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価値の定義:価値って何?お金って何?AI時代の価値って何?

多分前にも同じようなこと書いてますが、日経に面白い記事があったので、再度考えてみようと思います。

ビジネスにおける「価値」

ビジネスの現場ではよく「価値を出せ」「付加価値をつけろ」みたいなことが言われます。
外資系のコンサルとかでは「バリュー出せ」とか言われそうですね。

でも、「価値って何ですか?」「価値の定義ってなんですか?」って聞き返したら、たぶんほとんどの場合、上司は答えられないと思います。

(良い子はそんなこと聞き返さないようにしましょう)

ビジネスにおいて、価値とは金である、という答えもあると思います。
確かに、営業とかの仕事の場合、売り上げ=価値、と定義することはできそうです。売り上げを一番あげた奴がもっとも価値を出している。以上。

でも、営業とかじゃない場合、価値の定義は曖昧です。
例えば上司に、「価値ある提案資料をつくれ!」とか言われたとします。そして、資料をつくって見せたら、その上司も、これでOK!と言ったとします。

でもお客さんに持っていったら「こんなん全然ダメなんですけど」と言われたとします。

この場合、自分も上司も価値あると思っていたものが本当は価値がなかった(=お客さんが価値があると思わなかった)ということです。

価値は主観的なもの

価値あるものは、人が価値があると思うから価値があるわけです。でもこれは循環論法です。「価値」という言葉の定義にはなっていません。

ビトンのカバンには価値があります。でも、全人類がこの瞬間に「ビトンとかクソだよね。ダサいよね」と何らかのきっかけで思ったとしたら、価値はなくなります。

なので、価値とはとても主観的なものだと思います。

マズローの欲求5段階説と価値

とはいえ、人間が必ず欲するものには価値があるよね、ということもできると思います。例えば、人間は食料がなければ生きられないので、食料には価値がありつづけるでしょう。

睡眠欲もあるので宿泊業も価値を持ち続けるでしょう。
性欲もあるので、性産業は世界最古の産業、なんて言われていると思います。下の図のどこかの欲求を満たすものには価値がある、と言い換えられるかもしれません。

https://studyhacker.net/maslow-hierarchy  から引用

ビトンのカバンは、承認欲求(ああ、あの人はあんな高級なカバンを買えるくらいお金持ちな人なんだ、という他人からの承認)を満たしていると言えるのかもしれません。

AI時代の価値

さて、問題は、このピラミッドの多くの欲求を満たす商品、製品、サービスはAIが作ってくれる時代が近いかも、ということです。こないだ書いたみたいに、ほとんどの事は人間よりAIが上手くできる時代が近づいている気がします。

でも、最上段の部分、自己実現欲求だけはAIが満たすのは難しいかもしれません。そして、それを満たす可能性があるのが「哲学」なのではないのか、っていうことだと思います。

今、「専門は哲学です。大学では哲学を専攻し、博士号まで取得しました」とか言うと、厄介者扱いされかねませんが、もしかしたら、そういう人にしか需要がない時代が来るかもしれません。他のすべての事はAIがやってくれるので。

サピエンス全史の著者、Yuval Noah Harariさんも、インタビューの中で、「何を学んでもすぐに機械に代替されてしまう21世紀において何を学ぶと良いか?」と聞かれて、「哲学は可能性あるんじゃない?」みたいなことを言っていました。

これが、僕が哲学が好きな理由です。

いつか大学院に行きなおしたいなあ、なんて考えていますが、哲学は候補の一つです。

(タイトル上のイメージ画像は、日経の記事で紹介されている京都哲学研究所のHPから拝借しました。不適切であればご指摘ください。)

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