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【言語習得への道】マルチリンガルになるってどうゆうこと~多言語習得のメリット〜


※この記事は2023年4月上旬に書き下ろしたものです。


みなさんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです。

花粉の季節も終わりに差し掛かり、満開の桜も終わりを告げた日本。僕が次に向かうチャドという国の出発を待つ中で、チャドは春らしい気候、40度だよ と連絡をもらい、今年も僕らしい夏がくるなぁなんて考えている今日この頃。
これから行くチャドのミッションはフランス語とアラビア語。2022年の自分からまた更にUpdateできそうだなと、希望というよりは憂鬱にも近い気持ちでまだまだ言語習得の道のりは長く気長に付き合っていこうと改めて思っています。
今回の投稿は以前に僕が受けた多言語に関するインタビューと多言語習得に頑張る友人の姿や言葉から僕なりに感じ考える「多言語を習得することのメリット」について書いてみようと思います。


はじめはみんな初心者
学生時代、英語も国語も成績が悪く(どちらも5段階中2でした)、日本語以外の言語は「ど」が付くほど素人だった僕は、2014年から本格的に英語学習をはじめ、2023年の現在では、英語とフランス語で仕事ができるようにまでなった。わかりやすくレベルを提示すると英語はCEFR B2(2019以降受けてない)、フランス語CEFR B2(03.2023)。次なる目標はアラビア語(A1 01.2023)で仕事ができるようになる。そこに向かって走っている最中だ。

そんな僕は、以前ハイチで初めてのフランス語での活動中にこんなインタビューを受けたことがある。

英語以外にフランス語で仕事をするようになって、よかったことはあるか

インビューを受けた当時は、フランス語での生活に必死で、多言語で仕事ができることで よかった と思うことがこれっぽっちも見つからず、うまく伝えられなかった思い出だけが僕の中に残っていた。

フランス語で働けるようになってよかったこと。
ちょっと強引に言い換えるなら 多言語が喋れるメリット とは何か。

僕がマルチリンガルになる理由
なぜ、僕はマルチリンガルを目指しているのか。少し紹介したいと思う。

①僕のいる環境
環境にこだわると人間は変わる。自分の中の今までの当たり前が変わる。
以前にも紹介したことがあるが、僕の周りには、母国語以外に英語、仏語、アラビア語、スペイン語を当たり前に話す人たちがいる。
はじめまして、君は何語をしゃべるの?OK、じゃあこの言葉で話そう。
そんな気遣いが自己紹介の後に繰り広げられる。
そんな環境にいると僕は思う。英語で満足している場合じゃない。英仏ができることが特別なことではない。母国語以外の学習のタイミングは人それぞれだが、僕の周りのスタンダードが僕を押し上げる。自然な発想だ。

②未来のキャリアの可能性を広げる
なぜ学生は勉強するのか。学校の成績は大切か。
僕なりの答えは、それが全てはないがとても大事だと思う。
なぜなら、できるか、できないかで選べる未来が確実に変わる。

決して学業成績がいい人が正義で、それ以外が悪と言いたいわけではない。
あくまで、自分自身がコントロールできる部分で、自分の可能性を広げてほしいという想いを込めている。
例えば、医者になりたいけど、学力が足りなくてなれない。
学業成績がいい人は、100校から進学校を選べる。成績が思わしくない人は進学校を30校から選ぶ。成績が高い人の方が選択肢と可能性が多いのは、日本でもほかの国でも多く見られる社会構図だ。今はそうゆう社会。その社会に対して何か物申したいとかそんな気はさらさらない。僕自身の立ち位置はそうゆうもんだと思っているだけだ。それ以上も以下でもない。

言語に話を戻そう。
僕が仮に、今後WHOやUNに行きたいと思ったとしよう。
公用語は、英、仏、アラビア語。修士や博士課程は、お金と時間を作れば後からでも取れる。言語はその時だけでは身につかない。人生の残りの時間、僕があと何年パフォーマンスを出せるかわからないが、ずっとではないことは知っている。言語が喋れるということは、初動の一歩も僕の可能性も大きく広げてくれるツールになる。
言語のすべてに完璧である必要はない。ただ、可能な限りできる状態でいること。それが自分の未来を作る。
選べる選択肢、働ける場所、入れるチームや活動の幅が全く違ってくる。
言語習得には時間がかかる。その上、僕が第二言語以降でネイティブになることはあり得ない。だが、マルチリンガルになることは不可能ではない。
僕自身の未来の可能性を、自らの手で広げる。
自身で築き上げた可能性の中から、その都度僕の意思でやりたいことを選択していけばいい。
僕の将来、世界で働くことが出来る人道支援家が、カフェで働いたっていい。クリーニング屋をしたっていい。家を作ったっていい。それがその時の僕のしたいことであれば。WHOやUNにチャレンジすることも選択肢を作ることができたのならチャレンジすればいい。
限られた選択肢から選ぶこと と、自分が作った数ある選択肢から選ぶことは見える世界が全く違う。
僕は後者でありたい。だから、言語習得に僕の人生の時間を使う。

