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教員2年目のはなし

前回の記事では高校の担任業務について書きました。当時の自分みたいに、初めて担任を持つ方だったり、教員志望の大学生や教員試験を控えている方の参考になればいいなと思います。まだまだいろんな仕事があり、書ききれないくらいです。今後、「進学校の3学年担任業務について」も書きたいと思います。

今回は少し休憩で、楽しい話を。教員2年目で初めて担任を任された私は、非常に個性的な生徒達と出会います。

01 個性爆発の生徒達

2月3月になって、去年の卒業生たちが最近学校に顔を出してくれています。今日も2人来てくれました。教員として、教え子たちが学校を訪ねてくれるのは本当にうれしいです。

経験豊富な先生方ほど多くの生徒を見てきたわけではありませんが、私が3年間担当させてもらった学年の子たちは本当に個性大爆発だったなと思いますし、今でも、様々な事件の話で盛り上がります。

授業初日から黒板消しで叩き合って、制服を真っ白にしたり、テープを与えるとそれで遊びはじめ、ロッカーをテープで開けられなくしたり、色々なところにポケモンシールを貼ってみたり、、、、本当に毎日イベントは尽きず、とてもエンターテイニングでした。勤務先の高校は別に荒れているわけでは無く、むしろ進学校なので、問題行動もほとんどない学校で、1年目に副担任で担当した学年とは全く色の違う学年であることは、3月の時点で行う入学手続きでなんとなく感じていました。大変なことは大変だったのですが、根が優しい生徒達で、悪さももちろんしますが、人を傷つけるようなことは絶対にしない子たちでした。むしろ、このくらい愉快でよかったなと思ってます。今日は色々な事件の中でも珠玉のイベントと、2年目になって、自分の働き方にも変化ができたので、そのことについて書きたいと思います


02 ホワイトボードに書き足される17条の憲法

職員室には各学年ごとに2つホワイトボードがあります。1つは生徒連絡用、もう一つは職員連絡用です。この職員用のホワイトボードには謎の文字が書かれています。写真を撮るべきでしたが、たぶん残ってないかな…。「ト黒歩弁落…」このような感じで半分本気半分面白がって、これまでに指導してきた当たり前なこと、珍事件の頭文字を学年長がホワイトボードに書いてました。本当にしょうもないことばっかりで、めちゃめちゃシュールでした。この一番最初のトにあたるのが、トイレットペーパー事件です。


03 トイレットペーパー事件

ある日、ある生徒が学校での携帯利用を指導されて、機嫌を損ねてしまいます。指導後に腹の虫がおさまらなかったその生徒は、「どうなるか分からないからな!」と言って、教室のある5階へ上がっていきました。数分後、職員室の窓の外を見ていると、上から何か白い帯のようなものが落ちてきます。職員室の先生方がおどろき上を見ると、トイレットペーパーが5階からシュルーっと落とされてるのです。それを見つけた先生は落とされたトイレットペーパーを持って5階へ駆けあがり、その生徒はさらに怒られてました。天才ですよね。今だこのエピソードを超える事件に私はまだ出会っていません。それ以来、1学年の職員ホワイトボードには「トイレットペーパーを投げない」という意味で、「ト」と書いてあります。その他にも、掃除の時にトイレ掃除をしていた生徒たちは、なんだか一生懸命トイレットペーパーをせっせと運んでいます。何をしているのかなあとトイレを覗くと、壁一面にレンガのようにトイレットペーパーが積んであるんです。その後に、もちろん撤去作業をさせられるのは本人達なのですが。こんなレベルのハームレスな事件が定期的に起こっていました。他の学年の先生方からは、幼稚すぎてかなり問題視されていましたが、学年長をはじめ学年団の先生方はこの生徒たちの個性もちゃんと尊重しつつ、生徒の調和も保てるような指導方針を持って指導できていたため、最後に卒業するときにはちゃんと立派に成長してくれたと思っています。

04 釣り針事件

これは僕のお気に入りのエピソード。ある朝、電話を取ると、生徒から遅刻の連絡が入ります。「頭に釣り針が刺さってしまい、病院に行くので遅刻します。」・・・?ですよね。どうやら、車のトランクに釣り竿が積んであり、その釣り針が、朝車で送迎される時に頭に刺さってしまったらしく、そのまま病院に行ったそうです。因みに唯一それが原因で、その生徒は皆勤を逃しました。朝から釣られて病院送りになる珍エピソードです。


05 自分の中での働き方改革

前回の記事で書いた通り、担任の業務はなかなか忙しく、慣れるのに時間がかかりましたが、夏ぐらいからだんだんとペースをつかめるようになり、自分の働き方も分かるようになってきました。特にその時の副校長は教員の働き方改革に熱心で、これまで当たり前に9時まで空いていた職員室を7時で必ず閉めるように、警備員さんの契約も変更し、職員にも早く帰るように指導していました。最初は8時9時まで残るのに慣れていた先生たちは困惑した様子でしたが、だんだんと慣れていきました。
2年目に突入して仕事にも少しずつ慣れてきた私は、2つの改革をします。
一つ目は、机をきれいに保つことです。細かく言うと、机上にはPC以外は何も置かないことを徹底しました。これは今もずっと続けていて、必ず仕事終わりには机の上を更地にして帰るようにしています。これを始めたおかげで、書類を無くすことは全くなくなりましたし、頭の中が整理されて、効率よく仕事をこなせるようになりました。
二つ目は、できるだけ早く帰ることです。もちろん部活もありましたし、定時退勤とまではいきませんでしたが、いかに仕事を効率よく、早く終わらせて早く家に帰り、十分な休養と睡眠をとるかを常に気にして仕事をしていました。もちろん仕事を怠惰にするというわけではなく、むしろ集中して仕事をするので、授業準備の質も高く、他の分掌の仕事も内容の良い仕事ができたと思います。この習慣も今も続けていますし、三学年担任の時にこのマインドセットが非常に有効でした。

以上、教員2年目の話でした。僕はこの後、2年3年生とこの愉快な生徒達を卒業まで担当します。その思い出について以降の記事で紹介します。


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