多福

50前の主婦|3人家族=旅好き夫・風変わりな小4息子|田舎の築30年賃貸マンション=毎…

多福

50前の主婦|3人家族=旅好き夫・風変わりな小4息子|田舎の築30年賃貸マンション=毎日同じ=なおざり|根っからの出不精=2023.4からnote開始|かつお節=好き

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【1ミリのすきまエッセイ】仙人の教え①「スキの数を気にするなかれ」

スキが多いと、その記事は評価されている。 スキが多いと、その記事は支持されている。 スキが多いと、その記事には才能がある。 スキが多いと、その記事を読むきっかけを読者に与えている。 スキが多いと、その記事は人気者である。 スキが多いと、その記事は価値がある。 スキが多いと、その記事は納得を提供する。 スキが多いと、その記事は共感を呼ぶ。 スキが多いと、その記事は世間に認められている。 世間に認められている。 世間に認められている。 あぁ。 私は「世間に

    • 【毎日が400字】家族全員コロナ感染(その3)

      明け方、トイレを覗く。 息子の嘔吐。 なにーーーっ。 昨日からお茶しか口にしていなかった息子は、苦しそうに胃液だけを吐き続けた。 こ、これは重症化かも。 息子は3歳のときにノロウイルスに感染し、低血糖と脱水症状で意識不明になり入院した過去をもつ。 あのときの悪夢再来かっ。 不安になりながらも、本人が「吐いたら少し楽になった」と言うので、しばらく様子をみることにした。 ぐえっ、という異様な音を発しながら、嘔吐を繰り返す息子を見るのは辛い。 顔色は青白く、唇はプ

      • 【毎日が400字】家族全員コロナ感染(その2)

        とうとう一番懸念していたことが現実に。 今日から息子の療養日カウントがスタートする。 お前、うちの息子にまで感染って、どうしてくれるんだよっ。 と、夫に一言いいたい。 そんな夫は、あんこたっぷり、バターたっぷりのあんバタートーストをひとりゆっくりと食していた。 コーヒー豆を挽きながら。 くそがっ。 口が悪いのは重々承知の上、心で叫ぶ。 うなされる。 ガンガングラグラの頭痛にずっとうなされ続けている。 息子の様子に大きな変化はなく、咳ひとつしない。 お茶を

        • 【毎日が400字】家族全員コロナ感染(その1)

          すべてはココから始まった。 「天気もいいし、春休み後半、母さんとふたりで楽しもうぜっ。」 そんな「たわごと」、今思うと懐かしい。 春休みも新年度も新学期も、すべてが台無し。 いつもの生活、突然壊されます。 遂に遂に、わが家にもヤツがやって来た。 ここでやっと、全員マスクを着用する。 家中の消毒をかき集める。 スプレー置き型1個、手持ち霧吹き型1本、携帯用スプレー型4本、除菌ウエットティッシュ2袋。 夫は寝室で隔離、食事抜きでひたすら寝る(葛根湯を服用)。

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        【1ミリのすきまエッセイ】仙人の教え①「スキの数を気にするなかれ」

          【毎日が400字】春休みの手伝い

          本当に何もしない春休み中の息子に腹が立ったので、晩ご飯は彼の苦手な魚にしてみる。 鯖の骨を抜け。 そんな指令を出すと、コツをつかんだのかスイスイと抜いていく。 はじめは、「100均の骨抜き」で申し訳ないと思っていたが、 途中から、「ちゃんとした道具」だったら、どんなに速かったのだろうかと、正直ひいた。 やればできるやん。 と言ってはみたものの、私より遥かに手際よくやってのけた。 そして、晩ご飯がやってきた。 食べやすいなぁ、と言い放ち完食した。 一回、骨抜き

          【毎日が400字】春休みの手伝い

          【毎日が400字】パソコン開くとそこは居酒屋

          とりあえず(1)。 とりあえず(2)。 昨日は34の「とあえず」がいた。 そして今日は58の「とあいえず」が。 商売繁盛。 千客万来。 円安で物価高が続く昨今。 なぜか、お客は増え続けている。 試しに、とりあえず(1)の個室を覗いてみると、中には「とりあえず(1)ー1,とりあえず(1)-2・・と19のお客でいっぱいだった。 居酒屋ではなく、パソコン。 個室ではなく、フォルダ。 お客ではなく、ファイル。 2日前から、すべてのフォルダやファイル名が「とりあえ

          【毎日が400字】パソコン開くとそこは居酒屋

          【3行日記】春休みの昼ごはん

          ラーメン、うどん、チャーハン、親子丼、コロッケパン、お好み焼き、ナポリタン、焼きそば、蕎麦、ピザ、ざるラーメン。 日本には主食がいっぱいあって非常に助かる。 最初の「ラーメン」と最後の「ざるラーメン」は別物として、うちではカウントをしている。

          【3行日記】春休みの昼ごはん

          【毎日が400字】クソババアと言われようとも

          以前にも書きましたが。 クソババア、むこう行けっ。 小4息子がこんなことを言うようになりまして。 パジャマのボタン、直しといたろ。 クソババア、老眼で針穴に糸通し。 布団カバーとシーツも洗といたろ。 クソババア、大物洗濯に取りかかる。 ランドセルの中、整理したろ。 クソババア、鉛筆6本削る。 アウターを春物にかえといたろ。 クソババア、ウェザーニュースを見る。 破れたスリッパ、新しい物にしといたろ。 クソババア、奮発する。 ババアだけでも十分なのに、その上クソ