選択肢は、知ることで増やすことができる。
選択肢は、自分に出来ることが増えれば、増やすことができる。
選択肢が増えれば、可能性が広がる。
それは必ず自分に返ってくる。
収穫の時期がいつになるかはわからない。
収穫時期が見えないことが、不安でしょうがないのも知っている。
本当に達成できるのか、この道であっているのか、正解とは何か。
この道であっているかなんて、自分でなってから証明すればいい。
この道が正解かどうか確かめたいのなら、さっさと成し遂げて正解だったと後から自分に言ってやればいい。
不安なら、一人で頑張らなくていい。
仲間と共に自分の可能性の為に 焦らず 少しづつ 進む。
伝えたい思いは尽きないが、シンプルに僕は、
チャレンジする人たちの応援団長でありたいと思っている。


友人のヒデが言語習得をする理由
ここまで、僕はがむしゃらに多言語スピーカーを目指してきた。
いざ自分がそのポジションを獲得してみて、どんなメリットが自分にあったのか、前述したようにインタビュー時は、うまく整理できていなかった。
ある日、第三言語に挑戦する友人のヒデから連絡をもらう。
その連絡の内容に強く共感し、この投稿をするきっかけにもなった。
彼の人柄と行動に僕はいつも底知れぬパワーをもらっている。この場を借りて感謝を伝えたい。

ヒデとの出会いは、長崎の熱帯医学研修所。薬剤師の彼も国際医療に興味を持ち、共に熱帯医学を学んだ仲だ。彼の成功も挫折も共にシェアしながら連絡を取り合っているいわば僕のソウルメイトである。

ヒデは現在、台湾にいる。中国語を学んでいる。
彼はそもそも「中国語をペラペラに喋れるようになりたい」という目的をもっている訳ではないそうだ。言語はあくまでも手段であり、
彼の目標は、
・家族、友達とコミュニケーションを取ること
・台湾生活を通して台湾文化を理解すること
それには中国語が必要不可欠である、ということだそうだ。

僕もいろんな国といろんな言語と文化の中で生活した経験があるから、本当に彼からのメッセージを読んだときに、強く共感し、つらかったね、よく頑張ったんだねと激励とハグを送りたい気持ちでいっぱいになった。

表には出さないけど、毎日泣きそうになりながら必死に食いしばっていた。やってもやっても全くわからなくて、もう中国語なんて喋れなくてもいいと投げ出したかった。学期の途中で学校も辞めようとも思った。
でも続けた。諦めなかった。
そしてある時、急に世界がパッと明るくなる瞬間が来た!だからキツい時に頑張って良かった!と心から思ったんだ。
僕は表情やジェスチャーのコミニュケーションが多いかな。
想いは伝わるから。

ヒデのメッセージを編集引用

わからないことを続けること。
これがどんなに大変なことかがわかる。
でもいずれわかるようになることを知っているだけで、目的地までたどり着ける確率はぐんと上がる。
彼のメッセージの後ろにある彼の苦労と言語にかける人生の時間を考えるとリスペクトを伝えずにはいられないと思うのは僕だけではないはずだ。

印象的だった仲間の言葉
更に先日、国境なき医師団の言語習得に関する説明会に参加した際、言語に関してとても印象な言葉を伝えていた仲間がいたので是非紹介させてほしい。
【国境なき医師団】いまこそ、国境を越得る力を - YouTube

