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『睡り』

夜の河に
星を流す
有無を超えて
輝石光る

物語の始まりと終わりは
同時発生し、背中合わせに
語り部が手繰る糸車の速度に合わせ
紡ぎ、紡がれ
微かな単音を奏で
積み重ねていく

夜の河に
星を流す
有無を超えて
輝石光る

本初子午線を目蓋が一跨ぎする頃
ひとつ、あるいは無数に
物語は菌糸が伸びゆく様に
光も。影も。絵も。字も。
包み込んで
音を遺す

耳を澄ます
口を閉ざす
鼓動、脈動
耳を澄ます
口を閉ざす
心音、胎動

夜の河に
星を流す
無垢を添えて
命宿る

『睡り』

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