          【毎日が400字】クソババアと言われようとも

          【毎日が400字】頑張るポンコツさんを全力で応援したい

          頑張っている姿は共感をよぶ。 特に、不器用な人が失敗を繰り返しながらも物事を成し遂げていく様は感動する。 その奮闘ぶりが大好きだ。 この世に自分よりできない人がいることへの安心感や優越感ではない。 何事にも尻込みする自分を励ましてもらい、勇気をいただいている。 自分を過度に卑下することを軽減していただいている。 ともに頑張りたいと孤独を脱し、自分もできるのでは、とやる気をいただく。 YouTubeでお見かけする、 自称ポンコツパート主婦さん、 節約のために残

          【毎日が400字】頑張るポンコツさんを全力で応援したい

          【毎日が400字】20年ぶり、夫からのメッセージ

          3月15日の朝、トイレのホワイトボードにメッセージがあった。 ? 夫か、息子か。 50歳か、10歳か。 文章といい、字といい、10歳の方が妥当と思われたが、10歳の方からは14日に折り紙をもらったという事実があった。 よって、消去法により50歳の方となる。 寝起きの夫に確認すると、やはりそうだった。 そんなことを気にする人だったのか。 こんなに字が下手だったのか。 今年のホワイトデーは、20年間気づかなかった夫の一面を見た。 字を書くことも、文章を書くこと

          【毎日が400字】20年ぶり、夫からのメッセージ

          【毎日が400字】子育てと釈迦

          小4息子に反抗期がおとずれ始めた。 あんなに、ヨチヨチだったのに。 あんなに、コロコロだったのに。 あんなに、キャッキャ、キャッキャはしゃいでいたのに。 あんなに、すり寄ってきていたのに。 「かか」、「おかぁ」、「おかぁしゃん」、「おかあさん」、「母さん」だったのに。 むこう行けっ。 うっさい。 おまえがやれ。 こんなん、いうようになりました。 成長は尊くて、惨い。 私が母に与えた惨さと同じものが、今から私に襲いかかるのかと思うと気が重い。 目には目を

          【毎日が400字】子育てと釈迦

          【毎日が400字】アホでよかったと思えた日

          ASDの息子は集団を嫌う。 学校は仕方がないとしても、自らその環境に身を置くことはない。 そんな息子は塾へは行かず、家でスタサプをしている。 入門、基礎を終え、先週から応用問題の授業を受けている。 先生が変わり、その口調がコマーシャルに出てくる人気講師にそっくりで驚いた。 「ザ・受験」の雰囲気がPC画面から伝わってくる。 うちには関係ないが、いくらやっても料金は同じなのだから、という理由だけでそのスパルタ授業を受けている。 まぁ、これがムズイ、ムズイ。 小4っ

          【毎日が400字】アホでよかったと思えた日

          【毎日が400字】時間の感覚を狂わせる立ち話

          女子同士のおしゃべりは、年齢に関係なくよく見かける。 それが一番盛り上がるのが「立ち話」である。 ちょっとのつもりが、あら2時間半。 当人の感覚は(嘘だろっとお思いかもしれないが)30~40分もない。 話が尽きたら「またね」と別れる。 そう思うと、次から次へと話題が湧いてくる。 頭が冴える、冴える。 その上、話の聞き方や相槌を打つタイミングなど、完璧に近いコミュニケーション術を繰り広げられる。 まったく無駄がない。 本当にどうしてこれが他で生かせないのだろう

          【毎日が400字】時間の感覚を狂わせる立ち話

          【毎日が400字】運が良ければ、透明人間が手伝ってくれるかもしれない

          分担とは、 負担とは、 家庭によって、やり方や考え方の違いがあり、家事や育児に対して同じ感覚をもつのは難しい。 そもそも、違う家庭で育った他人の伴侶に、自分と同じ価値観で物事を任せるのは、はなから無謀な挑戦でもある。 そう思えるようになったのは、「実母の死」と「わが子の誕生」がきっかけだった。 母の死を受け入れられない日々が続いていた中、結婚7年目にして待望の第一子を授かった。 母に会わせてあげられない悔しさと虚しさを感じながら、私の遅い育児がスタートする。 子

          【毎日が400字】運が良ければ、透明人間が手伝ってくれるかもしれない

          【毎日が400字】選択エネルギーの節約

          ワイシャツは5枚。 ネクタイは30本。 (元教員だった私の父の形見でもらったため、やたらネクタイだけは多い。) 今年に入ってから、毎日同じネクタイをするようになった夫。 時間の節約、だと言う。 無いなら話は別だが、30本もあるのにもったいないと、 前日にワイシャツとネクタイを私がセットすることにした。 生まれて初めてのネクタイ選びは、青系、茶系、オレンジ系、グレー系と意外と迷う。 しかし最近は、30本もあるのに何故かいつも同じものを選んでいるような錯覚に陥る。

          【毎日が400字】選択エネルギーの節約

          【毎日が400字】つまらないことが思い出になる

          「あららららぁ」。 庭先で母が愛犬ゴンのお腹を見て言った。 私が年長のときに父が拾ってきた雑種のゴンは、全くもって愛想がない犬だったが、ご飯をくれる母には一番なついていた。 そんなゴンのお腹に、直径3センチ程の大きなオデキが突如現れた。 毛の少ないお腹の色と同じ淡いピンク色をしている。 触ろうとすると、ウゥーっと低い声で威嚇してきた。 「ずっと舐めてる」。 心配そうに姉が言う。 「痛みを和らげてるのかしら」。 母も顔を曇らせた。 3日たってもそのオデキはき

          【毎日が400字】つまらないことが思い出になる