彼女と直接話したのはこれが初めてだったが、彼女のあたたかいキャラクターと発する言葉の一つ一つに力があり、そんな中での彼女の一言に僕は強く共感したのだった。

彼女はいう。
「言葉ができるだけで、救える命がある」

その一言には、彼女が見てきた世界と歴史があるのだと思う。

僕は思う。
英語ができれば、フランス語ができれば、他言語ができれば、
医療者として自分が活動できる場所やプロジェクトは言語の数だけ増える。
例えばそれは、医療者の不足している国かもしれない。
例えばそれは、医者がいない場所かもしれない。
例えばそこは、たくさんの人たちが亡くなっている現状があるのかもしれない。
言語ができるだけで、僕たちはいろんな国で活動できる。いろんな局面やジレンマ、限界にぶち当たることも数えきれないほどあるが「僕たちの経験を活用し救える命がある」と僕は信じているし、実感している。
そんなことを彼女の一言から改めて思ったのだった。

ソウルメイトのヒデがいうように、長く簡単にはいかない言語習得の道。
でも、その先にはパッと開ける世界が訪れる瞬間が必ずある。
そしてそれは、必ず誰かのためになるということ。
そしてそれは、達成した人にしか知りえない世界であること。

多言語が喋るといろんな国でいろんな人たちと関われる。
いろんな世界のことを知ることができ、
仕事の選択肢が増え可能性が広がる。
そしてその先に、救える命がある。

世界中のマルチリンガルと話して気が付いた共通点
今回の投稿の最後に、僕が世界中のマルチリンガルたちと一緒に仕事する上で気付いた、そして自分自身にも起こった実体験としてマルチリンガルであることの一つの共通点を書いてみる。それは、

みんな 他人にやさしい ということ

マルチリンガルはいくつもの言語を習得する上で、伝わらないコミュニケーションの辛さと怖さを経験し、非言語コミュニケーションが飛躍的に向上しているんだと思う。そして、どんな相手に対しても理解しようと聞く姿勢がみな真剣である。
言葉を遮らず、言葉に詰まっても安心の空気を作る。発言を訂正することをせず、言語はあくまでツールであることを理解していて、意思疎通に必要なパートをよく理解している。
そしてそれは直接的に 相手への思いやり であり、
示すやさしさ なのだと、僕は思う。

マルチリンガルになって僕自身にもちょっとした変化があった。
日本で困っている外国籍の人たちをみると思考より先に瞬時に声をかけるようになったのだ。
というのも、僕が海外に行くとまず難しいなと思うのは、慣れない土地での移動。電車や地下鉄などは本当に苦労する。何番線に乗るどころか、どっちに行ったらいいかもわからない。それ以外にも連絡手段や電波の問題、問題が本当に多い。誰に助けを求めたらいいのかもわからず、困った顔に自然になるものだ。その気持ちが本当によくわかるのだ。

それ以来、駅できょろきょろしている外国籍の人がいたら僕は迷わず声を掛ける。
絶対困っているから。その気持ちがわかるから。
そして、その気持ちを受け取ったときに嬉しい気持ちになるから。

僕がもし英語が上手く話せないスタッフがいたとしても、必ず最後まで聞く。そしてその時の自分の表情に十分注意するようにしている。
僕は絶対に言っていることがわからない、という顔をしない。僕がそうされたとき辛かったから。とにかく、わからなくても最後まで聞く。そして理解しようとしていることを態度と表情で示す。
言語以外のコミュニケーションと相手への思いやり。
その中から理解ができるコミュニケーションがあることを知っているから。

最後に
多言語を習得すること

可能性が広がり、チャンスが増える

救える命が増える

人に優しくなれる

今の僕の内側の言葉をnoteに書き留める。

Best,
Tai

※投稿内容は全て個人の見解です。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます!
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また次回お会いしましょう。

✎2022年5月より✎皆さんの「知らない世界🌎」を少しでも身近に感じてもらうきっかけになったら幸いです。是非とも応援よろしくお願いします☺

みんなで応援し合える場所づくりとして「🏝Naluプロジェクト🏝」サークルを立ち上げました!また、国際看護師をサポートするSNSコミュニティ「🌏NurseTerminal✈🌎」(通称ナスタミ✈)も仲間と一緒に立ち上げています。
https://instagram.com/nurseterminal


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言語習得方法には正解はないと思う。言語習得者自身が、自身の方法を確立し成長していくこと。そのためのアイデアや僕自身の軌跡、思考に触れてもらえば嬉しい。

多言語習得に費やしている時間、目標設定方法、成長スピードとテスト結果のリアル。その他多言語での仕事にリアルを仲間たちも紹介しつつ、自分自身…

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