誌に”BAND PEOPLE"という名前がありましたが、楽団員、軍楽隊のような名称でしょう。
英語的には、オレは、バンドマンだ!という訳は、”I'm a musician"や、”I'm a member of the band(オレは、このバンドのメンバーだ!”という言い方が正しいでしょう。

しかし、ただ、” BAND MAN"と言うだけでは、ロックバンドや、音楽関係のバンドをやっている人間には、なりません。

この事は、ある合唱系の人、コーラス担当の女性が、イギリス人牧師に、「コーラスの仕事をしています」は、英語で何と言いますか?と聞いたら、「コーラス隊というのはない。それは、singer(歌手)でいい!」と言われ、不満顔でした。

日本人には、シンガーと言うと、堂々と一人で歌っている人のイメージなので、バックでコーラスしているだけの自分を”シンガー”と言うのに違和感があったのでしょう。

”バンドマン”とは言えるけど、”ミュージシャン(musician)”とは言えない、という感じにも共通した自己卑下の謙遜かもしれません。

しかし、私自身は、この”バンドマン”と”ミュージシャン”とは、明確な区別をしていますし、本人が、いくら”自分はミュージシャンだ”と言っていても、私自身が、”いや、君はバンドマンだ”と訂正しています。

もちろん、その逆もあります。

昔のミュージシャンは、自分を謙遜して”バンドマン”と自称していたわけです。
しかも、謙遜からさらに自己卑下し、”バンドマン”という言葉をバンドマン用語の逆さ言葉にし、”ドンバー”と言っていました。

もちろん、これは、自己卑下、謙遜の一種ですから、他人から、「あなたは、バンドマンですか?」とか、「あなたは、ドンバーですね?」というのは、失礼になります。自分から言う分には、いいわけです。

こうした用語の”バンドマン”が、近年の若い世代では、かっこいい言葉として使われている、というので、違和感を感じるわけです。

しかし、今回は、こうした違和感を抜きにして、世の中には、”バンドマン的考え方”と”ミュージシャン的考え方”がある、という事を解説します。

二大派閥?とも言えるくらいです。

私の査定?では、自分は、ミュージシャンだと思っている大半は、”バンドマン”だと思っています。

謙遜して、自分を”ドンバーです!”と言っているミュージシャンではありません。

また、これは、音楽に限らず、こうした代表的な二つの考え方の人間が常に存在しています。

これは、音楽の世界に特定したように見えますが、実は、どんな職業にも存在し、両者が対立?している、というのが、私の分析です。

今回は、この話をしましょう。

芸能界に生きる人間の二つのタイプ、と言ってもいいでしょう。


1:バンドマン誕生の世界

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私にもし時間があれば、これまでのように音楽作品を創造したり執筆する時間が作れます。時間はお金です。両方なければ、ただただ毎日をサトウキビ畑でbluesを口ずさみながら働くしかありません。そうして来たのですが、自分の年齢を忘れてました!😱 サポートお願いします🙇‍♂️